<株主(80名)からのご提案>

第5号議案 定款一部変更の件(2)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第8章
原子力災害避難計画検証委員会
第46条
当社は,自治体が策定する原子力災害時の避難計画について,過酷な自然条件及び感染症流行時にも対応できる実効性を確保するため,住民,関係する事業者及び専門家等広く知見を集めて検証する「原子力災害避難計画検証委員会」を設ける。
② 実効性のある避難計画の策定が未整備の原子力発電所は稼働しない。

◆提案の理由

原発の周辺自治体では原子力災害広域避難計画の拡充が進められているが,その実効性については検証する場がない。避難計画は,IAEA等国際的には防護レベル第5層として原発運転の条件とされているにも拘らず,日本の原子力規制委員会は平時を想定した指針のみを定め,避難計画は安全審査の対象外である。

浜岡原発では,南海トラフ巨大地震と原子力災害の同時発生も懸念され,避難経路の確保や屋内退避での被ばく防護は困難が予想される。

さらに新型コロナウイルス等感染症への対策も新たな課題となった。移動中や避難所では放射能の侵入防止と三密の回避という難しい対応が要求され,避難者のスクリーニングだけでなく感染者の分離という作業も加わり,自治体の負担は増す一方である。

原発事故・自然災害・感染症の同時発生に備えた実効性のある避難計画にするためには,広く知見を集めた検証が必要だ。当社は原発事業者の責任として当検証委員会を設ける。

○取締役会の意見

浜岡原子力発電所においては,従前より自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでまいりました。また,南海トラフの巨大地震を考慮するとともに,原子力規制委員会が策定した新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。加えて,防災体制の整備や教育・訓練の充実を図るとともに,住民避難を含む緊急時対応の実効性向上に向けて,国・自治体との連携を一層強化しております。

今後も新規制基準への対応にとどまることなく,浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組みを継続的に進めてまいります。

このため,本提案のような規定を,あらためて定款に定める必要はないと考えます。

したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。