第4号議案 株主提案 取締役3名解任の件

1. 提案の内容

(a) 清水高氏の解任

(b) 和田育子氏の解任

(c) 友松功一氏の解任


2. 提案の理由

現在当社は名証ネクスト市場に上場しています。我々株主は、当社が将来的には東証プライム市場を目指す意向であることを、前回の株主総会での複数の取締役の発言によって確認しております。

当社は2019年においてすでに営業利益12億円を達成しています。我々株主は東証への市場変更の条件を十分に満たす会社と考え、市場変更を要求して来ました。

そもそも、当社は名証に上場していますが、東海地方に特別縁があるわけでもなく、現在の当社の事業規模から考えれば、名証に上場し続けることが不自然ともいえる現状にあります。株主と会社との対話の中でも、なるべく早い時期に市場変更を実行するという回答を得ており、株主と会社との約束事と認識しています。

2021年3月期の決算説明会においても、市場変更の質問に対して、梁瀬前社長は「準備は整いました」と発言しています。現在の常任役員においても、東証への市場変更に意欲があることも確認できております。

しかしながら、東証への市場変更において、ガバナンス要件における問題が最大の障壁となっています。すなわち、上場企業として親会社から独立した意思決定が担保されていない点、具体的には親会社からの役員が過半数以上となっていることが問題視されているわけです。これは、親会社のフリービットが子会社である当社の市場変更を阻止しているともいえる状況です。役員の派遣について、フリービットとしては、事業のシナジーのために多くの役員を兼任していると説明しています。しかしながら、我々株主はフリービットが当社の株式価値を高めたくないのではないかと疑念を持っています。

その根拠としては、以下の通りです。

フリービットはグループ内の再編を進めており、昨年度には上場子会社であったフルスピードを完全子会社化しています。当然、当社についても検討課題となっているはずで、株式価値が高まることは、フリービットの完全子会社化のコストが上昇することを意味します。

そもそも、事業でシナジーを発揮するのが目的であったとしても、これほど多くの役員を送り込む必要はありません。また、兼任している役員のうち管理部門の兼任役員が5人中3人を占めており、すべての役員が非常勤となっています。すなわち、フリービット側の役員派遣は「事業のシナジーを発揮させるため」という大義名分とは全く異なる意図があると考えざるを得ません。経済産業省は親子上場における上場子会社の少数株主保護に関してガイドラインを定めています(「上場子会社に関するガバナンスの在り方」2020年1月7日公表)。このガイドライン28ページには「上場子会社においては、親会社と一般株主との間に利益相反リスクがあることを踏まえ、上場子会社としての独立した意思決定を担保するための実効的なガバナンス体制が構築されるべきである。」とされており、現在の当社役員構成はこれに反するものになっています。他の親子上場会社もガバナンスの観点から独立性を遵守しており、親会社からの役員が上場子会社役員の過半数以上を占めている事例は極めて稀です。我々株主は、前々からの約束であった市場変更の要件を満たし、そして上場企業として独立した意思決定が担保されたガバナンス体制を確立することが重要だと考えています。

よって、親会社からの管理部門の取締役である、清水高氏、和田育子氏、友松功一の解任を提案いたします。


(会社注)以上は、提案株主から提出された株主提案書の該当部分を、原文のまま掲載したものです。

◇第4号議案に対する取締役会の意見

当社といたしましては、本株主提案において解任の対象者とされております取締役清水高、取締役友松功一及び取締役和田育子はいずれも、人格、識見ともに優れ、当社及び当社子会社(以下「当社グループ」といいます。)の企業価値の向上の観点から取締役会においてその役割・責務を果たすために必要となる能力を保有する者として、共に経営努力を重ねてきた者であると考えております。より具体的には、取締役清水高及び取締役友松功一につきましてはいずれも、経営及び事業戦略に関する豊富な経験と知見を有しており、広範かつ高度な視座に基づく経営全般に関する助言を当社経営に反映させる役割を果たしております。また、取締役和田育子につきましては、情報管理体制の強化や、女性活躍に関する豊富な経験と知見を有しており、その経験や知見に基づき規律ある情報管理やジェンダーレス観点からの人的資源の伸長等に関する助言を当社経営に反映させる役割を果たしております。そして、取締役清水高、取締役友松功一及び取締役和田育子に限らず、当社の各取締役は、当社の親会社出身者であると否とを問わず、当社の取締役としての責任を認識し、当社グループの企業価値の向上に努めており、当社の取締役としての適格性に疑義を生じる余地はないと考えております。

加えて、当社は、独立した上場会社として、親会社等の指示や事前承認によらず、当社グループの企業価値向上を最優先に、独自に経営の意思決定を行っております。また、当社グループの営業取引における親会社グループへの依存度は極めて低く、ほとんどが親会社グループと資本関係を有しないお客様との取引であります。加えて、親会社グループと取引を行う場合におきましては、当社グループの企業価値の維持・向上及び少数株主保護の観点から、市場価格を勘案し価格交渉の上、規律ある取引条件を設定しております。

以上のとおり、取締役清水高、取締役友松功一及び取締役和田育子を解任する必要はなく、当社取締役会としては、本議案に反対いたします。

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