第3号議案 当社株式等の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策) 継続の件

 当社は、2018年6月27日開催の第9回定時株主総会において、当社株式等の大量買付行為に関する対応方針(以下「本方針」といいます。)の継続を株主の皆様にご承認いただきましたが、その有効期限は本定時株主総会終結の時までとなっております。

 当社は、当該有効期限到来後の本方針について検討を行なった結果、2021年5月18日開催の取締役会において、独立社外取締役3名を含む取締役8名全員一致で、本方針を継続することについて本定時株主総会に提案することを決議いたしました。

 なお、当社のコーポレート・ガバナンスの基本は「経営における透明性の確保」と「社外からの監視機能の強化」および「市場の変化に即応できる経営体制の確立」を柱とし、企業価値を向上させていくことであり、この3年間でも、独立社外取締役の比率を3分の1とする取締役体制とし、指名諮問委員会および報酬諮問委員会の設置等を行なうなど、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいりました。コーポレート・ガバナンスの強化は、当社経営陣が本方針を恣意的に運用することの抑止にもつながるものと考えておりますので、今後も引き続き取り組んでまいります。

 こうしたなかで、本方針の継続につき、株主の皆様のご承認をお願いするものであります。

 本方針のポイント、目的、必要性、変更点および概要は以下をご参照ください。

1.本方針とは

 当社の株式等の保有割合を20%以上とする大量買付者が現れた場合に備え、予め定めた大量買付行為に関するルール(以下「大量買付ルール」といいます。)のことを指します。

※大量買付ルールの詳細は後掲5.をご参照ください。

2.本方針の目的

 本方針継続の目的は、次の2点です。

⑴ 株主の皆様に大量買付の是非について、適切な判断を行なっていただくために、十分な情報と、検討期間の確保を図ることです。

 当社の株主様は、一般投資家だけではなく、酪農家や生産者団体、関連業界、消費者等多様な構成となっております。こうした株主の皆様にとっては、株式等の大量買付けが当社の経営に与える影響のみならず、当社の経営理念や経営方針、事業内容等に与える影響、さらには酪農乳業界とその関連業界に与える影響等も、株式等の大量買付けに応じるかどうかを決定する際の重要な判断材料であると考えております。


⑵ 当社の企業価値を著しく毀損する買収を防止し、企業価値および株主共同の利益を確保することです。

 大量買付者から提供された情報の評価・検討、および対抗措置の発動は、独立委員会に諮問し、第三者の目で十分評価・検討を行なっていただきます。

3.本方針の必要性

⑴ 株主の皆様への責任

 金融商品取引所に株式を上場している以上、当社株式は自由に売買が行なわれることを前提にすべきであり、当社取締役会の同意がない大量買付行為がなされた場合でも、その是非を最終的に判断するのは株主の皆様であると考えます。

 しかしながら、近年の資本市場において、投資目的等について株主の皆様や投資家等に十分な情報開示がなされることなく株式等を大量に買い付ける動きも見られ、結果として企業価値・株主共同の利益が毀損される買収(濫用的買収)の可能性も低くないと考えております。金融商品取引法により、質問権の付与等、買収に関する一定の規制が設けられているものの、市場内での大規模買付行為は対象となりません。また、濫用的買収のようなケースの場合には、それだけでは大量買付に関する情報および対応方針を検討する準備期間が十分に確保できない場合が想定され、結果として株主の皆様が判断する期間も十分に提供できないことが想定されます。実際に近年においても、買収防衛策を一旦廃止した後に、大量買付行為に対して有事型の買収防衛策を導入し、臨時株主総会で発動を決議した事例が生じており、必ずしも金融商品取引法による規制では十分とはいえない状況も生じております。

 また、予め買収防衛策を導入しておくのではなく、大量買付等の有事に際して、第三者割当を実施したり、緊急で買収防衛策を導入するという選択肢もあるとの考え方もありますが、割当を受けられなかった株主の皆様の保有株式の価値の希薄化を招くことや、緊急での買収防衛策導入は、証券取引所の規則に規定されていないなど、必ずしも適切に株主の皆様の判断を反映できないのではないかとの疑問があり、備えとしては不十分と考えております。

