<株主(74名)からのご提案>
第8号議案 定款一部変更の件(4)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
- 第○章
- 安全最優先
- 第○条
- 本会社は,安全最優先を原則とし,浜岡原子力発電所をすみやかに廃止する。
◆提案の理由
ウクライナ戦争では,原発が容易に攻撃対象となることが明白になった。
日本の原発のテロ対策の脆弱性についても多々指摘されている。
福島原発事故は12年経った今もまだ「原子力緊急事態宣言」が解除されず,年々劣化していく構造物の中で溶け落ちた核燃料の取り出しは絶望的だ。福島の事故では,全くの偶然で最悪シナリオが回避されたが,それでも廃炉・賠償費用は7年前の経産省の試算でも21兆円超。化石燃料の価格高騰を理由に危険な原発を稼働するのは,安全性よりも一時的な経済性を優先しているだけである。
昨年7月東京地裁は,東京電力の株主が起こした株主代表訴訟で,福島原発事故を起こした元取締役らに対して,連帯して13兆円余を賠償するよう命じた。
浜岡原発は,必ず到来する南海トラフ巨大地震の震源域の真上に位置する最も危険な原発であり,株主からの再三の提案を退けるなら,当社取締役は東京電力以上の責任を覚悟しなければならない。
○取締役会の意見
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
浜岡原子力発電所においては,従前より自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでおり,新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。
テロや軍事攻撃に関しては,原子炉等規制法にもとづく対策を着実に実施することや,国民保護法にもとづき国民保護業務計画を策定したうえで,国や自治体との連携を一層強化することなどにより,適切に対応しております。
今後も,地域のみなさまのご理解をいただけるようコミュニケーションを図り,安全確保を大前提に浜岡原子力発電所の再稼動に向けて取り組んでまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。