事業報告(自2017年4月1日 至2018年3月31日)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過および成果
■ 全般の概況
当社グループは、当連結会計年度末現在でHOYA株式会社および連結子会社148社(国内11社、海外137社)ならびに関連会社9社(国内4社、海外5社)により構成されております。
ライフケアおよび情報・通信の各事業部門が、それぞれの責任のもと世界各国に展開する子会社を統括する経営管理体制をとっており、米州・欧州・アジアの各地域の地域本社が、国・地域とのリレーションの強化、法務支援および内部監査等を行い事業活動の推進をサポートしております。また、欧州地域本社(オランダ)にはグループのフィナンシャル・ヘッドクォーター(FHQ)を置いております。
<国際会計基準の適用>
当社グループでは、第73期から会社計算規則第120条第1項の規定により国際会計基準(IFRS)に準拠して連結計算書類を作成しております。これに伴い、事業別の概況における報告セグメントについても、IFRSに基づき、「ライフケア」事業、「情報・通信」事業および「その他」事業の3つの報告セグメントに区分しております。
「ライフケア」事業ではメガネレンズ、コンタクトレンズ等のヘルスケア関連製品および眼内レンズ、内視鏡等のメディカル関連製品を取扱い、「情報・通信」事業では、半導体や液晶、HDD等のエレクトロニクス関連製品およびデジタルカメラ用レンズ等の映像関連製品を取扱います。「その他」事業は、主に情報システムサービスを提供する事業であります。
<売上収益の状況>
当連結会計年度における世界経済は、米国の景気は着実に回復が続き、欧州の景気も緩やかに拡大し、中国では景気が安定的に推移するなど、全体として堅調に推移しております。日本経済についても、緩やかな回復が続いております。
そのような環境のもと、当社グループ(以下、「当社」)のライフケア事業については、ヘルスケア関連製品のメガネレンズ、コンタクトレンズともに増収、メディカル関連製品においても、眼内レンズ等において増収となり、ライフケア全体で、前連結会計年度に比べて増収となりました。
情報・通信事業においては、エレクトロニクス関連製品の半導体用マスクブランクス、液晶用フォトマスクおよびハードディスク用ガラスサブストレートにおいて増収、映像関連製品も増収となり、情報・通信事業全体で、前連結会計年度に比べて増収となりました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は5,356億12百万円と、前連結会計年度に比べて11.8%の増収となりました。
<利益の状況>
利益については、57億98百万円の減損損失を計上したものの、増収に伴う利益増により、税引前当期利益は1,242億48百万円、当期利益は992億22百万円となり、それぞれ12.1%の増益、14.2%の増益となりました。
税引前当期利益率は23.2%となり、前連結会計年度並みとなりました。
なお、当連結会計年度、前連結会計年度ともに非継続事業はありませんので、表示の数値および増減率は全て継続事業によるもののみであります。
<財産の状況>
当連結会計年度末では、総資産は前連結会計年度末に比べて89億39百万円減少し、6,506億45百万円となりました。
非流動資産は、401億92百万円増加し、2,044億55百万円となりました。これは主として、のれんが173億2百万円、無形資産が104億51百万円、長期金融資産が82億38百万円増加したことによるものであります。なお、長期金融資産の増加は主にその他の短期金融資産の返済期日延長によるものであります。
流動資産は、491億31百万円減少し、4,461億90百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が510億16百万円、その他の短期金融資産が128億33百万円減少したことによるものであります。
資本合計は、152億72百万円増加し、5,306億77百万円となりました。これは主として、利益剰余金が234億51百万円増加したことによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分合計は153億6百万円増加し、5,261億93百万円となりました。
負債は、242億11百万円減少し、1,199億67百万円となりました。これは主として、短期有利子負債が350億12百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は80.9%となり、前連結会計年度末の77.5%から3.4ポイント上昇しました。
なお、利益剰余金の増減の内訳は、後掲の「連結持分変動計算書」に記載のとおりであります。
事業別(報告セグメント)の概況
企業集団の事業別(報告セグメント)の概況は次のとおりであります。
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売上高構成比
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売上高