 上記「2.本方針の目的」の⑴に記載しましたとおり、当社の株主様は様々な立場・目的で当社株式を保有されております。そこで、当社といたしましては、株主の皆様に株式等の大量買付けの是非について、それぞれの立場から適切な判断をしていただくために必要な情報と相当な検討期間を確保することが極めて重要であると考えております。いわゆる濫用的買収においては、株主の皆様が必要とされる情報や十分な検討期間が必ずしも担保されず、結果として企業価値・株主共同の利益が毀損される可能性があるといわざるを得ませんので、それに備え、予め買収防衛策の内容とその目的を株主の皆様にご理解いただき、ご承認いただくことが望ましいと考え、本方針の継続をお願いする次第です。


⑵ 社会への責任

 当社グループは、酪農生産者団体をルーツに持ち、企業理念に「消費者重視経営の実践」、「乳(ミルク)にこだわる」に加えて、「酪農生産への貢献」を掲げて、事業経営を行なってまいりました。この企業理念は、当社グループの存在意義、社会的使命(ミッション)であり、今後も変わることのないものだと思っております。

 また、乳製品は世界の貿易量が限られ、近い将来、需給がひっ迫に向かうことが懸念されている商品です。そうしたなかで、中長期的な企業価値の向上を求める多くの株主の皆様の期待に応えるためにも、当社の企業価値の源泉であり発展につながる酪農生産基盤の強化と持続的発展に貢献することを継続していくつもりです。

 したがって、当社グループの企業理念に賛同せず、短期的な利益を追求して中長期の企業価値の向上を顧みない企業等に対する備えは、必要だと考えております。

 当社グループは、今後も国内酪農に対して一定の役割を担い、酪農生産への貢献を通じて、当社と酪農の成長・発展を実現してまいります。

4.変更点

 有効期限(第15回定時株主総会終結の時まで)を除き、第9回定時株主総会においてご承認いただいた内容と同じであります。

5.大量買付ルール

⑴ 大量買付ルールの基本と大量買付行為の定義

 本買収防衛策の大量買付ルールの基本は、次のとおりです。

① 事前に大量買付者から当社取締役会に対して十分な情報の提供がなされること

② 当社取締役会による当該提供情報に関する一定の評価期間が経過した後に大量買付行為を開始すること

 また、「大量買付行為」とは、次の買付行為をいい、いずれについても予め当社取締役会が同意したものを除きます。
① 特定株主グループ1の株式等保有割合2を20%以上とすることを目的とする株式等3の買付け
② 特定株主グループ4の株式等保有割合5が20%以上となる株式等6の公開買付け7

(注)

1 金融商品取引法第27条の23第1項に規定する保有者(同条第3項に基づき保有者とみなされる者を含みます。)および同法第27条の23第5項に規定する共同保有者(同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)をいいます。

2 金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。

3 金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。

4 買付けを行なう者および金融商品取引法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。

5 金融商品取引法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。

6 金融商品取引法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。

7 金融商品取引法第27条の2第6項に規定する公開買付けをいいます。


⑵ 大量買付意向表明書の提出

 大量買付者が大量買付行為を行なおうとする場合には、事前に当社取締役会宛に、大量買付ルールに従う旨の「大量買付意向表明書」(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただくことといたします。意向表明書には「大量買付者の名称および住所」「設立準拠法」「代表者の氏名」「国内連絡先」「提案する大量買付けの概要」「大量買付者およびその共同保有者が保有する当社株式等の数」「大量買付ルールを遵守する旨の誓約」を記載していただきます。

 当社取締役会は、大量買付者から意向表明書を受領したことについてすみやかに情報開示を行ないます。


⑶ 大量買付情報の提供

 大量買付者には、当社取締役会に対して、株主の皆様の判断および当社取締役会の評価・検討のために十分な情報(以下「大量買付情報」といいます。)を提供していただきます。

 当社取締役会は、意向表明書の受領後5営業日以内に、大量買付者から当初提出していただくべき大量買付情報のリストを、回答期限を定めて交付します。

 なお、当社取締役会は、当初提出していただいた情報をすみやかに独立委員会に提供するものとします。独立委員会は、当該情報の内容を確認し、大量買付情報として不十分であると判断した場合には、その都度回答期限を定めて、十分な大量買付情報がそろうまで追加的に情報の提供を求めるよう、当社取締役会に勧告するものとします。

