第5号議案 取締役報酬改定の件

 当社は、Missionとして「世界中の未来をつくる」“Build brighter futures, everywhere”を掲げておりますが、近年のグローバル経営環境の急速な変化を背景に、当社の事業を通じた社会課題解決の重要性が一層高まっております。当社の取締役(社外取締役を除きます。本議案のご説明において以下同じであり「対象取締役」といいます。)を対象に、当社の社会的責任を果たしつつ中長期的な業績と企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、当社が重視する経営指標に連動する、業績連動型譲渡制限付株式報酬制度を新たに導入することといたしたく存じます。業績連動型譲渡制限付株式を交付するための金銭報酬債権を、年額3億円(交付する株式数の上限は年30万株以内)の範囲内で支給することにつき、ご承認をお願いするものです。新設する業績連動型譲渡制限付株式報酬制度は、一定の評価期間における当社経営指標の達成度に応じて、取締役に事後的に交付される譲渡制限付きの当社の普通株式の数が変動する、業績連動型の株式報酬制度であり(算定方法は次ページに掲載)、初回評価期間においては、当社が重視すべき経営指標として気候変動対応を含むESG各要素及びROE等を想定しております。交付される業績連動型譲渡制限付株式の概要については、次ページの「譲渡制限付株式」に記載のとおりです。

 また、2017年6月21日開催の第98回定時株主総会において、年額7億円以内としてご承認いただいた取締役の業績連動賞与について、上限額を年額15億円と増額させていただきたく存じます。業績連動賞与の総支給額を算定するフォーミュラ(47ページに掲載)に変更はありませんが、当社が掲げる業績目標及びその達成状況に鑑み、従来の上限額では十分なインセンティブとして働かないため、上限額の改定につき、ご承認をお願いするものです。係る改定により、取締役報酬のうち、当社が重視する経営指標の達成度に応じて変動する業績連動報酬の割合を高め、当社が目指す経営のあり姿と取締役報酬制度のアラインメントを一層進めるものです。

 更に、2019年6月20日開催の第100回定時株主総会において、年額5億円以内(交付する株式数の上限は年50万株以内)としてご承認いただいた取締役の株価連動型譲渡制限付株式報酬について、株価連動条件を廃止し、他指標との比較ではなく絶対値での当社の株式価値最大化に向けた中長期インセンティブとして機能するよう、在任条件型の譲渡制限付株式報酬とさせていただきたく存じます。株価連動条件が廃止される以外、上限額その他第100回定時株主総会において承認可決いただいた内容(次ページに掲載)については、変更はありません。

 以上の取締役の報酬改定につきましては、社外役員が過半数を占める報酬委員会から適切である旨の答申を受けており、相当であると考えております。なお、第3号議案「取締役14名選任の件」が原案どおり承認可決されますと対象取締役は9名となります。本議案をご承認いただいた場合の各取締役への個別支給方法等については、本議案が株主総会で承認されることを条件として取締役会にて決定した、以下に掲載する取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に沿って、報酬委員会における審議を踏まえ、取締役会において決定します。

 本議案をご承認いただいた場合の、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の概要は、次のとおりです(現行の方針の概要は、47ページ及び48ページをご参照下さい。)。

Base:基本報酬(固定・金銭報酬)

上限額:変更なし(年額10億円)

 役位に応じて決定した額を、毎月金銭で支給するものです。

Short Term Incentive(STI):業績連動賞与(変動・金銭報酬)

上限額:変更あり(年額15億円)

 当社が重視する業績指標として、連結当期利益(親会社の所有者に帰属)及び基礎営業キャッシュ・フローに連動したフォーミュラにより、総支給額を算定し、年に1回、金銭で支給するものです(フォーミュラ等詳細は47ページに掲載)。

Long Term Incentive(LTI)-1:業績連動型譲渡制限付株式報酬(変動・株式報酬)

新設 上限額:年額3億円

 当社が重視する経営指標についての評価期間(3年間)満了時における達成度に応じて、事後的に当社の普通株式を譲渡制限付きで支給するものです(年1回)。2023年3月期を初回の対象事業年度とし、同事業年度から2025年3月期までの3事業年度を初回評価期間とします。初回評価期間においては、当社が重視すべき経営指標として気候変動対応を含むESG各要素及びROE等を想定し、当社で定めた目標に対するそれぞれの達成度に応じて、支給額を80%から120%の範囲で変動させる予定です。

