第4号議案 取締役に対する業績連動型株式報酬等の額および内容決定の件

1.提案の理由および当該報酬制度を相当とする理由

当社の取締役の報酬は、「基本報酬」、「業績報酬」および「譲渡制限付株式報酬」で構成されていますが、今般、「譲渡制限付株式報酬」の新規付与を取りやめ、当社の取締役(下記のとおり、社外取締役を除きます。)を対象に、新たに信託を用いた業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」といいます。)を導入することにいたしたいと存じます。なお、その詳細につきましては、下記の範囲内で取締役会にご一任いただきたく存じます。

本制度は、取締役の報酬と当社の業績および株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主の皆さまと共有することにより中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることおよび取締役に交付する株式に退任までの間の譲渡制限を付することにより株式交付後においても企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的としております。なお、本議案において、「退任」とは、当社の取締役もしくは執行役員または一部の当社子会社の取締役のいずれの地位でもなくなることをいいます。

本議案は、2013年6月27日開催の第1回定時株主総会においてご承認いただきました取締役の報酬限度額(年額396百万円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含みません。))とは別枠で、本制度による報酬を、取締役(社外取締役を除きます。以下も同様です。)に対して支給するというものです。

当社における取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針の内容は、事業報告3.当社の会社役員に関する事項(4)取締役および監査役の報酬等②に記載のとおりですが、本議案の承認可決を条件として、その内容を、本議案末尾の<ご参考>に記載のとおり変更することを、指名・報酬委員会(委員の過半数を社外取締役で構成し委員長は社外取締役)の答申のもと、2024年5月15日開催の取締役会において決議しております。本議案は、変更後の当該方針および本制度導入の目的を達成するために必要かつ合理的な内容になっているため、その内容は相当なものであると判断しております。

なお、第2号議案「取締役9名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役は4名(社外取締役を除く。)となります。

(注)本議案が原案どおり承認可決された場合、当社の執行役員および一部の当社子会社の取締役(以下、総称して「執行役員等」といいます。)に対しても、取締役に対するものと同様の業績連動型株式報酬制度を導入する予定です。

また、当社は、2021年6月25日開催の第9回定時株主総会において、当社の取締役に対する譲渡制限付株式報酬の導入につきご承認いただきましたが、本議案が原案どおり承認可決されることを条件として、譲渡制限付株式報酬に係る報酬枠を廃止いたします。

2.本制度における報酬等の額・内容等

(1)本制度の概要

本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」といいます。)が当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される(ただし、下記3.のとおり、当該株式については、当社と各取締役との間で譲渡制限契約を締結することにより譲渡制限を付すものとします。)、という株式報酬制度です。

本制度に基づき付与するポイントは基礎ポイントおよび業績連動ポイントの2種類です。

基礎ポイントの付与および付与された基礎ポイントに相当する株式の交付は、本定時株主総会終結日の翌日から2026年6月の定時株主総会終結の日までの約2年間(以下「基礎ポイント対象期間」といいます。)の間に在任する当社取締役に対して行います。業績連動ポイントの付与および付与された業績連動ポイントに相当する株式の交付は、2025年3月末日に終了する事業年度から2026年3月末日に終了する事業年度までの2年間(以下「業績連動ポイント対象期間」といいます。)の間に在任する当社取締役に対して行います。(一の業績連動ポイント対象期間と、当該期間の終了日の属する基礎ポイント対象期間を総称して、または個別に以下「対象期間」といいます。ただし、下記(2)のとおり、対象期間を延長することがあります。)

