事業報告(2018年9月1日から2019年8月31日まで)

会社の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

 当事業年度におけるわが国経済は、輸出を中心に弱さもみられますが、緩やかに景気が回復しております。企業収益は高い水準で底堅く推移しております。雇用情勢は改善が続いており、個人消費は持ち直しております。
 当家電小売業界における売上は、テレビ、洗濯機等が好調に推移したことに加え、冷蔵庫、エアコン、スマートフォンやパソコン等が堅調に推移し、デジタルカメラ等がやや低調であったものの、総じて堅調に推移しました。
 このような状況の中、当社は、「お客様第一主義を実践し、最高のサービスをお客様に提供することで社会に貢献する」の企業理念のもと、「お客様のくらしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をスローガンに掲げ、ビックカメラとの統合効果を最大限に発揮し、企業価値の向上に取り組んでおります。
 ビックカメラグループの幅広い取扱い商品を強みに、品揃えの拡充や専門性の向上に取り組み、モノからコト軸への提案を進め、更に、お客様に体験価値や満足感を感じていただける展示・接客の充実に努めております。2018年10月13日に「コジマ×ビックカメラ 梶ヶ谷店」で酒類の販売を開始し、2019年4月25日に「コジマ×ビックカメラ ららぽーとTOKYO-BAY店」で高級腕時計の取扱いを開始するなど、店舗の更なる魅力度向上に努めております。
 また、快適・便利・楽しいをテーマにした生活提案型イベントの開催や、社員が直接お客様宅を訪問し困り事を解決する「コジマくらし応援便」の対象エリア拡大・サービスメニュー拡充、デジタル商品を中心に買取・購入後のサポートを充実した「サービスサポートカウンター」の設置店舗拡大など、コジマ独自の試みにより、皆様に喜んでいただける店舗づくりに取り組んでおります。なかでも調理家電やブルートゥースイヤホンなど、専門の担当者がお客様に実演・提案を行い、生活シーンに合わせた快適性を体感いただける「ライブ販売イベント」の充実に努めております。
 さらに、新たなQRコード決済として「PayPay」と「LINE Pay」を2018年12月から、「d払い」を2019年3月から、「au PAY」を4月から、「楽天ペイ」と「Origami Pay」を6月から全店導入し、また、ドコモの総合通販サイト「dショッピング」に6月から出店するなど、店舗やインターネット通販において、お買物がもっと便利になる仕組みづくりも進めております。
 店舗展開におきましては、2018年11月21日に「コジマ×ビックカメラ マークイズ福岡ももち店」(福岡県福岡市)を開店し、2019年8月末現在の店舗数は 142店舗となりました。
 また、ビックカメラ流の体験提案型の売場や豊富な商品を扱う「コジマ×ビックカメラ店」への転換を終えた店舗につきましても、ご来店いただいたお客様の声を店舗づくりに反映し、更なる進化を目指しております。2019年4月26日に「ユニクロ」とコラボした「コジマ×ビックカメラ 静岡店」をリニューアルオープンしました。ミニ四駆を通じて関係が深く静岡市に本社を置く模型メーカー「タミヤ」とも協力し、さらに、静岡市と地方創生推進に向けた包括連携協定を締結することで、新たな店舗モデルの構築に取り組んでおります。
 以上の結果、当事業年度の売上高は 2,681億27百万円(前年同期比 8.8%増)、営業利益は 64億26百万円(前年同期比 51.3%増)、経常利益は 71億65百万円(前年同期比 60.1%増)、税引前当期純利益は 56億36百万円(前年同期比 52.6%増)、当期純利益は 66億4百万円(前年同期比 93.2%増)となりました。

品目別売上高、同構成比

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重要な親会社の状況

① 親会社との関係

 当社の親会社は株式会社ビックカメラで同社は当社の普通株式39,000千株を保有し、その議決権比率は50.25%であります。
 当社は株式会社ビックカメラとの間に、資本業務契約を締結し、商品仕入面での連携、物流・システム面での連携、店舗開発、店舗運営ノウハウ及び店舗マネジメント並びに販売促進の連携、什器・間接資材の共同購入、人材交流の多方面にわたり両社で共同して提携を推進することにより、収益性の改善及び競争力の強化に努めております。

② 親会社との間の取引に関する事項

イ.当該取引をするに当たり当社の利益を害さないように留意した事項

 当社は親会社との間で「商品の発注及び代金の支払業務の委託」「資金の借入」等の取引を実施しておりますが、当該取引をするに当たっては、少数株主の保護のため、当該取引の必要性及び取引条件が第三者との通常の取引と著しく相違しないこと等に留意し、合理的な判断に基づき、公正かつ適正に決定しております。

ロ.当該取引が当社の利益を害さないかどうかについての取締役会の判断及びその理由

 当社は、親会社からの独立性確保の観点も踏まえ、独立社外取締役からも当社経営に対する適切な意見を得ながら、取締役会において多面的な議論を経たうえで、当該取引の実施の可否を決定しております。
 事業運営に関しては、取締役会を中心とした当社独自の意思決定に基づき業務執行をしており、上場企業としてのお互いの立場を尊重しつつ経営の独立性を確保しながら、適切に経営及び事業活動を行っております。

ハ.取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合の当該意見

 該当事項はありません。

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対処すべき課題

 当社は、「お客様第一主義を実践し、最高のサービスをお客様に提供することで社会に貢献する」というビックカメラグループの理念のもと、「お客様のくらしを『より快適に』 『より便利に』 『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をスローガンに掲げ、「より豊かな生活を提案する」ことで、地域の皆様から最も身近に親しまれ必要とされるコジマを目指してまいります。

① 生産性の向上

 株式会社ビックカメラとの統合効果を最大限に発揮し、プライベートブランド商品、新分野の商品、新サービス商材の開拓と販売強化に取り組み、営業利益の向上に努めてまいります。
 また、株式会社ビックカメラとの人材交流、女性従業員の活躍支援、健康経営の推進などを通じ、組織活性化を図り、生産性の向上につなげてまいります。

② 持続的な成長

 当社では、エアコン、冷蔵庫、洗濯機やテレビ・レコーダー等を着実に伸ばすとともに、買取・購入後のサポートを充実した「サービスサポートカウンター」の設置により、パソコンや周辺機器等の更なる強化に取り組んでまいります。
 また、インターネット通販、法人営業、住設事業を当社の新成長領域と位置づけ、強化拡大に努めてまいります。
 このほか、65歳以上のお客様にお得な特典が付与される新ポイントカード「アクティブ65倶楽部」を発行し、「コジマくらし応援便」を活用したサービスなど、シニア層のお客様の生活サポートにつながる限定特典の充実を進め、顧客の囲い込みと新規顧客の獲得に注力してまいります。
 店舗展開については、立地や商圏の将来性などを見据えた店舗網の構築や出店形態の多様化も含め、年間数店舗の新規出店や店舗改装に取り組んでまいります。

 株主の皆様におかれましては、何卒倍旧のご支援とご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

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