 独立委員会は、必要な情報がそろったと判断した時点で、大量買付情報の提出が完了した旨を当該大量買付者に書面で通知することおよびその旨の情報開示を行なうよう当社取締役会に勧告するものとします。また、当該大量買付情報が株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示するよう当社取締役会に勧告するものとします。

 当社取締役会は、独立委員会の勧告に沿って、大量買付情報の提出が完了した旨、および当該大量買付情報の全部または一部の情報開示を行ないます。


⑷ 当社が要請する情報内容

 大量買付者に提供していただく大量買付情報の主な項目は次のとおりです。

① 大量買付者およびそのグループの詳細

 共同保有者および特別関係者(ファンドの場合は組合員その他の構成者を含む。)の具体的名称、資本構成または主要出資者、経歴・沿革、事業内容、財務内容、当社事業と同様の企業・事業経験、同種事業の場合のセグメント情報、大量買付経験と対象企業のその後の状況等

② 大量買付行為の目的、方法および内容

 目的、買付時期、買付方法、買付対価の価額・種類、関連する取引の仕組み、買付方法の適法性等

③ 買付対価の算定根拠

 算定の数値、算定の前提となる事実、算定方法、算定担当者または企業、大量買付けにより生じることが予想される影響額およびその算定根拠、そのうち他の株主様に対して分配される影響額と算定根拠等

④ 買付資金の裏付け

 資金調達方法、資金提供者の有無および具体的名称(実質的提供者を含む。)、資金調達に係る取引

⑤ 大量買付行為完了後の当社経営方針および事業計画

 意図する当社と当社グループの経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、資産活用策、これら事業計画の実現可能性と予想されるリスク

⑥ 大量買付行為完了後の取引拡大等により得られる大量買付者と当社の相乗効果

⑦ 当社の利害関係者(当社従業員、取引先、顧客、地域社会等)に関する対応方針および影響

⑧ 当社の他の株主様との利益相反を回避するための具体的方策

⑨ その他当社取締役会または独立委員会が合理的に必要と判断する情報


⑸ 評価期間

 当社取締役会は、大量買付行為の評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案等を行なうための期間(以下「評価期間」といいます。)として、当該大量買付行為の内容に応じて次の①または②による期間を設定します。

大量買付行為は、次の評価期間が経過した後にのみ実施されるものとします。

① 60日:現金を対価とする公開買付けによる当社全株式等の買付けの場合

② 90日:その他の大量買付けの場合

 上記期間には、独立委員会が当該大量買付行為に関する検討に要する期間および当社取締役会に対し対抗措置を発動すべきか否かを勧告するまでに要する期間を含みます。

 ただし、独立委員会は、当社取締役会が、大量買付行為の内容の検討、大量買付者との交渉、代替案の作成等を行なうために必要な範囲内で評価期間を延長することを当社取締役会に勧告できるものとします。当社取締役会が評価期間を延長することを決議した場合には、評価期間を延長する理由、延長期間、その他公表すべき事項について、当該延長の取締役会決議後すみやかに大量買付者への通知および情報開示を行なうものとします。


⑹ 取締役会による意見・代替案の提示

 当社取締役会は、評価期間内において、独立委員会と連携を取りながら、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点で、大量買付者から提供された大量買付情報の評価・検討を行ないます。当社取締役会は、必要に応じて大量買付者と協議・交渉を行ない、大量買付けに関する提案内容の改善を大量買付者に要求し、あるいは株主の皆様に対して代替案を提示することがあります。

6.大量買付行為がなされた場合の対応

 当社取締役会が、大量買付情報の内容を評価・検討し、大量買付者と協議・交渉を行なった結果、大量買付行為が次のいずれかに該当し、しかるべき対抗措置を講じることが妥当であると判断した場合には、評価期間中か否かにかかわらず、次のとおり、本買収防衛策で定める対抗措置を発動することがあります。