 当社を取り巻くグローバル経営環境変化の加速化に鑑み、当社が重視すべき経営指標等についても不断の見直しが必要となることから、経営指標及び目標等の妥当性並びに進捗度等については報酬委員会及び取締役会において定期的に検証し、必要に応じて見直すことといたします。また評価期間中に、当社が重視する経営指標の観点から重大と考える事故または不祥事等が発生した場合など、取締役会において不適当であると判断したときには、本株式報酬の支給を行いません(クローバック条項)。

Long Term Incentive(LTI)-2:在任条件型譲渡制限付株式報酬(固定・株式報酬)

上限額:変更なし(年額5億円)

 役位に応じて決定した株式数の当社普通株式を、譲渡制限付きで支給するものです(年1回)。

 従来、譲渡制限付株式報酬は、当社株価成長率とTOPIX(東証株価指数)成長率を対比させた算定式に連動する形で交付額を決定しておりました(算定式は48ページに掲載)。今般、係る株価連動条件を廃止し、対象事業年度における在任を条件として、役位に応じて決定した株式数を交付することといたします。上限額その他の内容について変更はありません。

 ※ なお、従来の株価連動型譲渡制限付株式報酬は、当社の取締役を兼務しない執行役員に対しても交付していましたが、これに代えて事後交付型譲渡制限付株式報酬(リストリクテッド・ストック・ユニット)を、取締役会の決議により付与する予定です。

●譲渡制限付株式

 対象取締役は、業績連動型譲渡制限付株式報酬または在任条件型譲渡制限付株式報酬(以下あわせて「本株式報酬制度」といいます。)のために当社の取締役会決議により対象事業年度について支給される金銭報酬債権の全部を現物出資するのと引換えに、本株式について発行または処分を受けます。当社が本株式報酬制度に関連して新たに発行または処分する普通株式の総数は、業績連動型譲渡制限付株式報酬につき年30万株以内、及び在任条件型譲渡制限付株式報酬につき年50万株以内(但し、当社普通株式の株式分割・無償割当て・株式併合等、譲渡制限付株式として発行または処分される当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数を合理的な範囲で調整します。)とします。

なお、その1株当たりの払込金額は、本株式の発行または処分に係る取締役会決議がなされる日の属する月の直前3か月の東京証券取引所における当社の普通株式の日次終値の平均値(終値のない日を除き、1円未満の端数は切り上げます。)を基礎として、対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会が決定します。また、本株式報酬制度に基づく本株式の交付は、原則として当社と対象取締役との間で、譲渡制限付株式割当契約(以下「本割当契約」といいます。)が締結されることを条件とします。本割当契約内容等の概要は以下のとおりであり、その他の事項は取締役会において定めるものとします。

1. 譲渡制限

 対象取締役は、本株式の払込期日より30年間(以下「譲渡制限期間」といいます。)、本株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができません。但し、対象取締役が譲渡制限期間満了前に当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも退任した場合には、譲渡制限は解除されます。

2. 無償取得事由・権利消滅事由(クローバック条項)

 対象取締役が、譲渡制限期間中に、法令違反行為を行った場合その他本割当契約で定める一定の事由に該当した場合、当社は、業績連動型譲渡制限付株式報酬及び在任条件型譲渡制限付株式報酬を受領する権利の全部または一部を当然に消滅させ、本株式報酬制度に基づく本株式の全部または一部を当然に無償で取得します。

▪取締役報酬構成割合

 当社の取締役報酬は、金銭報酬としての①固定報酬(基本報酬)及び②業績連動賞与(短期インセンティブ)、株式報酬としての③譲渡制限付株式報酬(長期インセンティブ)により構成されております。

本議案をご承認いただいた場合、取締役の報酬構成割合は、金銭報酬:株式報酬については概ね2:1、基本報酬:短期インセンティブ:長期インセンティブについては概ね1:1:1となります。

(ご参考)

▪自社株保有ガイドライン

 前記の改定により取締役報酬に占める株式報酬の割合を増加させたことに加えて、対象取締役を対象とする「自社株保有ガイドライン」を制定いたします。

 「自社株保有ガイドライン」においては、自社株保有目標として、代表取締役社長につき基本報酬(年額)の3倍相当の当社株式の保有を、その他の対象取締役につき基本報酬(年額)相当の当社株式の保有を、それぞれ定める予定です。

 なお、「自社株保有ガイドライン」は、報酬委員会及び取締役会において定期的に検証し、必要に応じて変更いたします。

 今回の取締役報酬の改定及び自社株保有ガイドラインの制定により、株主の皆様と同じ目線で一層の価値共有を進め、「当社株式価値最大化」という中長期目標をもって、急速に変化する経営環境に応じて機動的に、これからも「挑戦と創造」を繰り返していきます。

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