株主の皆様へ

 株主の皆様には日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、2018年度の事業報告をご覧いただくにあたり、ご挨拶を申し上げます。

 当期2018年度は米中貿易摩擦など保護主義政策による影響懸念のあるなか、世界の貿易量の緩やかな拡大に支えられ、海運市況は比較的堅調に推移しました。2018年4月からサービスを開始したコンテナ船事業統合会社Ocean Network Express社は、大変遺憾ながら初年度は大幅な赤字となりましたが、同社の立ち上がり初期のオペレーションの混乱も上半期で収束し、ドライバルク船事業やエネルギー輸送事業などにおける中長期契約により積み上げられた安定利益と比較的堅調であった市況による利益確保が寄与したことで、当期は期初見通しに近い経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益を達成いたしました。
 配当につきましては、当期の収益、及び今後の成長への投資に向けた内部留保の確保を勘案し、1株当たりの年間配当金を前期比25円増の45円(中間配当20円、期末配当25円)とする予定です。

 次期2019年度の連結業績は、コンテナ船事業における統合効果の現出やサービス改善による積取高の回復により黒字化を達成する見込みであること、及び海洋事業やLNG輸送分野において安定利益を積み増しできることから、売上高1兆1,940億円、営業利益260億円、経常利益500億円、親会社株主に帰属する当期純利益400億円を計画しております。この利益計画に基づき、次期の年間配当は1株当たり65円(うち中間配当30円)を予定しております。

 当社は、2019年度の経営計画として「ローリングプラン2019」を策定しました。10年後のありたい姿として、「相対的競争力No.1事業の集合体」を目指し、3つの基本方針「海洋事業を中心に強み分野への経営資源の重点投入」、「顧客目線にたったストレスフリーなサービスの提供」、「環境戦略の推進とエミッションフリー事業のコア事業化」のもと、ステークホルダーの皆様に選ばれる企業を目指し、事業を推進してまいります。
 また従来から重点強化項目として取り組んでいる海技力強化、ICT活用、技術開発、環境・エミッションフリー事業、働き方改革推進を継続し、今年度の注力テーマとして、グループ全体の安全・品質管理体制の構築と、2020年1月より適用となる燃料油のSOx排出規制への戦略的な対応を進めてまいります。

 当社は創業以来、時代の要請とお客様のニーズを先取りし、変革と挑戦を積み重ね、総合輸送グループとして、世界の産業と人々の暮らしに貢献してきました。これからも透明性の高い経営と安全運航を徹底し、各部門の強みに磨きをかけ「相対的競争力No.1事業の集合体」の達成を通じた企業価値の向上とサステイナブルな成長を図り、ステークホルダーの皆様に選ばれる企業を目指し、事業を推進してまいります。

 株主の皆様には引き続き一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役 社長執行役員