<株主(77名)からのご提案>
第6号議案 定款一部変更の件(2)
◆提案の内容
第2条(目的)第1号を以下のとおり変更する。
変更前:電気事業
変更後:電気事業(但し,原子力発電を除く)
◆提案の理由
本会社は現在,申請から8年かけても新規制基準の適合性審査を通らない浜岡原発にも毎年約1000億円の維持費をかけ,再稼働させる計画である。
しかし,原発で発電するメリットはほとんどない。むしろ危険な核物質を内包することによる地震災害のリスクに加え,有事には武力攻撃の標的になりうるという安全保障上のリスクも顕在化した。
また,一極集中電源のため地震等での大容量電源喪失の懸念は払拭できず,本会社が目指すレジリエンスの向上とは相容れない。温暖化対策としても,長期に及ぶバックエンドも含めたライフサイクルでのCO₂収支では,実際の効果は不透明だ。発電コスト的にも優位性がなく,使用済み核燃料の処理費用の膨張や老朽化によるトラブル対応等で今後のコスト増は必至である。
本会社が電力会社として生き残るためには,原発という不良資産を処分し,身軽になって将来の経営環境の変化に柔軟に対応できるようにすべきである。
○取締役会の意見
お客さまに安全で安価な電気を安定してお届けするためには,原子力,火力,再生可能エネルギーなどの多様な電源をバランスよく組み合わせていく必要があります。
特に,エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。また,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルの確立が重要と考えております。
浜岡原子力発電所については,今後も,新規制基準への適合性確認を早期にいただけるよう最大限努力するとともに,安全の確保を最優先に,地域のみなさまのご理解をいただけるようコミュニケーションを図り,再稼働に向けて取り組んでまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。