第4号議案 取締役(監査等委員である取締役および非業務執行取締役を除く。)および当社と委任契約を締結している執行役員に対する業績連動型株式報酬制度の改定の件
1.提案の理由および当該報酬を相当とする理由
当社は、2019年6月27日開催の第83回定時株主総会において、取締役(監査等委員である取締役および非業務執行取締役を除く。)および当社と委任契約を締結している執行役員(以下、これらを併せて「取締役等」という。)に対する業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)の一部改定についてご承認いただき、今日に至っております。
当社は、パーパスを掲げた理念経営、ビジョン経営のもと、パーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」からバックキャストしたビジョン「サステナビリティビジョン」および「長期経営ビジョン:TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」(以下あわせて「長期ビジョン」という。)を新たに制定しました。この長期ビジョンを実現するためのマイルストーンとして中期経営計画を掲げ、長期的な将来を見据え新たな市場を創造し人々の幸福度を増進させることを目指しております。
その一環として、ペイ・フォー・パーパスの基本思想のもと、取締役等の報酬と当社の企業価値との連動性をより明確にし、長期ビジョンの実現に向けたチャレンジを促進することおよび持続的成長と企業価値の向上への貢献意識をより一層高めることを目的として、本制度の構成を中期経営計画実現に向けた「LTI(Long Term Incentive)-Ⅰ」に加えて長期ビジョン実現に向けた「LTI(Long Term Incentive)-Ⅱ」を新たに導入し、2区分へ改定いたします。また、本制度の改定に伴い、パフォーマンス・シェア・ユニットに代わるものとして取締役等を対象とする信託型株式報酬制度(以下「本信託」という。)を導入することといたしました。本議案が原案どおり可決されることを条件として、パフォーマンス・シェア・ユニットを廃止し、2020年3月31日で終了する事業年度から2022年3月31日で終了する事業年度までの期間に対応する株式交付を最後に、以後パフォーマンス・シェア・ユニットからの株式交付は行わないこととします。
なお、本制度の対象範囲には国内非居住者も含まれますが、居住国の法制などにより本制度の対象に含めることが困難な場合には、当社株式等の交付等に相当する金銭を本制度に代わり当社から支給することがあります。
本議案は、本制度の報酬等の額および内容について、株主の皆様にご承認をお願いするものであります。
本制度の対象となる取締役等の員数は、第3号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名選任の件」が原案どおり可決されますと、取締役(監査等委員である取締役および非業務執行取締役を除く。)3名、執行役員11名の計14名となります。ただし、対象期間中、就退任の状況により対象人数は変動することになります。
また、本議案の内容は、本制度の改定が取締役等の報酬と当社の企業価値との連動性をより明確にし、当社の持続的成長と企業価値の向上への貢献意識をより一層高めることおよび株主との利害共有を促進することを目的としていること、当社における取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針の内容(事業報告95頁に記載のとおりであり、本議案を原案どおり可決されることを条件に、その内容を株主総会参考書類36頁(ご参考)に記載のとおりに変更することを予定。)において定められた報酬額の算定の基準、付与対象となる取締役等の人数水準などに照らした報酬枠として必要かつ合理的な内容となっており、相当であると判断しております。
なお、本議案は、指名・報酬諮問委員会の審議結果および取締役会の決議内容を踏まえ付議しております。
2.本制度における報酬等の額・内容等
(1)本制度の概要
本制度は、当社が拠出する金員を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当該信託を通じて取締役等に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)の交付および給付(以下「交付等」という。)を行う株式報酬制度であり、役割・職務等に応じて中期経営計画における業績目標の達成度等に連動して当社株式等の交付等を行う「LTI-Ⅰ」と、役割・職務等に応じて長期ビジョンの実現度に連動して当社株式等の交付等を行う「LTI-Ⅱ」から構成されます。(詳細は下記(2)以降のとおり。)