⑴ 大量買付ルールが遵守されなかった場合

 大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合には、当社取締役会は、後掲7.の独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、新株予約権を無償で割り当て、あるいは会社法その他法令および当社定款が取締役会の権限として認める対抗措置を発動することがあります。

 当該対抗措置は、一般の株主様に不利益をもたらすものではありませんが、大量買付ルールを遵守しない大量買付者は経済的損害を被る可能性がありますので、大量買付ルールを無視して大量買付行為を開始することのないよう予め注意を喚起します。


⑵ 大量買付ルールが遵守された場合

 大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合には、たとえ当社取締役会が当該大量買付行為に反対であったとしても、反対意見の公表、株主の皆様への代替案の提示および個別の説得等を行なうにとどめ、原則として対抗措置は取りません。したがいまして、大量買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該大量買付者の買付提案および当社取締役会が提示する代替案ならびに当社の企業価値向上のための中長期的な経営方針等を比較し、判断していただくことになります。ただし、大量買付ルールが遵守された場合であっても、大量買付行為が次のいずれかに該当し、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれがある場合には、当社取締役会は、後掲7.の独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、相応の対抗措置を発動することがあります。

① グリーンメーラー:当社グループの経営に参加する意思がなく、株価を吊り上げて高値で当社に株式を引き取らせる目的による行為
② 焦土化経営:当社グループの経営を一時的に支配し、当社グループの知的財産権、ノウハウ、主要取引先・顧客等を大量買付者やそのグループ会社等に委譲させる目的による行為
③ 資産流用:当社グループの経営を支配した後、当社グループの資産を大量買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する目的による行為
④ 一時的高配当:当社グループの経営を一時的に支配し、当社グループの不動産・有価証券等の資産を売却処分し、その利益で一時的高配当を行なうか、一時的高配当による株価急上昇の機会を狙い高値で売り抜ける目的による行為
⑤ 強圧的二段階買収:最初の買付けで全株式の買付けを勧誘せず二段階目の買付条件を不利に設定し、または明確にしないで買付けをする等、株主に事実上売却を強要する行為

⑶ 対抗措置発動の判断方法

 当社取締役会は、大量買付者が提供した大量買付情報その他調査によって入手した情報に基づき、フィナンシャル・アドバイザー、弁護士等の助言を得ながら、当該大量買付者が真摯に当社の経営に参加する意思があるのか、当該大量買付行為・提案が当社の企業価値向上・株主共同の利益に資するのか等を検討するとともに、後掲7.の独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで対抗措置を発動するか否かを当社取締役会で決議するものとします。

 当社取締役会が大量買付者に対する対抗措置の発動を決議した場合、または発動しないことを決議した場合は、その理由を明らかにしたうえで、株主の皆様に対し適時適切な情報開示を行ないます。


⑷ 対抗措置発動の中止

 当社取締役会は、対抗措置として新株予約権の無償割当てを実施することを決議した後でも、次の①または②に該当する場合は、新株予約権の発行中止または新株予約権発行後に当社が当該新株予約権を無償取得し消却する等、結果的に当該対抗措置の発動を中止することができるものとします。この場合、当社取締役会は、すみやかに情報開示を行ないます。

① 当社取締役会が対抗措置の発動を決議した後、大量買付者が買付けを撤回する等、大量買付行為が存在しなくなった場合

② 対抗措置の発動の前提となった事実関係に変動が生じ、大量買付け等が前掲6.⑴ ⑵に定める対抗措置発動の条件のいずれにも該当しなくなった場合、または該当しても新株予約権の発行もしくは行使を認めることが適切でないと当社取締役会が判断した場合

7.独立委員会

⑴ 独立委員会の設置

 当社取締役会は、大量買付行為に係る意向表明書を受領した場合または大量買付行為がなされる可能性がある場合、対抗措置が当社取締役会の恣意的な判断で発動されることのないよう当社取締役および大量買付者からの独立性を確保した組織として独立委員会の招集を独立委員会の委員に要請し、大量買付者が前掲6.⑴⑵に定める対抗措置発動の条件に該当するか否か等を諮問します。なお、独立委員会の招集、決議要件、決議事項等については、【別紙1】をご参照ください。

