第3号議案 取締役に対する株式報酬制度の一部変更及び延長の件
1. 提案の理由及び当該報酬を相当とする理由
当社の取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除きます。)の報酬は、「基本報酬」、「賞与」及び「株式報酬」で構成されているところ、このうち「株式報酬」は、2017年6月28日開催の第101回定時株主総会において、信託を用いた株式報酬制度(以下「本制度」といいます。)として株主の皆様のご承認(以下「前回総会決議」といいます。)をいただき導入したものですが、本議案は、本制度をその内容を一部変更したうえで延長することについてご承認をお願いするものです。
なお、その詳細につきましては、下記2.の枠内で取締役会にご一任いただきたく存じます。
本制度は、取締役の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価上昇によるメリットを享受するのみならず株価下落リスクをも負担し、株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として導入したものです。今般、本制度に中期経営計画期間における業績との連動要素を追加することにより、取締役に対してより一層の業績目標の達成と企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることといたします。
変更後の本制度による報酬枠は、2016年6月28日開催の第100回定時株主総会においてご承認いただきました取締役(監査等委員である取締役を除きます。)の報酬の限度額(年額250百万円以内。ただし、使用人分給与は含みません。)とは別枠とします。また、本議案による変更後の本制度による報酬は、2024年3月末日で終了する事業年度から2026年3月末日で終了する事業年度までの3事業年度(以下、「対象期間」といいます。)の間に在任する取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除きます。以下、本議案において同じとします。)を対象とします(ただし、下記のとおり、対象期間を延長することがあります)。
当社における取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の内容の概要は、事業報告(3)会社役員の状況⑤取締役の報酬等に記載のとおりであり、本議案の承認可決を条件として、その内容を、本議案に記載のとおり変更することを2023年5月12日開催の取締役会において決議しております。しかるところ、本議案の内容は、変更後の当該方針に沿って報酬等を支給するために必要かつ合理的なものであるため、本議案の内容は相当であると判断しております。
また、第2号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役は5名となります。
なお、本議案につきましては、監査等委員会において検討を行った結果、特段非議すべき事項はない旨を確認しております。
※本議案が原案どおり承認可決された場合、当社の執行役員に対しても同様の業績連動型株式報酬制度を導入する予定です。
2. 本制度における報酬等の額・内容等
本制度の延長にあたり、従前の本制度の内容を一部変更いたします。変更後の本制度に係る報酬等の額及び内容等は以下のとおりです。
(1)本制度の概要
本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(2017年の本制度導入時に設定済みです。以下、「本信託」といいます。)が当社株式を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される、という株式報酬制度です。
なお、取締役が当社株式の交付を受ける時期は、原則として取締役の退任時です。
(2)当社が拠出する金銭の上限
当社は、設定済みの本信託の信託期間を延長するとともに、本制度に基づき取締役に対し株式報酬として交付するために必要な当社株式の取得資金として、対象期間中に、合計金160百万円を上限とする金銭を取締役に対する報酬として追加信託することといたします。本信託は、当社が信託した金銭を原資(上記のとおり当社が追加信託する金銭のほか、追加信託前から本信託内に残存している金銭を含みます。)として、当社株式を当社の自己株式の処分による方法又は取引所市場(立会外取引を含みます。)から取得する方法により、取得します。
※当社が実際に本信託に追加信託する金銭は、上記の当社株式の取得資金のほか、信託報酬、信託管理人報酬等の必要費用の見込み額を合わせた金額となります。
なお、当社の取締役会の決定により、対象期間を5事業年度以内の期間を都度定めて延長するとともに、これに伴い本信託の信託期間をさらに延長し(当社が設定する本信託と同一の目的の信託に本信託の信託財産を移転することにより、実質的に信託期間を延長することを含みます。以下も同様です。)、本制度を継続することがあります。この場合、当社は、当該延長分の対象期間中に、本制度により取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金として、当該延長分の対象期間の事業年度数に金80百万円を乗じた金額を上限とする金銭を本信託に追加信託し、下記(3)のポイント付与及び当社株式の交付を継続します。
また、上記のように対象期間を延長せず本制度を継続しない場合であっても、信託期間の満了時において、既にポイントを付与されているものの未だ退任していない取締役がある場合には、当該取締役が退任し当社株式の交付が完了するまで、本信託の信託期間を延長することがあります。
なお、変更前の本制度のために本信託が取得済みである当社株式が、変更後の本制度に基づく交付として本信託から取締役に対して交付されることがあります。
