第3号議案 株主提案 取締役3名解任の件
1. 提案の内容
(1)和田育子氏の解任
(2)友松功一氏の解任
(3)高橋研氏の解任
2. 提案の理由
昨年度の株主提案において、我々はギガプライズが名証に所属し続けていることは不自然であること、ギガプライズ社自身は、東証への鞍替え、東証プライム市場を目指す意思があること、そして市場変更の最大の障壁となっているのは、親会社の役員が半数以上を占めている事であり、ガバナンスの健全化、そして市場の変更のためにも親会社からの管理部門の役員の解任を提案いたしました。しかしながら、現時点において、親会社からの役員は依然として半数を占める状態となっています。
親会社のフリービットは2023年6月の決算説明会において、以下のように説明しています。当社は、ギガプライズの独立した上場会社としての企業価値創造のためにグループとして、貢献出来るよう、ギガプライズから毎年フリービット指名報酬委員会に対して提出される要望書を尊重し、主にスキルマトリクス充足等を目的とした役員支援を行っています。
この文脈では、ギガプライズ社から要望されてフリービット社から役員を派遣している、と捉えられます。しかしこれは事実と異なると我々は考えています。
そもそも、ギガプライズに親会社の役員が派遣された当初、フリービットの新中期経営計画骨子「SiLK VISION 2024に向けて」(2020年9月11日公開)の動画において、社長の石田宏樹氏はこのように発言しています。
今回グループの役員人事を大きく刷新いたしました。今まではグループ企業でそれぞれ独立した動きを尊重するという形であったが、今後はグループの方針を変更いたしまして我々の方針に従った役員・執行役員の人事を行っております(発言要約)。
本来、親子上場の子会社は役員の選任を含め、独立した意思決定が担保されるべきであるのに、それを否定し自らの方針によって役員を変更したとはっきりと述べています。それを裏付けるように、ギガプライズの2020年6月の役員の異動において、4人の親会社の役員が新たに取締役候補となっています(それ以前は1人)。
親会社であるフリービットは上場企業の最上位たる東証プライム市場に上場しており、ガバナンスに対する意識は全企業の模範となるべきであるにもかかわらず、代表取締役社長が動画でこのような発言をし、実際に上場子会社をあたかも私物の如く扱っているのは大変問題であると言わざるを得ません。
また、要望書に関して、2020年6月にフリービットから役員が4名が取締役候補になった時は要望書は提出されておらず、2021年にはさらに1名増えて、フリービットの取締役が過半数以上を占めるようになっています。そして2022年にギガプライズから要望書が出されるようになった、と前回の株主総会で判明しています。親会社からの役員が過半数以上を占めるようになって、突如としてギガプライズから提出されるようになった要望書なるものが、社会一般的な常識から考えて、フリービットのギガプライズから要望されて取締役を派遣している、という主張を正当化する根拠になるとは我々には到底思えません。
もしフリービットがギガプライズを意のままにしたいのであれば、完全子会社化して上場廃止すべきであり、上場維持したまま多数の役員を派遣するのはガバナンスとして大きな問題があると言わざるを得ません。
前回の株主総会において、ガバナンスの件に関してすべての役員に見解を求めたところ、親会社からの役員を含む全役員が、現在のガバナンスの状況は上場企業としてあるべき姿ではない、と答弁しています。上場企業においてこのような状況が4年もの長期間継続していることは異常と言えます。
我々株主は、前々からの約束であった市場変更の要件を満たし、そして上場企業として独立した意思決定が担保されたガバナンス体制を確立することが重要だと考えています。
よって、親会社からの管理部門の取締役である、和田育子氏、友松功一氏、高橋研氏の解任を提案いたします。
(会社注)以上は、提案株主から提出された株主提案書の該当部分を、形式的な調整を除き原文のまま掲載したものです。
◇第3号議案に対する取締役会の意見
当社取締役会としては、本議案に反対いたします。
当社といたしましては、本株主提案において解任の対象者とされております取締役和田育子、取締役友松功一及び取締役高橋研はいずれも、人格、識見ともに優れ、当社及び当社子会社(以下「当社グループ」といいます。)の企業価値の向上の観点から取締役会においてその役割・責務を果たすために必要となる能力を保有する者として、共に経営努力を重ねてきた者であると考えております。より具体的には、取締役和田育子につきましては、情報管理体制の強化や、女性活躍に関する豊富な経験と知見を有しており、その経験や知見に基づき規律ある情報管理やジェンダーレス観点からの人的資源の伸長等に関する助言を当社経営に反映させる役割を果たしております。取締役友松功一につきましては、経営及び事業戦略に関する豊富な経験と知見を有しており、広範かつ高度な視座に基づく経営全般に関する助言を当社経営に反映させる役割を果たしております。また、取締役高橋研につきましては、事業戦略に関する豊富な経験と知見を有しており、当社グループの事業運営体制を強化する役割を果たしております。そして、取締役和田育子、取締役友松功一及び取締役高橋研を含め、当社の各取締役は、当社の親会社出身者であると否とを問わず、各人の経歴、知見、実績が当社の経営環境及び今後の成長戦略等に照らして必要・有益であるかについて、独立社外取締役及び独立社外監査役の意見を最大限尊重し、最終的に当社取締役会において候補者として選定され、その選任後は当社の取締役としての責任を認識し、当社グループの企業価値の向上に努めているものであります。したがって、取締役和田育子、取締役友松功一及び取締役高橋研について、当社の取締役としての適格性に疑義を生じる余地はないと考えております。
加えて、当社は、独立した上場会社として、親会社の指示や事前承認によらず、当社グループの企業価値向上を最優先に、独自に経営の意思決定を行っております。また、当社グループの営業取引における親会社グループへの依存度は極めて低く、ほとんどが親会社グループと資本関係を有しないお客様との取引であります。加えて、親会社グループと取引を行う場合におきましては、当社グループの企業価値の維持・向上及び少数株主保護の観点から、市場価格を勘案し価格交渉の上、規律ある取引条件を設定しております。
以上のとおり、取締役和田育子、取締役友松功一及び取締役高橋研を解任する必要はなく、当社取締役会としては、本議案に反対いたします。