 大量買付行為が当社の企業価値向上・株主共同の利益に資するかどうかを判定する独立委員会の委員は、社外有識者、当社社外取締役の中から3名を選定します。

 独立委員会は、当社取締役、従業員等に対し必要に応じて、独立委員会への出席および情報の提供、説明を要請できるものとし、諮問を受けた事項について審議、決議し、その内容を当社取締役会に勧告するものとします。独立委員会の委員は、【別紙2】に記載の方に委嘱する予定であります。


⑵ 独立委員会の判断方法

 独立委員会は、招集された場合、次の手続きに従い勧告等を決議し、当該勧告等の内容についてすみやかに情報開示を行ないます。

① 独立委員会が対抗措置の発動を勧告する場合

 独立委員会は、大量買付者の買付けが前掲6.⑴ ⑵に定める条件のいずれかに該当し、対抗措置を発動することが妥当と判断した場合には、当社取締役会に対して対抗措置の発動を勧告します。

② 独立委員会が対抗措置を発動しないことを勧告する場合

 独立委員会は、大量買付者が提供する大量買付情報の検討、当社取締役会と大量買付者との交渉経過等の内容を検討した結果、当該大量買付者による買付けが前掲6.⑴ ⑵に定める条件のいずれにも該当しないか、該当しても対抗措置の発動が妥当ではないと判断した場合には、当社取締役会に対して対抗措置を発動しないことを勧告します。ただし、かかる勧告の判断の前提となった事実関係に変動が生じ、前掲6.⑴ ⑵に定める条件のいずれかに該当することとなった場合には、新たな勧告を行なうことができるものとします。

③ 独立委員会が対抗措置発動の延期を勧告する場合

 独立委員会は、前掲5.⑸の評価期間の満了までに対抗措置の発動・不発動の勧告を決議するに至らない場合には、合理的に必要とされる範囲内で、評価期間を延長する旨の決議を行ない、当社取締役会に勧告することができるものとします。

 当社取締役会は、独立委員会による勧告を最大限尊重したうえで、取締役会としての意見を決議し、その内容を情報開示します。

8.対抗措置の内容

⑴ 新株予約権の発行

 当社取締役会が大量買付行為に対抗するための具体策として、新株予約権の無償割当てを行なう場合は、【別紙3】のとおり、大量買付者等は行使することができないとの条件を付与した新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を発行し、当社取締役会において定め別途公告する一定の日(以下「割当期日」といいます。)における株主様に対し無償で割り当てることとします。なお、本新株予約権を発行する場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間および行使条件を設けることとします。


⑵ 新株予約権の譲渡制限

 本新株予約権の譲渡については、当社取締役会の承認を要することとします。


⑶ 新株予約権の発行および行使の手続き

 本新株予約権を発行することとなった場合、新株予約権の割当てを受けるには割当期日までに当社株主名簿に記録される必要があります。また、本新株予約権の行使については、新株を取得するために所定の行使期間中に一定の金額の払込みをしていただく必要があります。

 上記の手続きの詳細については、実際に本新株予約権を発行することを決議した際に、法令に基づき株主の皆様にお知らせします。

9.株主・投資家の皆様に与える影響等

⑴ 本買収防衛策が株主・投資家の皆様に与える影響

 本買収防衛策は、新株予約権を無償で割り当て、あるいは会社法その他法令および当社定款が取締役会の権限として認める対抗措置を発動することがある旨を公表しているに過ぎず、その導入の時点において対抗措置自体は行なわれませんので、株主・投資家の皆様に直ちに影響が生じることはありません。

 むしろ、本買収防衛策の継続により、大量買付者からの大量買付情報の提供、当社取締役会からの代替案の提示等、株主・投資家の皆様が大量買付行為に応じるか否かの適切な判断をするための十分な情報と期間を確保できることになります。


⑵ 対抗措置発動時における株主・投資家の皆様に与える影響

 当社取締役会が具体的に対抗措置を発動することを決議した場合には、法令および金融商品取引所の規則に従い、適時適切な開示を行ないます。

 対抗措置発動時には、大量買付者を含む特定株主グループ以外の株主・投資家の皆様が、法的権利または経済的側面において、次の③、④の場合を除き特別な損害を被るような事態が生じることは想定しておりません。