(2)会社が拠出する金員の上限
本制度の対象となる期間は、当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(以下「対象期間」という。)とします。なお、当初の対象期間は2023年3月31日で終了する事業年度から2025年3月31日で終了する事業年度までの3事業年度とします。
当社は、290百万円に当該対象期間の年数を乗じた金額(当初の対象期間である3事業年度に対しては870百万円。)の信託金を拠出し、受益者要件を充足する取締役等を受益者とする対象期間に相当する期間の信託を設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託された金員を原資として当社株式を株式市場から一括して取得します。当社は、対象期間中、取締役等に対し、下記(3)に定めるとおりポイントの付与を行い、このポイント数に対応する当社株式等の交付等を本信託から行います。
なお、本信託の信託期間の満了時において、新たな本信託の設定に代えて、信託契約の変更および追加信託を行うことにより本信託を継続することがあります。その場合、その時点において当社が制定している中期経営計画に対応する年数が新たな対象期間となり、当該新たな対象期間と同一期間について本信託期間を延長し、当社は、延長された対象期間ごとに、290百万円に当該新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内で追加拠出を行い、引き続き延長された対象期間に応じ、取締役等に対するポイントの付与および当社株式等の交付等を継続します。
ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに対応する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)および金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、290百万円に当該新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内とします。
また、本信託の信託期間の満了時で信託契約の変更および追加信託を行わない場合には、それ以降、取締役等に対するポイントの付与は行われません。ただし、信託期間の満了時に、受益者要件を満たす可能性のある取締役等が在任している場合には、直ちに本信託を終了させずに、当該取締役等が退任し、当社株式等の交付等が完了するまで、最長で10年間、本信託の信託期間を延長させることがあります。
(3)取締役等が取得する当社株式等の数の算定方法および上限
取締役等への当社株式等の交付等は、下記(4)に定めるとおり「LTI-Ⅰ」については対象期間終了後に、「LTI-Ⅱ」については退任後に行います。
取締役等には、当社株式等の交付等の前提として、以下①と②に定める株式交付ポイント(LTI-Ⅰ、LTI-Ⅱ)を付与します。株式交付ポイント(LTI-Ⅰ、LTI-Ⅱ)1ポイントにつき当社株式1株を交付等するものとし、1ポイント未満の端数は切り捨てます。
①株式交付ポイント(LTI-Ⅰ)
取締役等に対する株式交付ポイント(LTI-Ⅰ)は、対象期間中の各事業年度に付与される基礎ポイント(※1)の合計値を累計し、対象期間終了後に、この累計値に業績連動係数(LTI-Ⅰ)(※2)を乗じ算定します。
②株式交付ポイント(LTI-Ⅱ)
取締役等に対する株式交付ポイント(LTI-Ⅱ)は、対象期間中の各事業年度に付与される基礎ポイント(※1)の合計値を累計し、対象期間終了後に、この累計値に業績連動係数(LTI-Ⅱ)(※3)を乗じ算定した業績連動ポイントの合計値とします。
(※1)
取締役等の役割・職務等に基づく報酬基準に応じて定める金額を基準株価(対象期間開始直前の3月の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て)。)で除して算出します。
(※2)
業績連動係数(LTI-Ⅰ)は、中期経営計画における業績目標の達成度等に応じて15%から150%の範囲で定めます。業績目標の達成度等を評価する指標は、連結売上高、連結営業利益、連結ROE(対象期間平均)および個々が設定する業務目標の達成度等とします。
(※3)
業績連動係数(LTI-Ⅱ)は、対象期間ごとに定める長期ビジョン実現に向けた進捗目標の達成度等 に応じて0%から150%(ただし、2028年3月31日までの期間においては0%から100%。)の範囲で定めます。進捗目標の達成度等を評価する指標は、企業価値(相対TSR)、サステナビリティ、コーポレート・ガバナンス、事業価値(海外事業売上高比率)等の非財務指標とします。