なお、取締役が当社株式の交付を受ける時期は、いずれのポイントについても、原則として信託期間中の毎事業年度における一定の時期です。

(2)当社が拠出する金銭の上限

本信託の当初の信託期間は約2年間とし、当社は、本制度に基づき取締役に交付するために必要な当社株式の取得資金として、合計金300百万円(基礎ポイント対象期間に対して付与する基礎ポイントの総数に相当する当社株式の取得資金分として金44百万円、業績連動ポイント対象期間に対して付与する業績連動ポイントの総数に相当する当社株式の取得資金分として金256百万円)を上限とする金銭を対象期間中に在任する取締役に対する報酬として拠出し、一定の要件を満たす取締役を受益者として本信託を設定します。本信託は、当社が信託した金銭を原資として、当社株式を当社の自己株式の処分を受ける方法または取引所市場(立会外取引を含みます。)から取得する方法により、取得します。

(注)当社が実際に本信託に信託する金銭は、上記の当社株式の取得資金のほか、信託報酬、信託管理人報酬等の必要費用の見込み額を合わせた金額となります。また、上記のとおり執行役員等に対しても同様の株式報酬制度を導入した場合には、当該制度に基づき執行役員等に交付するために必要な当社株式の取得資金も併せて信託いたします。

なお、当社の取締役会の決定により、基礎ポイント対象期間については約5年間を、業績連動ポイント対象期間については5事業年度を上限とする期間を都度定めて対象期間を延長するとともに、これに伴い本信託の信託期間を延長し(当社が設定する本信託と同一の目的の信託に本信託の信託財産を移転することにより、実質的に信託期間を延長することを含みます。以下も同様です。)、本制度を継続することがあります。この場合、当社は、本制度により取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金としての金銭を本信託に追加拠出し、下記(3)のポイント付与および当社株式の交付を継続します。ただし、かかる追加拠出の金額は、(ⅰ)延長分の基礎ポイント対象期間に対して付与する基礎ポイントの総数に相当する当社株式の取得資金分として、金22百万円に延長年数を乗じた金額、(ⅱ)延長分の業績連動ポイント対象期間に対して付与する業績連動ポイントの総数に相当する当社株式の取得資金分として、128百万円に延長年数を乗じた金額、をそれぞれ上限とします(以降も同様とします。)。

(3)取締役に交付される当社株式の算定方法および上限

① 取締役に対するポイントの付与方法等

当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定めるポイント付与日(原則として毎事業年度)において、(ⅰ)基礎ポイントおよび(ⅱ)業績連動ポイントを付与します。

(ⅰ)基礎ポイントは役位等に応じた数を付与し、(ⅱ)業績連動ポイントは役位等に応じて定める数に業績連動指標の実績値に応じて変動する業績連動係数を乗じた数を付与するものとします。なお、かかる業績連動指標および業績連動係数のレンジは当社の取締役会において決定するものとしますが、当初の業績連動ポイント対象期間における業績連動指標は、「株価(TOPIX対比)」「非財務指標(温室効果ガス削減)」「個人目標達成度」等とし、業績連動係数のレンジは0%から200%までとする予定です。

ただし、当社が取締役に対して付与するポイントの総数は、1事業年度あたり112,900ポイントを上限とします。

② 付与されたポイントの数に応じた当社株式の交付

取締役は、上記①で付与されたポイントの数に応じて、下記③の手続に従い、当社株式の交付を受けます。1ポイントは当社株式1株とします。ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、1ポイントあたりの当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、1ポイントあたりの当社株式数は、かかる分割比率・併合比率等に応じて、合理的に調整されるものとします。

③ 取締役に対する当社株式の交付

各取締役は、原則として信託期間中の毎事業年度、下記3.の譲渡制限契約を当社と締結することその他所定の手続を経ることを条件として、本信託の受益権を取得し、本信託から上記②の当社株式の交付を受けます。

ただし、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭(当該換金額)を交付することがあります。

(4)議決権行使

本信託内の当社株式に係る議決権は、当社および当社役員から独立した信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないことといたします。かかる方法によることで、本信託内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しております。

(5)配当の取扱い

本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。

3.取締役に交付される当社株式に係る譲渡制限契約

上記2.(3)②の当社株式の交付に当たっては、当社と取締役との間で、概要、以下の内容を含む譲渡制限契約(以下「本譲渡制限契約」といいます。)を締結するものとします(各取締役は、本譲渡制限契約を締結することを条件として、当社株式の交付を受けるものとします。)。