 当社取締役会が、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行なった場合の大量買付者を含む特定株主グループ以外の株主・投資家の皆様に与える影響は次のとおりとなります。

① 当社取締役会が別途定める割当期日における株主名簿に記録された株主の皆様に対し、その所有する普通株式1株につき本新株予約権1個を無償割当てします。

② 本新株予約権の無償割当てを受けた株主様が権利を行使し新株を取得するには、当社取締役会が指定する一定期間内に本新株予約権1個当たり金1円以上で、当社取締役会が新株予約権の無償割当決議において定める価額の払込金額が必要となります。

③ 仮に株主様が権利行使期間内に行使価額に相当する金銭を払い込まず、本新株予約権の権利行使手続きを行なわない場合は、他の株主様が権利行使により新株を取得するため、権利行使手続きを行なわない株主様と大量買付者のみが当社株式の価値が希薄化する影響を受けることになります。

④ 本新株予約権の無償割当てを受ける株主様が確定後、当社取締役会が本新株予約権の無償割当てを中止し、または無償割当てされた本新株予約権を当社が無償取得する場合には、1株当たりの株式価値の希薄化が生じませんので、1株当たりの株式価値の希薄化が生じることを前提にして売買を行なった投資家の皆様は、株価の変動により損害を被る可能性があります。

⑤ 本新株予約権の無償割当ておよび本新株予約権を行使し新株の交付を受けた時点では、株主の皆様には課税関係は生じません。ただし、当社取締役会の承認により本新株予約権を第三者に譲渡した株主様(大量買付者を含む。)および本新株予約権を行使し交付を受けた新株を第三者に譲渡した株主様には、譲渡益課税がなされます。


⑶ 大量買付者に与える影響

 本買収防衛策は、大量買付ルールを遵守しない、または当社の企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれがある大量買付者には、経済的な不利益を発生させる可能性があります。

 本買収防衛策は、大量買付ルールを遵守しない場合の不利益を事前に示すことにより、大量買付ルールを無視した買付行為をしないよう予め注意を喚起するものです。

10.本新株予約権の無償割当てに伴う株主の皆様および当社の手続き

⑴ 株主名簿への記録の手続き

 当社取締役会は新株予約権の無償割当てを決議した場合には、無償割当てに係る割当期日を公告します。

 本新株予約権の無償割当ては、割当期日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様に対し行なわれますので、株主の皆様におかれましては、当該期日までに当社株主名簿に記録される必要があります。

 なお、割当期日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様は、本新株予約権の無償割当ての効力発生日において、当然に新株予約権者となります。


⑵ 新株予約権の行使(新株取得)手続き

 当社は、割当期日における最終の株主名簿に記録された株主(【別紙3】の8.⑴から⑶までの大量買付者等を除きます。)の皆様に対し、本新株予約権の行使請求書(行使に係る本新株予約権の内容・数、本新株予約権を行使する日等の必要事項、および株主様ご自身が大量買付者等ではないことの表明保証条項、その他の誓約文言を含む当社所定の書式となります。)その他本新株予約権の権利行使に必要な書類を送付します。

 本新株予約権の無償割当て後、株主の皆様におかれましては、行使期間内にこれらの必要書類を提出のうえ、原則として、本新株予約権1個当たり金1円以上で、当社取締役会が新株予約権無償割当決議において定める価額を払込取扱場所に払い込むことにより、1個の本新株予約権につき1株の当社株式が発行されることになります。


⑶ 当社による新株予約権の取得手続き

 当社は、当社取締役会が本新株予約権を取得する旨を決議した場合、法定の手続きに従い、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権を取得できるものとします。

 当社は、当社取締役会が定める日の到来をもって、本新株予約権を行使することができない者(【別紙3】の8.⑴から⑶までの大量買付者等をいいます。)以外の者が有する本新株予約権のうち、当社取締役会が定める日の前日までに未行使のものを全て取得し、これと引換えに、本新株予約権1個につき当社普通株式1株を交付することができるものとします。