本信託の対象期間について取締役等に付与するポイント数は、1事業年度あたり10万ポイントを上限とし、これに対象期間の年数を乗じたポイント数を上限(以下「上限付与ポイント数」という。)とします。そのため3事業年度を対象とする当初の対象期間中に対応する上限付与ポイント数は、30万ポイントとなります。上記(2)により本信託の継続が行われた場合、延長された対象期間にかかる上限付与ポイント数は、10万ポイントに新たな対象期間の年数を乗じたポイント数とします。
このポイント総数の上限は、上記(2)の信託金の上限額を踏まえて、直近の株価等を参考に設定しております。
なお、当社株式について信託期間中に株式の分割・株式の併合等を行った場合には、分割比率・併合比率等に応じて、当社は取締役等に付与するポイント数および上限付与ポイント数を調整します。
(4)取締役等に対する当社株式等の交付等の方法および時期
① LTI-Ⅰ
「LTI-Ⅰ」にかかる当社株式等の交付等の時期は対象期間終了後となります。
受益者要件を充足した取締役等は、株式交付ポイント(LTI-Ⅰ)数の50%に対応する当社株式(単元未満株式については切り捨て。)の交付を受け、残りの株式交付ポイント(LTI-Ⅰ)数に対応する当社株式については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
なお、対象期間終了前に取締役等が死亡した場合には、当該時点における中期経営計画の進捗度に応じ株式交付ポイント(LTI-Ⅰ)数を算定し、当該ポイントに対応する当社株式について、本信託内で換価した上で、当該取締役等の相続人が、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
② LTI-Ⅱ
「LTI-Ⅱ」にかかる当社株式等の交付等の時期は取締役等の退任後となります。
受益者要件を充足した取締役等は、退任時に算定された株式交付ポイント(LTI-Ⅱ)数の50%に対応する当社株式(単元未満株式については切り捨て。)の交付を受け、残りの株式交付ポイント(LTI-Ⅱ)数に対応する当社株式については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
なお、取締役等が在任中に死亡した場合には、当該時点における長期ビジョン実現の進捗度に応じ株式交付ポイント(LTI-Ⅱ)数を算定し、当該ポイント数に対応する当社株式について、本信託内で換価した上で、当該取締役等の相続人が、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
取締役等は、本制度を通じ交付を受けた当社株式を退任後1年が経過するまで継続保有するものとします。
(5)本信託内の当社株式の配当の取り扱い
本信託内の当社株式にかかる配当は、本信託が受領し、本信託の信託報酬および信託費用に充てられます。
(6)当社株式に関する議決権
本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使されないものとします。
(7)その他の本制度の内容
本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更および本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。
(ご参考)
○報酬制度改定の背景
当社は、「自然と健康を科学する」という経営理念と「漢方医学と西洋医学の融合により、世界で類のない最高の医療提供に貢献します」という企業使命からなる基本理念を追い求めていくため、基本理念に基づいた長期経営ビジョンおよび当該ビジョンを実現するためのマイルストーンである中期経営計画を策定し、基本理念・長期経営ビジョン・中期経営計画が一体となる経営をこれまで実践してきました。
今般、創業の原点と50年・100年という未来を結ぶ社会的使命として、究極的に成し遂げようとしている事業の志であるパーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を定め、パーパスからバックキャストした「サステナビリティビジョン」および「長期経営ビジョン2031」(以下、これらを併せて「長期ビジョン」という。)を策定いたしました。
当社の事業は、原料生薬の栽培からはじまる「漢方バリューチェーン」によって構成され、自然環境と深い関わりがあります。事業の根幹を成す「自然」に向き合い、自然環境の変化や危機に最も敏感な企業であり続け、自然由来の伝統的な医薬品等を科学的なアプローチにより社会との共通価値として持続的に提供するため、「サステナビリティビジョン」では自然環境保全、ダイバーシティ&インクルージョン等の取り組みを掲げております。また、「長期経営ビジョン2031」では、「“Cho-WA”(調和)のとれた未来を実現する企業へ」を目標に、漢方標準治療の拡大と漢方治療の個別化、未病の科学化、中国事業の基盤構築等の事業領域での取り組みを掲げております。長期ビジョンはいずれも非常に難易度の高い内容となっておりますが、当社の持続的な企業価値向上およびパーパスを実践するためには長期ビジョンを着実に実現する必要があるものと考えております。
