第3号議案 取締役等に対する業績連動型株式報酬制度に係る内容の一部改定の件

1.提案の理由及び当該報酬等の改定を相当とする理由

当社は、取締役及び執行役員(社外取締役、非常勤取締役、受入出向者及び国内非居住者を除き、以下「取締役等」といいます。)を対象に、当社の中長期的な企業価値向上への貢献意識を高めること及び株主をはじめとしたあらゆるステークホルダーとの意識・利害を共有することを目的として、業績連動型の株式報酬制度(以下「本制度」といいます。)について、2022年6月27日開催の定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で導入しております。

当社は、変化が激しく不透明な環境下において、2024年度からの新たな経営計画として、2030年度を最終年度とする「MS Vision 2030」を策定いたしました。本議案は、本制度が対象とする期間を経営計画「MS Vision 2030」における経営指標のマイルストーン設定期間(以下「経営指標マイルストーン設定期間」といいます。)である2024年度から2027年度の4事業年度とすることにつき、ご承認をお願いするものであります。

本制度は、2007年3月29日開催の定時株主総会においてご承認いただきました取締役の年額報酬(金銭報酬)の限度額(年額5億円以内)とは別枠として、取締役等に対して株式報酬を支給するものであります。当社は、役員報酬をパーパス・ビジョン実現のための重要な原動力と捉え、経営計画「MS Vision 2030」策定に伴い役員報酬等の決定方針の見直しを行うこととし、本議案が可決されることを条件として、取締役会において役員報酬等の決定方針を決議し、その概要は本文末(ご参考1、2)に記載のとおりであります。本議案は、当該方針に沿った取締役の個人別の報酬等を付与するために必要かつ合理的な内容となっております。

本制度の対象となる当社の取締役の員数は、第2号議案「取締役10名選任の件」が原案どおり承認可決されますと3名(他社からの受入出向者2名を除きます。)となります。また、上記のとおり、本制度は、執行役員を対象としており(本株主総会の終結の時点において本制度の対象となる取締役を兼務しない執行役員は16名(他社からの受入出向者7名を除きます。)の予定)、本制度に基づく報酬には、執行役員に対する報酬が含まれますが、本議案では、それらの執行役員が対象期間中に新たに取締役に就任する可能性があることを踏まえ、本制度に基づく報酬の全体につき、取締役等に対する報酬等として、その額及び内容を提案するものであります。

なお、当社は、報酬決定プロセスにおける公正性・透明性・客観性の強化を目的とし、取締役会の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を独立役員とする指名・報酬・ガバナンス委員会を設置しており、本制度の一部改定については、指名・報酬・ガバナンス委員会の審議を経ております。

2.本制度における報酬の額・株式数の上限等

(1)本制度の概要

本制度は、当社が拠出する取締役等の報酬額を原資として、当社が設定した信託(以下「本信託」といいます。)が当社株式を取得し、当該信託を通じて取締役等に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」といいます。)の交付及び給付(以下「交付等」といいます。)を行う株式報酬制度であります。詳細は下記(2)以降のとおりであります。


(注) 

ROE(自己資本当期純利益率)とは、Return on Equityの略称であります。

TSR(株主総利回り)とは、Total Shareholder Returnの略称であります。

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせた言葉であります。ESG外部評価は、FTSE Russell ESG Ratingsを指標として使用しております。なお、FTSEとは、Financial Times Stock Exchangeの略称であります。

(2)当社が拠出する金員の上限等

本制度の対象となる期間は、原則として、当社が掲げる経営指標マイルストーン設定期間に対応する事業年度(以下「対象期間」といいます。)を対象といたします。2024年度に設定する当初の本制度については、2025年3月31日で終了する事業年度から、2028年3月31日で終了する事業年度までの4事業年度(以下「改定後当初対象期間」といいます。)を対象とし、本信託の信託期間の延長が行われた場合には、以降の経営指標マイルストーン設定期間に対応する事業年度をそれぞれ対象期間といたします。

本制度の対象期間中、当社は取締役等の報酬として、対象期間毎に1事業年度当たりの信託金の上限金額である4億円に対象期間の年数を乗じた数に相当する金額(改定後当初対象期間については4事業年度を対象として16億円)を上限とした信託金を拠出し、受益者要件を充足する取締役等を受益者として対象期間に相当する期間の本信託を設定いたします。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として株式市場から株式を取得いたします。

