<株主(80名)からのご提案>

第6号議案 定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第9章
使用済み核燃料
第47条
本会社は,核燃料サイクルの実現が見込めないため使用済み核燃料の活用を行わない。

◆提案の理由

取締役会の意見では度々「エネルギー資源の乏しい我が国において,原子力を引き続き重要な電源として活用する」と書いているが,現実を直視していない。

核燃料サイクルは既に破綻している。高速増殖炉もんじゅは1兆円も費用をかけたが,1kWhも送電できず廃炉となった。六ヶ所再処理工場も当初建設費は七千六百億円とされ,1993年に着工し97年には完成予定だったが,トラブル続きで24年間も竣工が遅れ,ほぼ3兆円の建設費となっても未完成。しかも放射性廃液のガラス固化技術の欠陥で早晩目詰まりを起こし止まる可能性が高い。

「準国産」のエネルギーと言うには,100%輸入のウラン資源が枯渇しても,使用済み核燃料を国内で再処理してプルトニウムを取り出し,それを使って発電できることが前提だ。核燃料サイクルが成り立たなければ,原子力を引き続き重要な電源として活用することはできない。

使用済み核燃料は廃棄物として扱うべきである。

○取締役会の意見

地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,安全の確保と地域の信頼を最優先に,発電時にCOを排出しない電源である原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であります。また,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルの確立が重要と考えております。

使用済燃料の再処理については,すでに国内外でその実績があることに加え,六ケ所再処理工場においても,使用済燃料を用いた試験を実施済みであり,安定運転できることが確認されております。

したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。