ただし、株式交付時点において取締役が既に退任している場合や日本国の居住者でなくなることが見込まれる場合には、譲渡制限が付されていない当社株式を交付することがあります。また、このうち一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。

(1)譲渡制限期間

取締役は、本制度により交付を受けた株式(以下「本交付株式」という。)につき、その交付を受けた日(複数回交付を受けた場合には各交付を受けた日)から退任する日までの間(以下「本譲渡制限期間」という。)、本交付株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下「本譲渡制限」という。)。

取締役は本譲渡制限期間中、取締役が既に保有している株式と分別して管理することを目的に、当社が指定する証券会社の口座にて本交付株式の管理を行うものとする。

(2)本交付株式の無償取得

① 取締役が上記(1)に違反して本交付株式の全部または一部を譲渡、担保提供その他の方法で処分しようとしたときは、当社は、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。

② 取締役が本譲渡制限期間中に次の各号のいずれかに該当した場合、当社は、取締役が当該各号に該当した時点をもって、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。

ⅰ)取締役が禁錮以上の刑に処せられた場合

ⅱ)取締役について破産手続開始、民事再生手続開始その他これらに類する手続開始の申立てがあった場合

ⅲ)取締役が任期満了、定年または死亡その他正当な理由以外の理由により退任した場合

③ 取締役が本譲渡制限期間中に次の各号のいずれかに該当した場合、当社は、取締役に対して本交付株式を無償で取得する旨を書面で通知することにより、当該通知の到達した時点をもって、本交付株式の全部(ただし、第ⅱ号の場合において本交付株式の一部を取得することが相当であると決定されたときは、当該一部に限る。)を当然に無償で取得する。

ⅰ)取締役において、当社および当社子会社(以下、総称して「当社グループ」という。)の事業と競業する業務に従事し、または競合する法人その他の団体の役職員に就任したと当社の取締役会が認めた場合(ただし、当社の書面による事前の承諾を取得した場合を除く。)

ⅱ)取締役において、法令、当社グループの内部規程または本契約に重要な点で違反したと当社の取締役会が認めた場合、その他本交付株式を当社が無償で取得することが相当であると当社の取締役会が決定した場合

ⅲ)取締役において、その行為が当社グループの名誉を毀損し、あるいは当社グループに著しい損害を与えたと当社の取締役会が認めた場合

(3)組織再編等における取扱い

本譲渡制限期間中に次の各号に掲げる事項が当社の株主総会(ただし、第ⅱ号において当社の株主総会による承認を要さない場合および第ⅵ号においては、当社の取締役会)で承認された場合(ただし、次の各号に定める日(以下「組織再編等効力発生日」という。)が本譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限る。)には、上記(1)にかかわらず、組織再編等効力発生日の前営業日の直前時をもって、本交付株式についての本譲渡制限が解除されるものとする。

(4)その他取締役会で定める事項

上記のほか、本譲渡制限契約における意思表示および通知の方法、本譲渡制限契約の改定の方法、その他取締役会で定める事項を本譲渡制限契約の内容とする。

<ご参考>取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針

本定時株主総会において、第4号議案(取締役に対する業績連動型株式報酬等の額および内容決定の件)が原案どおり承認可決された場合、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を以下のとおり変更する予定です。

