第5号議案 取締役に対する株式報酬等の額及び内容決定の件

1. 提案の理由及び当該報酬制度を相当とする理由

当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。以下、文脈により別意に解すべき場合を除き、同様。)の報酬は、「基本報酬」、「業績連動賞与」及び「株式報酬」で構成されており、このうち「株式報酬」に係る制度(以下、「本制度」という。)は、2019年6月19日開催の第43回定時株主総会においてご承認(以下、「初回決議」という。)いただき導入し、その後、監査等委員会設置会社への移行に伴い2020年6月24日開催の第44回定時株主総会で監査等委員である取締役を除く取締役に対する報酬として改めてご承認(以下、「前回決議」という。)いただき、これまで継続して運用してまいりましたが、今般、本制度の内容を一部変更いたしたいと存じます。なお、その詳細につきましては、下記2.の枠内で取締役会にご一任いただきたく存じます。

本制度は、取締役の報酬と当社の業績及び株主価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として導入しているものですが、本制度に基づき取締役に当社株式を交付する時期を退任時から在任時に変更し、さらに、その当社株式に退任までの間の譲渡制限を付すことにより、更なるインセンティブ効果の向上を図ります。

当社は2022年6月27日開催の取締役会において取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を定めているところ、その概要は事業報告58~60頁に記載のとおりですが、本議案を原案のとおりご承認いただくことを条件として当該決定方針を事業報告61~63頁のとおり変更することを2023年5月9日開催の取締役会において決議しております。本議案は当該変更後の方針に沿った報酬等を支給するために必要かつ合理的な内容となっております。以上より、本議案の内容は相当であると考えております。

本議案は、取締役会が設置する独立社外取締役のみ(監査等委員である取締役を除く。)で構成する指名報酬委員会で審議の上、取締役会の承認を経て上程しております。

なお、第3号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)10名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役は3名となります。

また、本議案の内容につきましては、監査等委員会から妥当である旨の意見を得ております。

※本議案が原案どおり承認可決された場合、当社と委任契約を締結している執行役員等に対して導入済みの株式報酬制度についても同様に変更する予定です。

2. 本制度における報酬等の額・内容等

(1)本制度の概要

本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(設定済み。以下、「本信託」という。)が当社株式(当社の普通株式とする。以下同様。)を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される、という株式報酬制度です。

本制度に基づき取締役が当社株式の交付を受ける時期は、従前、退任時としておりましたが、本議案を原案のとおりご承認いただいた場合には、本総会後の期間における職務執行の対価として取締役に付与するポイント見合いの当社株式については、退任時ではなく、下記(3)①記載の各ポイント付与日(原則として毎事業年度)以降、所定の期間内(原則として各ポイント付与日の同事業年度内)に交付したうえで、退任までの期間において譲渡制限を付けるものとします。

なお、本議案において、「退任」とは当社の取締役その他の当社取締役会が定める地位のいずれでもなくなることをいうものとします。

(2)当社が拠出する金銭の上限

本信託の当初の信託期間は2019年8月15日から2024年8月末日までの約5年間としており、当社は、初回決議に基づき、上記(1)の表の②に記載の対象期間中に在任する取締役に対し本議案による変更前の本制度に基づき交付するために必要な当社株式の取得資金として、合計金300百万円以内の金銭(注1)を本信託に信託しており、また、本信託は、当該信託金を原資として、当社株式を当社の自己株式の処分による方法により取得しております。本議案による変更後の本制度に基づく取締役に対する当社株式の交付は、かかる本信託内の当社株式をもって行うものとします。

注1:初回決議において、上記対象期間において本議案による変更前の本制度に基づき取締役(監査等委員会設置会社移行前の取締役。ただし社外取締役を除く。)に交付するために必要な当社株式の取得資金として拠出し得る金額の上限を合計金300百万円と決議いただいており、また、前回決議において、これを監査等委員以外の取締役(ただし社外取締役を除く。)に対する報酬枠として改めてご承認をいただいております。

注2:上記の当社株式の取得資金のほか、信託報酬、信託管理人報酬等の必要費用についても、合わせて信託しております。また、当社と委任契約を締結している執行役員等に対しても同様の株式報酬制度を導入しており、同制度に基づき執行役員等に交付するために必要な当社株式の取得資金も合わせて信託しております。
なお、対象期間満了の都度、当社の取締役会の決定により、対象期間を5事業年度以内の期間を都度定めて延長し(当社が設定する本信託と同一の目的の信託に本信託の信託財産を移転することにより、実質的に信託期間を延長することを含む。以下同様。)、本制度を継続することがあります。この場合、当社は、当該延長分の対象期間中に、本制度により取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金として、当該延長分の対象期間の事業年度数に60百万円を乗じた金額を上限とする金銭を本信託に追加拠出し、下記(3)のポイント付与及び当社株式の交付を継続します。
また、上記のように対象期間を延長せず本制度を継続しない場合であっても、信託期間の満了時において、本議案による変更前の本制度に基づき本総会以前の期間における職務執行の対価として付与されたポイントを付与されているものの未だ退任していない取締役がある場合には、当該取締役が退任し当社株式の交付が完了するまで、本信託の信託期間を延長することがあります。


(3)取締役に交付される当社株式の算定方法及び上限

① 取締役に対するポイントの付与方法等
当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定めるポイント付与日(原則として毎事業年度)において、役位及び業績目標の達成度等に応じたポイントを付与します。
ただし、当社が取締役に対して付与するポイントの総数は、初回決議及び前回決議と同様に、1事業年度当たり30,000ポイントを上限とします。

