<株主(77名)からのご提案>

第7号議案 定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章
コンプライアンスの徹底
第○条
本会社は,社会からの高い信頼と支持を得るため,コンプライアンスに則って行動する。
特に以下の各号の条項に違背することのない企業風土を醸成し,関連会社にもその姿勢を求めていく。

1 お客さま,取引先,地域の皆様には,公正・誠実に対応する。また,人権の尊重及び地球環境の保全には特に留意して業務を行うこととする。

2 情報開示に努め,説明責任を果たしていく。

3 個人の権利利益の保護を目的とする個人情報保護法の趣旨に則り,個人情報の収集,利用及び管理を,適正に行う。

4 政治・行政等との健全な関係を保持し,事業活動の適正さに疑いを招くような行動は行わない。

5 労働安全・衛生,および保安の確保・維持を徹底する。

◆提案の理由

「中部電力グループCSR宣言」によれば,個人情報を違法な手段で取得したり,提供することは許されないはずである。

2月21日,岐阜地方裁判所の判決で,岐阜県警察大垣署警備課による当社のグループ企業であるシーテック社に個人情報を提供した行為(=「意見交換」)が,違法かつ悪質と断罪された。裁判所が「信用性あり」と認定したシーテック社作成の「議事録」によれば,シーテック社側からも個人情報を警察に提供していた。これは個人情報取扱事業者としての責務に背く,違法行為である。しかもこの「意見交換」のシーテック社側の責任者は,当社から出向した社員であった。当社及びグループ企業が,警察の違法行為の相手方となり,同時に自らも違法行為を行っていたという裁判所の認定は重い。

かかる違法行為が繰り返されることがないよう,定款に定めることで,地域住民に信頼される企業へと自己変革を遂げていく姿を示すべきである。

○取締役会の意見

当社は,「中部電力グループCSR宣言」にもとづき定めた「中部電力グループコンプライアンス基本方針」において,「コンプライアンスなくして信頼なし 信頼なくして発展なし」を旨に,コンプライアンスに則って行動する企業風土を醸成し,社会からの高い信頼と支持を得る「良き企業市民」を目指すこととしております。この基本方針のもと,中部電力グループ各社とともに,公正・誠実な企業活動,適正な情報管理・公開,健全な企業風土の確立などに取り組み,中部電力グループ全体のコンプライアンスの推進に努めております。

このため,本提案のような規定を,あらためて定款に定める必要はないと考えます。

したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。