1.取締役報酬の構成および報酬水準
① 構成
取締役(社外取締役を除く)の報酬については、基本報酬、業績報酬および株式報酬で構成する。
社外取締役の報酬については、基本報酬のみで構成する。
② 報酬水準
取締役の報酬水準は、当社と同程度の利益規模の国内上場会社の取締役の報酬水準を参考に、取締役の職務内容・職責、当社グループの財政状態・経営成績等に応じて設定する。
2.取締役の基本報酬の算定方法の決定方針
取締役(社外取締役を除く)の基本報酬については、各取締役の役位、職責等に応じて固定報酬として設定する。
社外取締役の基本報酬については、独立した立場からの経営の監督という役割を踏まえ、固定報酬として設定する。
3.取締役の業績報酬の算定方法の決定方針
取締役(社外取締役を除く)の業績報酬は、当社グループの業績や経営計画の達成度(営業利益、ROCE等)、グループ経営への貢献度等により変動する業績連動型報酬とする。
4.取締役の株式報酬の算定方法の決定方針その他重要な事項
取締役(社外取締役を除く)の株式報酬は、中長期的な業績の向上と企業価値増大へのインセンティブ向上を目的とする株式報酬とし、業績非連動株式報酬と業績連動株式報酬で構成する。
業績非連動株式報酬は、取締役の役位等に応じて定める数の基礎ポイントの付与により、基礎ポイント数に応じて支給する。
業績連動株式報酬は、取締役の役位等に応じて定める数に、業績連動指標(「株価関連指標」「非財務指標(温室効果ガス削減などのマテリアリティ関連指標)」「個人目標達成度」等)の実績値に応じて変動する業績連動係数(0%から200%)を乗じた数の業績連動ポイントの付与により、業績連動ポイント数に応じて支給する。
株式報酬は、信託を用いた事後交付(下記6.記載のとおり毎年1回、一定の時期に支給)型とし、基礎ポイント数と業績連動ポイント数の合計に相当する当社普通株式(1ポイント=1株)を、譲渡制限期間を退任時までにて設定したうえで、信託を通じて付与する。
譲渡制限期間中に取締役に法令違反、競業行為その他の株式報酬制度の導入目的に反する事由が生じた場合、当社は当該取締役に付与した譲渡制限付株式の全部を無償で取得する。
5.基本報酬、業績報酬または株式報酬の額の取締役の報酬の額に対する割合の決定に関する方針
取締役(社外取締役を除く)の報酬の構成割合は、各評価指標100%達成時に概ね基本報酬60%・業績報酬20%・株式報酬20%となることを基準とする。
社長の報酬の構成割合は、各評価指標100%達成時に概ね基本報酬50%・業績報酬25%・株式報酬25%の構成となることを基準とする。
社外取締役の報酬については、独立した立場からの経営の監督という役割を踏まえ、基本報酬のみで構成する。
6.取締役に対し報酬を与える時期の決定方針
取締役報酬(株式報酬を除く)については、毎年年額を決定後、毎月一定額を現金で支給する。
株式報酬については、毎年1回、一定の時期に支給する。
7.取締役の報酬の内容についての決定の全部または一部を取締役に委任するときの当該取締役の地位・担当等
① 委任する取締役の氏名または地位もしくは担当:代表取締役社長
② 委任する権限の内容:取締役の個人別の報酬額の決定
③ 当該権限が適切に行使されるようにするために講じる措置:
当社は、取締役報酬の決定方針、水準・構成について、取締役会および代表取締役社長の諮問機関として、委員長を独立社外取締役が務め、委員の過半数を独立社外取締役とする指名・報酬委員会を設置する。指名・報酬委員会は、取締役報酬の決定方針等に関する諮問に応じ審議・答申することとし、取締役の報酬制度および報酬の決定プロセスの透明性・公正性確保を図る。
8.取締役の報酬の内容の決定方法
取締役報酬の支給総額や決定方針などを、指名・報酬委員会に諮問するとともに、当社の取締役の報酬について、独立社外取締役および独立社外監査役が出席する取締役会で代表取締役社長へ一任する旨の決議を得たうえで、代表取締役社長が、指名・報酬委員会の答申内容、各取締役の役位、職責、当社グループの業績等を総合的に勘案し、決定する。
株式報酬については、株式付与の基礎となる基礎ポイント数の算定方法(取締役の役位等に応じて定める数)や業績連動ポイント数の算定方法(取締役の役位等に応じて定める数、具体的な業績連動指標および業績連動係数のレンジ)などを、取締役会で定める報酬規程に規定する。

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