② 付与されたポイントの数に応じた当社株式の交付
取締役は、上記①で付与されたポイントの数に応じて、下記③の手続に従い、当社株式の交付を受けます。ただし、変更前の本制度に基づき本総会以前の期間における職務執行の対価として付与されたポイント見合いの当社株式の交付は、初回決議及び前回決議に従って行います。
なお、1ポイントは当社株式1株とします。ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、交付すべき当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、1ポイント当たりの当社株式数はかかる分割比率・併合比率等に応じて調整されるものとします。

③ 取締役に対する当社株式の交付
各取締役は、下記3.の譲渡制限契約を当社と締結することその他所定の手続を経ることを条件として、原則として信託期間中の毎事業年度において(上記①のポイント付与の都度、原則として各ポイント付与日の同事業年度中に)、本信託の受益権を取得し、本信託から上記②の当社株式の交付を受けます。ただし、上記②のとおり、変更前の本制度に基づき本総会以前の期間における職務執行の対価として付与されたポイント見合いの当社株式については、初回決議及び前回決議のとおり、各取締役は原則としてその退任時に所定の手続を行って本信託の受益権を取得し、本信託から交付を受けるものとします。
なお、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。


(4)議決権行使

本信託内の当社株式に係る議決権は、当社及び当社役員から独立した信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないことといたします。かかる方法によることで、本信託内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しております。


(5)配当の取扱い

本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。

3.取締役に交付される当社株式に係る譲渡制限契約

本議案を原案のとおりご承認いただいた場合には、本総会後の期間における職務執行の対価として上記2.(3)①により付与されるポイント見合いとして交付される当社株式については、当社と取締役との間で、以下の内容を含む譲渡制限契約(以下、「本譲渡制限契約」という。)を締結するものとします(各取締役は、本譲渡制限契約を締結することを条件として、当社株式の交付を受けるものとする。)。

ただし、退任以後に本制度に基づき当社株式を交付する場合には、譲渡制限を付さずに当社株式を交付します。また、一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。

(1)譲渡制限期間
取締役は、本制度により交付を受けた当社株式(以下、「本交付株式」という。)につき、その交付を受けた日(複数回交付を受けた場合には各交付を受けた日)から退任する日までの間(以下、「本譲渡制限期間」という。)、本交付株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下、「本譲渡制限」という。)。
取締役は、本譲渡制限期間中、取締役が既に保有している株式と分別して管理することを目的に、当社が指定する証券会社の口座にて本交付株式の管理を行うものとする。


(2)本交付株式の無償取得

① 取締役が本譲渡制限に違反して本交付株式の全部または一部を譲渡、担保提供その他の方法で処分しようとしたときは、当社は、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。

② 取締役が本譲渡制限期間中に次のⅰ)ないしⅳ)のいずれかに該当した場合、当社は、取締役が当該ⅰ)ないしⅳ)に該当した時点をもって、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。

ⅰ)取締役が禁錮以上の刑に処せられた場合

ⅱ)取締役について破産手続開始、民事再生手続開始その他これらに類する手続開始の申立てがあった場合

ⅲ)取締役が差押え、仮差押え、仮処分、強制執行若しくは競売の申立てを受け、または公租公課の滞納処分を受けた場合

ⅳ)取締役が任期満了、定年または死亡その他正当な理由以外の理由により退任した場合

③ 取締役が本譲渡制限期間中に次のⅰ)またはⅱ)のいずれかに該当した場合、当社は、取締役に対して本交付株式を無償で取得する旨を書面で通知することにより、当該通知の到達した時点をもって、本交付株式の全部(ただし、ⅱ)の場合において本交付株式の一部を取得することが相当であると決定されたときは、当該一部に限る。)を当然に無償で取得する。

ⅰ)取締役において、当社の事業と競業する業務に従事し、または競合する法人その他の団体の役職員に就任したと当社の取締役会が認めた場合(ただし、当社の書面による事前の承諾を取得した場合を除く。)

ⅱ)取締役において、法令、当社の内部規程または本譲渡制限契約に重要な点で違反したと当社取締役会が認めた場合、その他本交付株式を当社が無償で取得することが相当であると当社の取締役会が決定した場合


(3)組織再編等における取り扱い

本譲渡制限期間中に次のⅰ)ないしⅵ)に掲げる事項が当社の株主総会(ただし、ⅱ)において当社の株主総会による承認を要さない場合及びⅵ)においては、当社の取締役会)で承認された場合(ただし、次のⅰ)ないしⅵ)に定める日(以下、「組織再編等効力発生日」という。)が本譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限る。)には、上記にかかわらず、組織再編等効力発生日の前営業日の直前時をもって、本交付株式についての本譲渡制限が解除されるものとする。

ⅰ)当社が消滅会社となる合併契約  合併の効力発生日

ⅱ)当社が分割会社となる吸収分割契約または新設分割計画(当社が、会社分割の効力発生日において、当該会社分割により交付を受ける分割対価の全部または一部を当社の株主に交付する場合に限る。)  会社分割の効力発生日

ⅲ)当社が完全子会社となる株式交換契約または株式移転計画  株式交換または株式移転の効力発生日

ⅳ)株式の併合(当該株式の併合により取締役の有する本交付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限る。)  株式の併合の効力発生日

ⅴ)当社の普通株式に会社法第108条第1項第7号の全部取得条項を付して行う当社の普通株式の全部の取得  会社法第171条第1項第3号に規定する取得日

ⅵ)当社の普通株式を対象とする株式売渡請求(会社法第179条第2項に定める株式売渡請求を意味する。)  会社法第179条の2第1項第5号に規定する取得日


(4)その他取締役会で定める事項

上記のほか、本譲渡制限契約における意思表示及び通知の方法、本譲渡制限契約の改定の方法、その他取締役会で定める事項を本譲渡制限契約の内容とする。

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