<株主(74名)からのご提案>
第9号議案 定款一部変更の件(5)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
- 第○章
- 核(原子)燃料サイクル計画
- 第○条
- 本会社は,実現性が乏しい核(原子)燃料サイクル計画を中止し,使用済み核燃料の再処理を行わない。
◆提案の理由
青森県六ケ所村にある再処理工場は昨年,完成目標の更なる延期を発表した。延期は26回目だ。
再処理工場は1997年に完成予定だったが,延期を繰り返して既に26年経ち,完成どころか施設の老朽化が危ぶまれる事態となっている。
危険で実現性が全く無く,消費者の電気代を基にした14兆円を超える総事業費が無駄になると,私たちは核(原子)燃料サイクルからの撤退を求める株主提案をたびたびしてきた。しかし取締役会はいつも反対し,その理由は「エネルギー資源の乏しいわが国おいて,原子燃料サイクルを確立することが重要と考えています」という。重要であっても確立できなければ絵空事でしかない。
世界的には再生可能エネルギーが最も安い電力となり,今後もコストダウンが見込まれている。急激な電気料金の高騰で消費者は困惑し,電力会社に厳しい目をむけている。コスト面から考えても,核燃料サイクルに固執していては企業として生き残れない。
○取締役会の意見
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。また,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルの確立が重要と考えております。2023年2月に閣議決定されたGX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針においても,原子燃料サイクルを推進することが明記されております。
使用済燃料の再処理については,すでに国内外でその実績があることに加え,六ケ所再処理工場においても,使用済燃料を用いた試験を実施済であり,安全運転できることが確認されております。また,同工場については,新規制基準への適合性確認審査を受けており,竣工に向けた取り組みが着実に実施されております。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。