１．提案の理由

当社の取締役の報酬額は、2019年６月20日開催の第11回定時株主総会において、月額36百万円以内（うち社外取締役分月額８百万円以内）として、また、賞与、退職慰労金等その他の金銭報酬を支給しないものとしてご承認いただいております。

当社は、取締役の報酬等について、上記の株主総会でご承認いただいた報酬額の総額の範囲内で、内規により報酬額の決定方法を定めています。具体的には、基本報酬、役位（会長、社長、副社長、専務および常務等）ならびに職位（代表権、最高経営責任者、取締役会議長および指名・報酬諮問委員会委員等）ごとの個々の報酬額を設定した上で個別の基本報酬額を決定し支給しています。また、執行役員を兼務する取締役には、取締役の報酬とは別に、内規で算定された個別の基本報酬額に利益業績（コア営業利益および当期純利益の増減益額）に連動した係数を乗じてインセンティブ加減を行うことで業績連動要素を加味した固定報酬額を執行役員報酬として支給しています。

当社は、2021年３月期（第13期）（以下、「当事業年度」といいます。）における執行役員報酬のインセンティブ加減にかかる目標設定にあたり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への影響を考慮して、内規を見直し、当該インセンティブ加減の実施を凍結しました。加えて、執行役員全員が固定報酬額の一部を自主返納するとともに、売上の下限リスクを想定したキャッシュ・アウト抑制と経費削減を推進する緊急対策として、全社で新型コロナウイルス感染症緊急対策（CEM^※１）プロジェクトおよび事業体質強化を行ってまいりました。

かかる諸施策実施の結果、当事業年度の通期連結業績は、全社での緊急対策への取り組みにより、期初業績予想（2020年８月３日公表）を上回り、前年同期比では減収となりましたが、すべての利益指標で増益となりました（図表１参照）。

２．提案の内容

当社は、従前は取締役に対して賞与を支給しないこととして株主総会で取締役の報酬額についてご承認いただいていますが、上記のとおり、当事業年度の業績、執行役員のインセンティブ加減の実施の凍結および固定報酬額の一部自主返納等を総合的に勘案して、上記の2019年６月20日開催の第11回定時株主総会においてご承認をいただきました取締役の報酬額とは別枠として、当事業年度末時点の執行役員を兼務する取締役５名に対して、役員賞与として最大総額33,300千円（各支給対象者の執行役員報酬月額の最大３か月分の合計額。）を限度として報酬等を支給することといたしたいと存じます（社外取締役および執行役員を兼務しない取締役４名は、当該役員賞与の支給の対象外です。）。また、上記のとおり、株主総会でご承認いただいています取締役の報酬額は、月額報酬枠を定めるものであり、役員賞与として一時的な支払いに対応できないことから、本議案にてお諮りするものであります。さらに、本議案をご承認いただき役員賞与を支払った場合においても、取締役の報酬の年間支払総額は、従前に株主総会でご承認いただいている月額報酬の12か月分の範囲内としております。

なお、各取締役に対する金額は、各取締役の当事業年度の執行役員としての業績評価等を踏まえ、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会による諮問手続を経て取締役会にご一任いただきたいと存じます。

また、当事業年度の当社における取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の内容の概要は、事業報告に記載のとおりであり、2021年５月14日開催の取締役会で、本議案をご承認いただくことを条件に、役員賞与を支払うことを含む内容に変更しました。本議案の内容は、当該方針に沿う内容の取締役の個人別の報酬等を付与するために必要かつ合理的な内容となっており、また、上記の諸般の事情を総合的に勘案して定めたものであることから、相当であると判断しております。

なお、2021年度にかかる取締役の個人別の報酬額の決定方針については、2021年５月14日開催の取締役会で、第４号議案および第５号議案をご承認いただくことを条件に、その内容を変更することを決議しており、変更後の2021年度の当社における取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の内容の概要は、事業報告に記載のとおりであります。

また、本議案の内容については、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会から相当である旨の答申を得ております。

なお、本議案をご承認いただくことを条件に、上記の執行役員を兼務する取締役への役員賞与支給と同様に、当事業年度末時点の取締役を兼務しない執行役員７名に対しても役員賞与として最大総額38,400千円（各支給対象者の執行役員報酬月額の最大３か月分の合計額。）を支給する予定です。