■ ヘルスケア関連製品
メガネレンズについては、日本では、小売市場の縮小傾向が継続しておりますが、シェアの拡大により前年並みの売上を維持しました。海外市場においては、アジアの市場成長をしっかりと取り込んだことに加え、米州においては、既存事業の堅調な伸長に加え、3M社の度付き保護メガネレンズ事業及びPerformance Optics, LLCを買収した効果により大きく伸長し、全体でも前連結会計年度に比べて増収となりました。
コンタクトレンズにつきましては、専門小売店「アイシティ」の新規出店、既存店の強化による新規顧客の拡大を行ったことで、前連結会計年度に比べて増収となりました。■ メディカル関連製品
医療用内視鏡については、アジアを中心に海外市場における販売力の強化により、全体の売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。
白内障用眼内レンズは、日本市場において2015年に発売した新製品の販売が、引き続き好調に推移しております。また、海外においても、直販および代理店向けの販売がともに堅調に伸長しており、前連結会計年度に比べて増収となりました。この結果、当セグメント(ライフケア事業)の売上収益は3,528億72百万円となり、前連結会計年度に比べて12.2%の増収となりました。セグメント利益は、買収により獲得した無形資産の償却や固定資産の減損等により、564億48百万円となりましたが、3.2%の増益を維持しました。
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売上高構成比
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売上高
■ エレクトロニクス関連製品
最終製品であるパソコンやタブレット市場の飽和状態が続き、スマートフォン市場は成長が鈍化しています。当社の半導体用マスクブランクスは、先端品における活発な研究開発需要を取り込んだことで、売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。
液晶用フォトマスクについては、上期において熊本地震による当社生産能力減少の影響が残ったものの、下期は当社生産能力の回復が進んだこと、海外パネルメーカーによる研究開発需要の回復が進んだことで、売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。
ハードディスク用ガラスサブストレートについては、NAND(Not AND)型フラッシュメモリの供給量不足によるHDD(Hard Disk Drive)総需要の改善に加え、当社の市場シェアが拡大したことで、売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。■ 映像関連製品
主要な最終製品であるデジタルカメラ市場の縮小が一段落していることに加え、監視カメラや車載カメラなど新しい用途向け製品の販売拡大が貢献し、全体で増収となりました。
この結果、当セグメント(情報・通信事業)の売上収益は、1,784億80百万円と、前連結会計年度に比べて11.1%の増収となりました。セグメント利益は、699億82百万円と、前連結会計年度に比べて28.4%の増益となりました。
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売上高
■ ヘルスケア関連製品
メガネレンズについては、日本では、小売市場の縮小傾向が継続しておりますが、シェアの拡大により前年並みの売上を維持しました。海外市場においては、アジアの市場成長をしっかりと取り込んだことに加え、米州においては、既存事業の堅調な伸長に加え、3M社の度付き保護メガネレンズ事業及びPerformance Optics, LLCを買収した効果により大きく伸長し、全体でも前連結会計年度に比べて増収となりました。
コンタクトレンズにつきましては、専門小売店「アイシティ」の新規出店、既存店の強化による新規顧客の拡大を行ったことで、前連結会計年度に比べて増収となりました。■ メディカル関連製品
医療用内視鏡については、アジアを中心に海外市場における販売力の強化により、全体の売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。
白内障用眼内レンズは、日本市場において2015年に発売した新製品の販売が、引き続き好調に推移しております。また、海外においても、直販および代理店向けの販売がともに堅調に伸長しており、前連結会計年度に比べて増収となりました。この結果、当セグメント(ライフケア事業)の売上収益は3,528億72百万円となり、前連結会計年度に比べて12.2%の増収となりました。セグメント利益は、買収により獲得した無形資産の償却や固定資産の減損等により、564億48百万円となりましたが、3.2%の増益を維持しました。
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売上高