長期ビジョンの実現には、経営チームが結束し取り組むことが不可欠であるため、経営チームに対するインセンティブについて、指名・報酬諮問委員会において1年間にわたり議論を重ね、この度、取締役(監査等委員である取締役および非業務執行取締役を除く以下同じ。)の報酬制度および報酬等の内容についての決定方針を改定することといたしました。なお、本改定の前提となる議案の本株主総会への上程については、指名・報酬諮問委員会による答申結果を踏まえ、取締役会の決議により決定しております。本株主総会にて当該議案が原案どおり承認可決されますと、2022年度から改定後の報酬制度の適用が予定されております。
この度の取締役の報酬制度改定の主なポイントは、以下のとおりといたします。
1.当社の経営の在り方および長期ビジョンを踏まえ、ペイ・フォー・パーパスを取締役の報酬制度の基軸といたします。
2.長期ビジョン実現に向けたチャレンジを促進することおよび持続的成長と企業価値の向上への貢献意識をより一層高めることを目的とし、取締役の報酬と企業価値との連動性をより一層高める長期インセンティブ制度を導入いたします。
3.長期ビジョンの実現を目的とし、足元の財務数値による評価だけでなく非財務指標等による評価を採り入れ、持続的な成長が可能な事業基盤の構築を目指します。
なお、執行役員の報酬制度につきましても、取締役と同様の報酬制度の内容および方針に改定いたします。
○当社の新たな役員報酬制度の概要
当社は、指名・報酬諮問委員会における継続的な審議を経て、2022年5月10日開催の取締役会にて業績連動型株式報酬制度を改定することについて、株主の皆様にご承認をお願いすることを決議いたしました。2022年6月29日開催予定の第86回定時株主総会において、株主の皆様にご承認頂いた場合における新たな報酬制度の概要は、以下のとおりといたします。
取締役(監査等委員である取締役および非業務執行取締役を除く。)の報酬等の内容についての決定に関する方針
1.基本方針
当社の取締役の報酬は、ペイ・フォー・パーパスを基本思想として以下の方針に基づき決定いたします。
① ツムラのグループ経営の根幹を成すパーパスを掲げた理念経営に基づくビジョンの実現に報いるものとする
② サステナビリティやガバナンスへの取り組みを通じたステークホルダーからの信頼の獲得、社会課題の解決を通じたツムラの持続的な成長に報いるものとする
③ 高い目標へのチャレンジを動機付けるものとする
・高い目標への役員一人ひとりのチャレンジに報いる
・高い目標の達成に不可欠な“経営チーム”としての成果に報いる
2.報酬体系
当社の取締役の報酬は、基本報酬(固定部分、短期業績連動部分)、業績連動型株式報酬(LTI-Ⅰ、LTI-Ⅱ)により構成し、基本報酬の短期業績連動部分、業績連動型株式報酬をインセンティブ(変動報酬)として位置付けております。報酬種類ごとの位置付け・概要は以下のとおりといたします。
3.報酬水準
当社を取り巻く経営環境を踏まえ、外部専門会社の調査データに基づく同業他社または同規模の他社等の報酬水準との比較を客観的に行い、また、当社従業員の給与水準等を鑑みて、役割・職務等に見合う報酬水準を設定しております。
4.報酬構成
当社の取締役の種類別の報酬割合については、外部専門会社の調査データに基づく同業他社または同規模の他社等の動向等も参考に、当社の持続的成長と企業価値向上に資するため以下のとおりの報酬構成としております。
5.インセンティブ報酬制度
【短期インセンティブ:短期業績連動部分(基本報酬)】
基本報酬の短期業績連動部分の支給額は、中期経営計画の数値目標の指標として用いている連結売上高と連結営業利益の各事業年度の目標達成度および業務執行の責任者として個々が設定する業務目標の達成度に基づき定まります。
各評価指標の配分割合・変動幅は以下のとおりといたします。
(1)各評価指標の配分割合および変動幅
【中期インセンティブ:LTI-Ⅰ(業績連動型株式報酬)】
LTI-Ⅰの交付株式数は、中期経営計画にある数値目標として掲げる連結売上高、連結営業利益、連結ROE(対象期間平均)の目標達成度および業務執行の責任者として個々が設定する業務目標の達成度に基づき定まります。株式交付に際しては、交付される50%の株式は、納税資金に充当することを目的として、金銭に換価して支給されます。各取締役に対する株式および金銭の給付は三菱UFJ信託銀行株式会社の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」という。)を通じて行います。