当社は、信託期間中、取締役等に対しポイント(下記(3)のとおり。)を付与し、本信託は、予め定められた一定の時期に付与されたポイント数に相当する当社株式等の交付等を本信託から行います。

なお、本信託の信託期間の満了時において、信託契約の変更及び追加拠出を行うことにより本信託を継続することがあります。その場合、その時点での当社が掲げる経営指標マイルストーン設定期間に対応する事業年度を新たな対象期間とし、当該期間に応じた年数について本信託の信託期間を延長し、当社は延長された信託期間毎に、本株主総会の承認決議を得た信託金の上限額の範囲内で追加拠出を行い、引き続き延長された信託期間中、取締役等に対し、ポイントの付与を継続いたします。ただし、係る追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除きます。)及び金銭(以下「残存株式等」といいます。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、本株主総会で承認決議を得た金員の上限額の範囲内といたします。この信託期間の延長は、一度だけに限らず、その後も同様に本信託を再延長することがあります。

(3)取締役等に対して交付等が行われる当社株式等の数の上限等

信託期間中の毎年一定の時期に、取締役等に対して、職位別の報酬額を基礎として計算されるポイント(以下「基準ポイント」といいます。)が付与され、対象期間の最終事業年度末日直後の一定の時期(改定後当初対象期間については2028年を予定しております。)に、対象期間に応じた基準ポイント数の累積値に業績連動係数を乗じて計算されるポイント数(以下「株式交付ポイント数」といいます。)に基づき、交付等を行う当社株式数が決定されます。

業績連動係数は、対象期間における業績目標の達成度等に応じて0%~200%の範囲で変動いたします。改定後当初対象期間については、ROE、TSR、ESG外部評価及び社員エンゲージメントを業績評価指標とする予定であります。2028年3月31日で終了する事業年度以降の対象期間については、その時点の経営指標マイルストーン設定期間をもとに取締役会において定めます。

1ポイントにつき当社株式1株とし、1ポイント未満の端数は切捨てます。ただし、当社株式について信託期間中に株式分割・株式併合等を行った場合には、当社株式の分割比率・併合比率等に応じて、1ポイント当たりの当社株式数及び本信託から交付等が行われる当社株式等の上限株数を調整いたします。

なお、取締役等が対象期間中に退任した場合には、対象期間の最終事業年度末日直後の一定の時期(改定後当初対象期間については2028年を予定しております。)に、株式交付ポイント数に基づき、交付等を行う当社株式数が決定されます。また、取締役等(対象期間中に退任した取締役等を含みます。)が、死亡又は国内非居住者となることが決定した場合には、当該時点までに累積したポイント数により交付等を行う当社株式等を決定いたします。

本信託から交付等が行われる当社株式等の上限数は、1事業年度当たり15万株とし、改定後当初対象期間(4事業年度)に本信託から交付等が行われる当社株式等の上限数は60万株といたします。なお、本信託の継続を行う場合における本信託から交付等が行われる当社株式等の上限数は、係る1事業年度当たりの上限数に対象期間の年数を乗じた数に相当する株式数となります。この上限数は、上記(2)の信託金の上限額を踏まえて、株価等を参考に設定しております。


(4)取締役等に対する株式交付等の時期及び方法その他株式の交付条件の概要

取締役会が別途定める受益者要件(対象期間中に取締役等であること、非違行為等がないこと等)を充足した取締役等(対象期間中に退任した取締役等を含みます。)に対する当社株式等の交付等の時期は、原則として、対象期間終了後となります。

受益者要件を充足した取締役等(対象期間中に退任した取締役等を含みます。)は、株式交付ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式については切捨てます。)の交付を本信託から受け、残りの株式交付ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものといたします。

ただし、取締役等(対象期間中に退任した取締役等を含みます。)が死亡した場合は、その時点までに累積した基準ポイント数に応じた当社株式について、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭について、当該取締役等の相続人が本信託から給付を受けるものといたします。また、取締役等(対象期間中に退任した取締役等を含みます。)が国内非居住者となることが決定した場合には、その時点までに累積した基準ポイント数に応じた当社株式について、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭について、当該取締役等が国内非居住者となる日までに本信託から給付を受けるものといたします。