■ エレクトロニクス関連製品
最終製品であるパソコンやタブレット市場の飽和状態が続き、スマートフォン市場は成長が鈍化しています。当社の半導体用マスクブランクスは、先端品における活発な研究開発需要を取り込んだことで、売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。
液晶用フォトマスクについては、上期において熊本地震による当社生産能力減少の影響が残ったものの、下期は当社生産能力の回復が進んだこと、海外パネルメーカーによる研究開発需要の回復が進んだことで、売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。
ハードディスク用ガラスサブストレートについては、NAND(Not AND)型フラッシュメモリの供給量不足によるHDD(Hard Disk Drive)総需要の改善に加え、当社の市場シェアが拡大したことで、売上は前連結会計年度に比べて増収となりました。■ 映像関連製品
主要な最終製品であるデジタルカメラ市場の縮小が一段落していることに加え、監視カメラや車載カメラなど新しい用途向け製品の販売拡大が貢献し、全体で増収となりました。
この結果、当セグメント(情報・通信事業)の売上収益は、1,784億80百万円と、前連結会計年度に比べて11.1%の増収となりました。セグメント利益は、699億82百万円と、前連結会計年度に比べて28.4%の増益となりました。
対処すべき課題
当社グループは、持続的成長と企業価値の最大化に向けて、「ライフケア」と「情報・通信」の複数の事業において、グローバルに経営を推し進めております。多岐にわたる事業を運営する中、経営資源の最適な配分により、競争力を最大化することで、業績向上に取組んでまいります。
(1)目標とする経営指標
当社グループは、資本に対するコストを上回る利益を生んだとき、企業価値が増大し、すべてのステークホルダーにご満足いただけるものと考えております。その実現のための経営指標としてSVA(Shareholders Value Added)を導入し、効率的な経営に努めております。
(2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
① 市場の変化への迅速かつ柔軟な対応と経営資源の効率的な活用
当社グループの事業領域は多岐にわたっておりますが、それぞれの市場の動向にすばやく柔軟に対応していくために、顧客のニーズを的確に把握し、競合に先んじた戦略を立案してまいります。当社グループの経営資源を適切に配分し、設備投資、事業提携、M&A、事業の撤退・縮小といった判断をタイムリーに行ってまいります。
② 新たな事業、技術の創出
企業収益を確保し、成長し続けるためには、既存事業の伸長はもとより、従来とは異なる成長分野において、当社独自の技術を開発し、新たな事業を創出していくことが重要な課題と認識しております。
世界に通用する技術や競争優位性の高い製品の開発、新規事業の開拓・創造、そして次代を担う人材の獲得・育成にさらに力を注いでまいります。同時に、外部リソースを積極的に取り込むことも重要と考えており、事業提携やM&A等のあらゆる可能性を追求してまいります。
③ ライフケア事業の拡大
医療の現場では医師・患者双方の要求として身体への負担軽減・治療の短時間化が望まれるようになり、低侵襲医療が加速度的に普及してきております。当社グループは、光学の知識・経験を応用したライフケア事業を戦略的成長分野と位置づけ、経営資源を積極的に投入し、先進国におけるシェアの拡大と新興国への展開によるグローバルでの事業拡大を図ってまいります。
④ 情報・通信事業の安定的な収益の確保
顧客との連携強化による技術開発、高付加価値製品の拡大、新たな製品用途の開拓により、収益性の維持、向上に努めてまいります。同時に、生産拠点の効率化、生産技術の革新によるコスト削減にも力を注いでまいります。
⑤ 省エネルギー対策およびリスク分散、危機管理対応
当社グループは、全社を挙げて省エネをはじめとする環境保全に取組んでおります。また、リスクマネジメントの観点からも海外移転を含む製造拠点の分散化を進めてきました。社会の一員として、また供給責任という観点からも、引き続き省エネルギー対策、リスク分散、危機管理対応に積極的に取組んでまいります。
⑥ ダイバーシティの推進
当社グループ全体においては多くの女性管理職が活躍しておりますが、日本に限定した場合、その割合は大幅に低くなっております。日本においても、価値観や働き方の多様性を確保することで、優秀な人材を確保し、より効率的かつ多面的な観点から企業価値向上に資するように努めてまいります。
連結計算書類
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連結財政状態計算書を
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連結包括利益計算書を
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