交付株式数の算定式、並びに、各評価指標の配分割合および変動幅は以下のとおりといたします。
(1)株式報酬(中期業績連動)の算定式
基礎ポイント
=取締役の役割・職務等に基づく報酬基準に応じて定める金額÷基準株価(※)
交付株式数
=中期経営計画期間中の基礎ポイント数の累計×業績連動係数
(※)中期経営計画期間開始直前の3月の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て。)
(2)各評価指標の配分割合および変動幅
【長期インセンティブ:LTI-Ⅱ(業績連動型株式報酬)】
LTI-Ⅱの交付株式数は、中期経営計画と対応する期間における、企業価値、サステナビリティ、コーポレート・ガバナンス、事業価値に関する評価指標の達成度に基づき定まります。株式交付に際しては、交付される50%の株式は、納税資金に充当することを目的として、金銭に換価して支給されます。各取締役に対する株式および金銭の給付はBIP信託を通じて行います。
交付株式数の算定式、並びに、各評価指標の配分割合および変動幅は以下のとおりといたします。
(1)株式報酬(長期ビジョン連動)の算定式
基礎ポイント
=取締役の役割・職務等に基づく報酬基準に応じて定める金額÷基準株価(※)
業績連動ポイント
=中期経営計画期間中の基礎ポイント数の累計×業績連動係数
交付株式数
=退任時点までの業績連動ポイントの合計値
(※)中期経営計画期間開始直前の3月の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て。)
(2)各評価指標の目的・選定の考え方
(3)各評価指標の配分割合・変動幅および主な目標値
6.株式保有ルール
取締役が、業績連動型株式報酬を通じて交付を受けた当社株式は、退任後1年が経過するまで継続保有することといたします。
7.報酬決定プロセス
当社の取締役の報酬基準額、業績評価方法および業績評価結果に応じた確定額の算定ルールは、審議プロセスの客観性・透明性を高めるため、指名・報酬諮問委員会(社内取締役1名、独立社外取締役5名から構成され、独立社外取締役が委員長を務める。)における審議結果を踏まえて、株主総会で決議された総額の範囲内で、取締役会決議により決定いたします。このうち、業績評価方法および業績評価結果に応じた確定額の算出ルールは、社内規則に定めることとしており、これを改定する場合には、指名・報酬諮問委員会による審議・答申を基に取締役会で決議いたします。なお、基本報酬の短期業績連動部分およびLTI-Ⅰにおける個々が設定する業務目標の達成度の決定に関しては、指名・報酬諮問委員会に委任するものといたします。
監査等委員でない非業務執行取締役および監査等委員である取締役の報酬等の決定に関する方針と手続
監査等委員でない非業務執行取締役および監査等委員である取締役の報酬等は、客観的かつ独立した立場から当社の経営を監督する役割に鑑みて、基本報酬(固定部分・金銭)のみといたします。
(ご参考)
ツムラのコーポレート・ガバナンス
基本方針
当社は、「自然と健康を科学する」という経営理念、「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」という企業使命、これら基本理念のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、継続的なコーポレート・ガバナンスの強化に努めることを基本方針としております。
2017年6月より、取締役会の監督機能をより一層強化すべく、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。経営の監督と執行の分離、取締役会構成員の過半数に社外取締役を選任することなど、経営監督機能の強化、経営体制の革新に努め、今後も「経営の透明性の確保」「経営の効率性の向上」「経営の健全性の維持」が実行できる体制の整備を継続して進めてまいります。
(ご参考)
取締役会の実効性評価
当社は、取締役会の実効性を高めることを目的に、毎年度「取締役会の実効性評価・分析」を行っています。
2017年に監査等委員会設置会社に移行し、取締役会の監督機能を強化して経営の健全性および透明性を一層向上させるとともに、取締役会から業務執行の機能を分離することで迅速かつ果断な意思決定が可能となる体制を構築しています。そのため、取締役会の監督・モニタリング機能を強化する観点から、取締役会実効性評価結果の分析により抽出された課題について、継続的な改善に努め、さらなる実効性向上に取り組んでいます。