(5)クローバック条項

取締役等(対象期間中に退任した取締役等を含みます。)が法令や社内規程に違反する等して本制度の目的に照らして当社株式等の交付等を行うことが適当でなかったことが判明した場合、当社は、当該取締役等に対して本制度における交付済み株式数(換価処分した株式数を含みます。)に交付等の権利が確定した日の当社株式の終値を乗じて得た額につき賠償を求めることができるものといたします。

(6)本信託内の当社株式に関する議決権行使

本信託内にある当社株式(取締役等に交付等が行われる前の当社株式)については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権を行使しないものといたします。

(7)本信託内の当社株式の配当の取扱い

本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、本信託の信託報酬・信託費用に充当されます。信託報酬・信託費用に充てられた後、最終的に本信託が終了する段階で配当の残余が生じた場合には、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属し、信託費用準備金を超過する部分については、当社及び取締役等と利害関係のない団体への寄附を行う予定であります。

(8)その他の本制度の内容

本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。

(参考)

本制度の詳細につきましては、2024年5月9日付適時開示「当社取締役等に対する業績連動型株式報酬制度に係る内容の一部改定に関するお知らせ」をご参照ください。

(URL : https://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/2431251/00.pdf)

(ご参考1)経営計画「MS Vision 2030」

経営計画「MS Vision 2030」の詳細につきましては、2024年5月9日付適時開示「経営計画「MS Vision 2030」策定に関するお知らせ」をご参照ください。

(URL : https://www.mitsubishi-shokuhin.com/news/news_file/file/240509ReleaseHPMSV2030.pdf)

(ご参考2)当社の役員報酬等の決定方針の概要

1.基本方針

当社は、役員報酬をパーパス・ビジョン実現のための重要な原動力と捉え、以下を基本方針としております。

(1) 優秀な経営陣の確保・リテンションに資する内容であり、かつ経営陣に適切なチャレンジと自己変革を促すものであること

(2) 会社業績との連動性が高く、中長期的な企業価値向上への貢献意識を高めるものであること

(3) 株主をはじめとしたあらゆるステークホルダーと意識・利害を共有する内容であること

(4) 透明性・客観性が高く、あらゆるステークホルダーに対する説明責任を果たすことができるものであること

2.報酬水準

役員報酬の水準は、外部調査機関のデータを活用し、類似業種や同規模企業で構成されるピアグループを設定の上、中位水準をターゲットとして職位別に決定しております。

3.報酬構成

当社の取締役(非常勤取締役を除きます。)及び執行役員の報酬は、基本報酬、賞与、株式報酬によって構成され、概要は以下のとおりであります。なお、非常勤取締役及び監査役は、全額を固定報酬としております。

(1)報酬構成の概要

(2)基本報酬
職位別に設けられた基準に従って決定する固定の金銭報酬で、総額の12分の1を月額報酬として毎月支給いたします。

(3)賞与

賞与は、職位別に基準賞与を設け、各事業年度の全社業績及び個人貢献度に応じて変動する金銭報酬で、毎年6月に支給いたします。

全社業績は、当社が重視する指標の内、当該期間の執行内容が強く反映される連結経常利益を指標とし、期初に公表される目標値に対する達成割合に応じたフォーミュラによって支給額を決定いたします。

個人貢献度は、各取締役の貢献度について、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を独立役員とする指名・報酬・ガバナンス委員会が行う5段階の評価によって支給額を決定いたします。

(4)株式報酬

株式報酬は、財務指標及び非財務指標に応じて変動する非金銭報酬で、信託の仕組みを通じて支給いたします。

毎年一定時期に、職位別の基準額に応じたポイントを付与し、当社の経営指標マイルストーン設定期間終了後に業績に連動したポイント相当分の株式を支給いたします。また、交付する株式の50%は、納税資金充当のため換価処分の上金銭にて支給いたします。

財務指標及び非財務指標は、当社の中長期的なビジョン達成に向けた重要指標より採用して、ROE、TSR、ESG外部評価及び社員エンゲージメントとしております。


4.報酬決定プロセス

当社は、役員報酬決定手続きの公正性・透明性・客観性の強化を目的とし、取締役会の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を独立役員とする指名・報酬・ガバナンス委員会を設置しております。なお、同委員会には常勤監査役及び必要に応じて外部専門家がオブザーバー参加することで適宜助言を得ております。取締役会は、同委員会の答申を受け、取締役の報酬の額又はその算定方法に係る決定方針を定めております。

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