第4号議案 定款一部変更(剰余金の配当等の決定機関)の件

<株主提案(第4号議案及び第5号議案)>

第4号議案及び第5号議案は、株主様1名(以下「提案株主」という。)からのご提案によるものであります。

なお、以下は、提案株主から提出された株主提案書面の該当箇所を形式的な調整を除き、原文のまま掲載したものであります。

(1)提案の内容

現行定款を以下のとおり変更する。なお、本定時株主総会における他の議案(会社提案にかかる議案を含む。)の可決または否決により、本議案として記載した条文に形式的な調整(条文番号のずれの修正を含むが、これらに限られない。)が必要となる場合には、本議案に係る条文を、必要な調整を行った後の条文に読み替えるものとする。

(2)提案理由

・当社の過去4年における連結配当性向が10%台という極めて低い水準にとどまる一方で、同期間における設備投資額はほぼ減価償却額と同水準となっています。またM&Aも過去10年以上実績がありません。その結果、当社の自己資本比率は10年前の45%から直近では65%を超える水準まで上昇しています。

・当社は、M&Aを含む将来の成長投資の可能性を理由に低水準の配当性向を維持していますが、意図したような成長投資案件がない場合には株主還元に振り向けるなど、柔軟なキャッシュアロケーションを行うべきと考えられます。

・当社は、株主が配当政策に関する上述のような意思表示を株主総会で行う権利を認めておりません。取締役会で配当額を決めることは可能ですが、株主も配当に関する株主提案を可能とし、どちらが望ましいかを株主が総会で決定できる様にすべきと考えます。

◆本株主提案についての取締役会の意見

取締役会としては、第4号議案に反対いたします。

本株主提案は、剰余金の配当等について株主様からの提案がある場合には株主総会の決議によって定めることができるよう定款の変更を求めるものですが、当社剰余金の配当等に関しましては、持続的な成長、中長期的な企業価値及び株主共同の利益の向上の観点から、総合的なキャッシュアロケーションを考慮した上で配当額を機動的に決定できるようにするため、取締役の任期を1年とした上で、株主総会ではなく取締役会の決議により行えるようにしております。

当社グループは、既存のホームセンター市場のみならず、資材・建材、園芸・農業資材市場もターゲットとして、これら遅れた分野の流通近代化を実現していくことが、企業価値の向上、株主利益の増大に寄与するものと考えております。これらの市場は流通構造が多段階で社会的コストが非常に高く、お困りのお客様が非常に大勢いらっしゃいます。敢えて、この難しい分野に挑戦し、世の中にご利益を提供するべく、中長期的な視点で取り組んでおります。

そのためのインフラ構築に必要な資金需要に対応していくため、内部留保資金を、中長的な視点で、3,000店舗構想に基づく新規出店、既存店舗の改装、更なるPB商品開発とグローバルサプライチェーン構築を含む物流センターの新設・増強に向けた投資、リフォーム事業・Eコマース事業の拡大に伴うシステム環境の整備、人材育成のための教育環境の整備、お客様の利便性向上と従業員の業務生産性向上の両立を目的とするDX推進のための投資等、経営基盤強化のための成長投資に活用し、更なる成長と中長期的な企業価値の向上を図ることが重要となります。

株主還元につきましては、経営基盤や財務体質の強化を図りつつ、安定的・継続的に向上することを基本方針としております。一時的かつ短期的な利益のみならず、株主の皆さまの中長期的な利益も考慮したうえで決定しております。

当社グループを取り巻く環境の変化や事業特異性等を勘案し、中長期的な視点で機動的・弾力的な資本政策及び配当政策を行うことが合理的であると考えております。

上記の基本方針に従い、配当及び自己株式取得等の資本政策に係る事項は、当社グループの企業理念である『コメリのねがい』

世の中の人々の幸せのために  この仕事がありますように

ここに集う人々の幸せのために  この仕事がありますように

この企業に縁ある人々の幸せのために  この仕事がありますように

の実現に向けた価値創造を強化し、持続的な成長、中長期的な企業価値及び株主共同の利益の向上に資するよう経営方針と一体で決定すべきと判断しており、当社の剰余金の配当等の決定機関につきましては、会社法第459条第1項及び第460条の規定により取締役会としております。

これに対し、本株主提案は、当社グループの置かれている経営環境や事業特異性等が考慮されていない短期的な視点での提案であり、今後の当社グループの事業運営や資本政策の柔軟性や機動性が損なわれ、株主の皆さまにとってメリットがないと考えます。

以上から当社取締役会は、 本株主提案に反対 いたします。

トップへ戻る