2020年度の取締役会の実効性については、全取締役9名に対しアンケート評価を実施し、抽出された課題や具体的な対策について2021年5月開催の取締役会において議論をしました。なお、本年度は、議案の分析、アンケートの設計や評価結果の分析、課題に対する改善策等において、外部機関を活用することで、より客観的な評価分析をすることができたと考えています。
1 評価項目(6区分25項目)
2020年度に対する評価は、前年度の実効性評価の分析結果より得られた課題への取り組み状況を確認するとともに、取締役会の役割を果たすために重点的に監督が求められる各テーマの確認および、今後より一層の実効性向上を図るための課題抽出や対応策の検討を行う観点で評価、分析を実施しました。
(1)経営上の重点テーマ
(2)取締役会の構成
(3)取締役会の役割・責務
(4)取締役会の運営状況
(5)取締役会の審議充実と情報提供
(6)株主様を含むステークホルダーとの関係
2 評価結果の概要
●本年度の分析評価の結果、取締役会は、業務執行に対する充実した監督・モニタリングに向けた活発な議論がなされており、取締役会はその役割・機能を発揮されていることが確認されました。
●各取締役による実効性評価アンケートでは、多くの質問項目に「十分できている」または「概ねできている」との回答が一定割合を占めました。
■取締役会の構成は、活発な議論や意見交換ができるに適した人数水準である事に加え、取締役会で議論すべき事項に必要とされるさまざまな経験や専門性を有する多様性のあるメンバーで構成されており、取締役会は率直で自由闊達な意見を促す雰囲気のもとで運営されています。
■取締役会においては、当社グループの基本理念を踏まえ、2012年度から2021年度までの長期経営ビジョン実現の状況ならびに2019年度から2021年度までの第3期中期経営計画の達成状況を評価し、今後の長期的な経営の方向性および重点課題を確認した上で、2031年度を最終年度とする新ビジョン策定に向けて議論しました。
■中国事業については、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上にとって重要性の高い戦略課題となるため、2020年度は取締役会への報告機会を増やす等、活動状況が定期的に取締役会に報告され、方針、計画や戦略等について議論しました。
●なお、前年度(2019年度)の取締役会実効性評価にて認識した課題への取り組み状況は下記のとおりです。
■グループ会社のガバナンスについては、とくに中国事業においてM&A等によりビジネス規模と事業組織が拡大する中で、管理体制を強化するとともに人財確保を図り、グループ各社のガバナンス体制の強化に努めています。
■株主を含むステークホルダーとの対話については、四半期毎に決算説明会を実施する等、開示の情報量やツールを充実させるとともに、 対話の機会を増やす取り組みを推進しています。
■取締役のトレーニングについては、取締役会の意思決定の補完として、新たな事業展開に向けて必要となる、中国における事業環境や運営上のリスク把握のための最新の中国情勢やサステナビリティ経営の本質的な理解等を共有すべく、定期的に高度な専門性を有する有識者を講師に迎え講演会を実施する等、トレーニングに取り組んでいます。
■取締役会の情報のデジタル化については、取締役会の適正な運営と情報の迅速かつ正確な共有化を目的に、リモート環境の整備、経営情報サイトの開設とアクセス権限の付与、専用タブレット端末による各種資料の共有化等を実施するとともに、情報セキュリティの強化を図っています。
今後の課題と対策
●今回の実効性評価の結果を受け、以下のような施策を講じることで、取締役会のさらなる実効性向上に取り組んでいきます。
●気候変動については、漢方事業のリスクとして認識し対応していますが、今後さらに喫緊の課題として、取締役会メンバー全員で共通認識を持ち、社会的責任の観点、当社の経営課題の観点の両面から議論を行い、対応方針について検討していきます。
●グループ会社のガバナンス構築については、中国グループ会社のガバナンス体制を確立し、グループ全体のガバナンスを強化します。中国統括会社(津村中国有限公司)を中心としてグループ各社の執行状況を監督するガバナンス体制を構築するとともに(3線ディフェンスの考え方に基づく整備・運用を含む)、取締役会の監督・モニタリングを強化していきます。
●情報開示の充実については、IR機能を強化して対話の機会を増やすほか、一般消費者の皆様も含め幅広くステークホルダーを意識した情報発信の環境を醸成していきます。
その他、本年も経営上の重要な課題として5項目を挙げ、重点的に取り組んでいきます。
当社取締役会は、今後も継続して取締役会の実効性の向上を図るため、当社独自のPDCAサイクルを実行していきます。