グループ経営ビジョンに掲げている「世界のリーディングエアライングループ」を目指すための中核となるのが航空事業です。
ANAグループは、英国スカイトラックス社※から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に6年連続で認定されました。
※スカイトラックス社は1989年創立、英国ロンドンに拠点を置く航空業界の格付け会社です。
国内線旅客
国内線旅客は、10月に発生した台風や本年1月および2月の降雪の影響を受けたものの、需要に応じた各種割引運賃を設定したことに加え、訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、6月から中部=宮古線を新規開設し、夏季の一部期間において羽田=沖縄線の深夜便「ギャラクシーフライト」を運航した他、ウィンターダイヤからの広島空港の運用時間延長に伴い、羽田=広島線の最終便の時間帯において増便する等、需要の取り込みを図りました。
営業面では、様々な旅のシーンに応じた「旅割タイムセール」を定期的に実施し、需要喚起に努めました。また、地域活性化、訪日旅客増加を目的に、まだ知られていない日本の魅力を特設サイトや機内等において国内外に発信するプログラム「Tastes of JAPAN by ANA -Explore the regions-」を12月から開始しました。
サービス面では、新たに9月より運航開始したエアバスA321neo型機には、全席にタッチパネル式パーソナルモニターを完備し、約60タイトルの映像コンテンツをお楽しみいただけるようにした他、10月よりプレミアムクラスの機内食サービスにおいて、羽田発着の一部路線のメニューを一新するとともに、昼食のご提供時間を拡大する等、機内サービスの充実を図りました。また、新千歳空港では、9月に隈研吾氏監修のもと、国内線プレミアムメンバー向け最上級ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」と「ANA LOUNGE」が新しくオープンした他、11月からは、空港での手続きのわかりやすさ、待ち時間の極小化を目的として、出発カウンターのレイアウトを変更し、自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」サービスを導入する等、お客様の快適性、利便性の向上に努めました。
国際線旅客
国際線旅客は、国際線ネットワークの拡充に伴い、日本発ビジネス需要が好調に推移していることに加え、旺盛な訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、8月から羽田=ジャカルタ線、10月から成田=ロサンゼルス線を1日2便へ増便し、首都圏発着のビジネス需要に加え、国内地方空港やアジア=北米間の接続需要の取り込みを図りました。また、ホノルル線において全機材をボーイング787-9型機へ変更し、フルフラット・シートの「ANAビジネス・スタッガード」と「プレミアムエコノミー」を提供することで、プロダクトとサービスの充実を図り、旺盛な需要の取り込みに努めました。
営業面では、マレーシア行きロングステイ向け運賃を発売し、将来的に市場の拡大が期待される長期滞在需要の取り込みを図る等、日本発・海外発ともに新たな各種割引運賃を設定し、プレジャー需要の取り込みに努めました。また、訪日需要の更なる喚起に向けたプロモーション活動を強化する等、新規の需要喚起に努めました。
サービス面では、6月より国際線のファーストクラス・ビジネスクラスで提供するワイン・シャンパンのメニューを刷新した他、9月より国際線全路線のエコノミークラスに日本酒の提供を拡大したことに加え、お客様からの投票で選ばれた機内食の人気メニューを、12月から日本発のプレミアムエコノミーとエコノミークラスで提供する等、サービスの向上に努めました。また、食物アレルギーを持つお子様が、より安心な空の旅をお楽しみいただけるよう、本年3月よりお子様向けのアレルゲン対応機内食の提供を開始しました。
貨物
国内線貨物は、需要が好調な国際線との接続貨物を取り込んだ他、花卉(かき)需要が高まる期間に沖縄=羽田線の貨物臨時便を設定する等、増収に努めましたが、航空貨物需要全体が期を通じて低調に推移したことや、宅配貨物の取り扱いが減少したこと等により、輸送重量・収入ともに前期を下回りました。
国際線貨物は、北米・欧州向けの自動車関連部品や電子機器を中心とした旺盛な貨物需要を背景に、日本発海外向けは好調に推移しました。海外発においても、アジア・中国発の日本向け貨物が好調に推移したことに加え、中国発北米向けの三国間貨物を取り込んだ結果、輸送重量・収入ともに前期を上回りました。
また、当社グループは今後需要の拡大が期待される医薬品輸送サービスの拡充を図るため、日本の航空会社として初めて、国際航空運送協会(IATA)が策定した医薬品輸送における国際品質認証である「CEIVファーマ」を取得しました。
その他
航空事業におけるその他の収入には、マイレージ附帯収入、バニラ・エア株式会社の収入、当期から連結子会社となったPeach・Aviation株式会社の収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
バニラ・エア株式会社では、機材を当期から新たに3機増機して15機での運航体制とし、国際線では、本年3月から福岡=台北線を新規開設しました。台湾線を中心とした旺盛な訪日需要を取り込んだことに加え、需要動向に応じたキャンペーン運賃の設定等により、増収に努めました。
Peach・Aviation株式会社では、機材を当期から新たに2機増機して20機での運航体制とし、国内線では、9月から仙台=札幌線、札幌=福岡線、本年3月からはLCCとしては初の信越地方への路線となる関西=新潟線を新規開設しました。国際線では、9月から仙台=台北線、札幌=台北線を新規開設し、ネットワークの充実を図りました。