 また、当該取得がなされた日より後に、本新株予約権を行使することができない者(【別紙3】の8.⑴から⑶までの大量買付者等をいいます。)以外の者が現れたと当社取締役会が認める場合には、上記の取得がなされた日より後の当社取締役会が定める日の到来をもって、該当者の有する本新株予約権のうち当社取締役会の定める日の前日までに未行使のものを全て取得し、これと引換えに、本新株予約権1個につき当社普通株式1株を交付することができるものとし、その後も同様とします。


⑷ 新株予約権の発行中止・新株予約権の消却

 前掲6.⑷に定める事由がある場合には、当社取締役会は、割当てまでの間は新株予約権の発行の中止、割当て後においては、無償取得の方法による新株予約権の消却を行なうことができるものとします。

11.買収防衛策の有効期間、廃止および改正

 本買収防衛策の有効期間は、本定時株主総会終結の時から2024年6月開催予定の第15回定時株主総会終結の時までの3年間とします。ただし、有効期間満了前であっても、当社取締役会により本買収防衛策を廃止する旨の決議が行なわれた場合には、本買収防衛策はその時点で廃止されるものとします。

 また、当社取締役会は、本買収防衛策の有効期間中でも、

① 本買収防衛策に係る法令、金融商品取引所の規則等の新設または改廃が行なわれ、当該事項を本買収防衛策に反映させることが妥当である場合

② 新たな大量買付行為の手法が判明し、本買収防衛策の内容を改正することが妥当である場合

③ 本買収防衛策の説明補足、誤字脱字等の理由により修正を行なうことが妥当である場合

独立委員会の勧告を得たうえで、本買収防衛策を改正する場合があります。

 当社取締役会は、本買収防衛策の廃止および改正がなされた場合には、その内容等についてすみやかに情報開示します。

12.買収防衛策の合理性

 本買収防衛策は、経済産業省および法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しております。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」および東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の【原則1-5.いわゆる買収防衛策】に則したものとなっております。


⑴ 企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則

 本買収防衛策は、前掲2.のとおり、株主の皆様が大量買付行為を評価するために、大量買付者から当該大量買付行為に関する十分な情報が提供されること、当社取締役会がこれを評価・検討し当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に提供すること、および必要に応じて当社取締役会が株主の皆様へ代替案を提示するための相当期間が確保されることを目的として導入するものです。


⑵ 事前開示・株主意思の原則

 本買収防衛策は、株主・投資家の皆様および大量買付者の予見性を高め、株主の皆様の適正な選択の機会を確保するために、事前に本買収防衛策の内容を開示するものです。

 当社取締役会は、大量買付行為を受け入れるかどうかは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えており、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく毀損しない限り対抗措置は発動せず、公開買付けに移行し株主の皆様の意思を確認する仕組みとしております。本買収防衛策の仕組みの概要については【別紙4】をご参照ください。

 また、本買収防衛策の有効期間は、2024年6月開催予定の第15回定時株主総会終結の時までの3年間でありますが、1年ごとの当社取締役(監査等委員である取締役を除く。)の選任を通じて本買収防衛策を廃止することが可能です。

 なお、現時点において、当社株式等についての大量買付行為等の提案は一切ございません。当社株式の状況については【別紙5】をご参照ください。


⑶ 必要性・相当性確保の原則

 本買収防衛策は、その必要性・相当性を確保するために次のような設計としております。

① 当社取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会を設置し、当社取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重することとしております。また、独立委員会は、当社の費用で、独立した専門家の助言を得ることができることとしております。これにより、独立委員会による判断自体の公正さ・客観性が強く担保される仕組みとしております。

② 大量買付ルールが遵守されている限り、原則として公開買付け等を通して株主の皆様に判断を委ねる仕組みとしております。

③ 本買収防衛策は、大量買付ルールが遵守されているにもかかわらず対抗措置を発動できる例外的条件として、前掲6.⑵のとおり、東京高等裁判所が示す4類型(ニッポン放送事件東京高裁決定 2005年3月23日)と強圧的二段階買収に限定しております。

④ 本買収防衛策は、大量買付者以外の株主の皆様が平等に、新株予約権の行使によりその所有する普通株式数に応じて新株を取得できる仕組みとしております。

⑤ 本買収防衛策は、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない買収防衛策)またはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行なうことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではありません。

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