(3)取締役に交付される当社株式の算定方法及び上限
①取締役に対するポイントの付与方法等
当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定めるポイント付与日において、役位及び業績目標(初回は中期経営計画において掲げている「当期純利益」と「ROE」を予定しております。)の達成度等に応じたポイントを付与します。
ただし、当社が取締役に対して付与するポイントの総数は、1事業年度あたり60,000ポイントを上限とします。
②付与されたポイントの数に応じた当社株式の交付
取締役は、上記①で付与されたポイントの数に応じて、下記③の手続に従い、当社株式の交付を受けます。ただし、取締役が自己都合により退任する場合等には、それまでに付与されたポイントの全部または一部は消滅し、消滅したポイント見合いの当社株式については交付を受けないものとします。
なお、1ポイントは当社株式1株とします。ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、交付すべき当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、1ポイントあたりの当社株式数はかかる分割比率・併合比率等に応じて調整されるものとします。
③取締役に対する当社株式の交付
各取締役は原則としてその退任時に所定の手続を行って本信託の受益権を取得し、本信託の受益者として、本信託から上記②の当社株式(なお、変更前の本制度に基づき付与されたポイント見合いの当社株式を含みます。)の交付を受けます。
ただし、このうち一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。また、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
(4)議決権行使
本信託内の当社株式に係る議決権は、当社及び当社役員から独立した信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないことといたします。かかる方法によることで、本信託内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しております。
(5)配当の取扱い
本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。
ご参考)
2023年5月12日開催の取締役会において、役員報酬等の内容の決定に関する方針等を以下のとおり改定いたしました。
(役員報酬の基本思想)
優秀な人材を確保・維持できる水準であること。
企業価値増大への取組みを促進すること。
株主と利害を共通すること。
・当社の役員報酬水準は、外部調査機関による役員報酬調査データにて、当社と同事業規模の他企業の水準を確認し設定しています。
・業務執行取締役の報酬は、基本報酬、短期インセンティブ報酬としての金銭賞与、長期インセンティブ報酬としての業績連動型株式報酬で構成し、毎期の持続的な業績改善に加えて中期的な成長を動機づける設計としています。
・業務執行から独立した社外取締役と監査等委員である取締役に対しては基本報酬のみを支給します。
・役員報酬決定方針及び毎年の役員報酬は、指名・報酬諮問委員会の協議を経て取締役会で決定しています。また、監査等委員である取締役の報酬水準については、指名・報酬諮問委員会の協議を経て監査等委員会で決定しています。
・同諮問委員会は業務執行取締役、社外取締役、監査等委員である取締役で構成され、独立社外役員が過半を占める体制としています。
・なお、取締役及び監査等委員である取締役について、退職慰労金制度はありません。
a. 基本報酬に関する方針
・取締役の役割と役位に応じて金額を決定し、月額固定報酬として支給します。
・報酬水準は、外部調査機関による役員報酬調査データを参考としています。
b. 業績連動報酬等に関する方針
・企業業績と役員報酬の連動性を高めるため、連結営業利益金額を業績指標とした年初計画(年初開示)及び前年業績の各比較、ならびに単体の営業利益金額を業績指標とした年初計画(中計開示)及び前年業績の各比較による4指標により算定します。目標業績達成時を100%評価とし0~150%の範囲で変動します。
・目標業績達成時の付与額は固定報酬の概ね33~35%としています。
・毎年の付与額は、指名・報酬諮問委員会の協議を経て取締役会で決定しています。
c. 非金銭報酬等に関する方針
・役員報酬と株主価値の連動性を高め、株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績向上と企業価値増大に対する貢献意識や株主重視の経営意識を一層高めることを目的として、業績連動型の株式報酬を支給します。
・就任後から退任までの間に株式ポイントを毎年度付与し、退任後に累計ポイントを株式に変換して支給します。株式報酬は固定部分と変動部分で構成され、予め役位別に定められた固定部分(5割)及び業績連動指標(ROE及び当期純利益)の達成率(業績連動支給率)に応じて連動付与される変動部分(5割)となります。達成率は目標業績達成時を100%評価とし0~150%の範囲で変動します。
・役員在任中はインセンティブを保持し続けるために株式報酬の支給時期は役員退任時とします。
・毎年総会後の6月末までに権利を付与し、付与金額は直前に終了する事業年度における役位に応じて算出します。
・株式報酬の権利付与額は固定報酬の概ね33~35%としています。
・毎年の付与額は、指名・報酬諮問委員会の協議を経て取締役会で決定します。
d. 報酬等の割合に関する方針
・当社の役員報酬は基本報酬、短期インセンティブ報酬としての金銭賞与、長期インセンティブ報酬としての業績連動型株式報酬で構成されており、各報酬比率は目標業績達成時において、概ね「60:20:20」となっています。