第6号議案 取締役に対する業績連動型株式報酬制度改定の件
1.提案の理由
当社は、2018年3月27日開催の第8回定時株主総会において、取締役(社外取締役を除きます。以下、本議案において同じです。)を対象とした業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」といいます。)を導入し、以降も3事業年度を単位として継続していくことにつきご承認いただき、その後、2021年3月23日開催の第11回定時株主総会において、本制度の継続について改めてご承認をいただいて現在に至っております。本議案は、急速に変化する事業環境に対応して、取締役の役割・責務が増大していることや更なるコーポレートガバナンス強化のため、優秀な人材を確保するに相応しい報酬水準を維持する必要性等を踏まえ、3事業年度ごとの上限拠出額及び1事業年度当たりに付与するポイント数(株式数)の上限を改定することについて、ご承認をお願いするものです。
本議案は、「第5号議案 取締役の金銭報酬に係る報酬額改定の件」としてご承認をお願いする取締役の金銭報酬に係る報酬額(年額350百万円以内、うち社外取締役分は年額50百万円以内。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含みません。)とは別枠として、株式報酬を当社の取締役に対して支給するため、報酬等の額及びその内容の改定についてのご承認をお願いするものです。なお、改定後の本制度の詳細につきましては、下記3.の枠内(上記3事業年度ごとの上限拠出額及び1事業年度当たりに付与するポイント数(株式数)の上限の点を除き、2021年3月23日開催の第11回定時株主総会でご承認いただいた内容から実質的に変更はございません。)で、取締役会にご一任いただきたいと存じます。
また、現時点において、本制度の対象となる取締役は5名ですが、第3号議案が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役は5名となります。
なお、2021年12月末日で終了する事業年度以降については、当社は、取締役のほか、取締役を兼務しない執行役員も本制度の対象としております。
2.本制度の改定を相当とする理由
本制度は、取締役の報酬と当社の業績との連動性をより一層高めると同時に、株式価値との連動性を明確にし、取締役が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としています。また、当社は2021年1月27日開催の取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を定めており、その概要は事業報告42ページに記載のとおりでありますが、改定後の本制度は当該方針に沿うものであり、本議案をご承認いただいた場合にも、当該方針を変更することは予定しておりません。
加えて、本改定は、改定後の上限拠出額及び1事業年度当たりに付与するポイント数(株式数)の上限も、当社の市場株価の推移、現行の役員報酬の支給水準、取締役の員数の動向と今後の見込み等を総合的に考慮して決定したものであり、相当であるものと判断しております。
なお、本議案につきましては、過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬委員会の審議を経ております。
以上のことから、本議案の内容は相当であるものと考えております。
3.改定後の本制度に係る報酬等の額及び具体的な内容
(1)本制度の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託(以下、本制度に基づき設定される信託を「本信託」といいます。)を通じて取得され、取締役に対して、当社が定める「役員株式給付規程」に従って、役位、業績達成度等に応じて当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下「当社株式等」といいます。)が本信託を通じて給付される業績連動型株式報酬制度です。なお、取締役が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役及び執行役員の退任時となります。
(4)本信託による当社株式の取得方法及び取得株式数
本信託による当社株式の取得は、上記(3)により拠出された資金を原資として、取引市場を通じて又は当社の自己株式処分を引き受ける方法によりこれを実施することとし、新株発行は行いません。
なお、ご参考として、本議案の本株主総会への上程を当社の取締役会が決議した日の前日である2022年2月15日の当社株価の終値(1株当たり2,884円)での取得を前提とした場合、当社が各対象期間に取締役への給付を行うための株式の取得資金として拠出する資金の上限額200百万円を原資に取得する株式数は、最大で69,300株となり、その発行済株式総数(2021年12月31日現在。自己株式控除後)に対する割合は約0.2%となります。
(5)取締役に給付される当社株式等の数の上限
取締役には、各事業年度に関して、「役員株式給付規程」に基づき役位、業績達成度等を勘案して定まる数のポイントが付与されます。
今般、取締役に付与される1事業年度当たりのポイント数の上限を、60,000ポイントに改めることにいたします。当該上限は、当社の市場株価の推移、現行の役員報酬の支給水準、取締役の員数の動向と今後の見込み等を総合的に考慮して決定したものであり、相当であるものと判断しております。
なお、取締役に付与されるポイントは、下記(6)の当社株式等の給付に際し、1ポイント当たり当社普通株式1株に換算されます(ただし、本議案をご承認いただいた後において、当社株式について、株式分割、株式無償割当て又は株式併合等が行われた場合には、その比率等に応じて、ポイント数の上限及び付与済みのポイント数又は換算比率について合理的な調整を行います。)。
従って、取締役に付与される1事業年度当たりのポイント数の上限に相当する株式数は60,000株(ただし、上記の調整が行われることがあります。)であり、その発行済株式総数(2021年12月31日現在。自己株式控除後。)に対する割合は約0.2%です。
下記(6)の当社株式等の給付に当たり基準となる取締役のポイント数は、原則として、退任時までに当該取締役に付与されたポイント数とします(以下、このようにして算出されたポイントを、「確定ポイント数」といいます。)。
(6)当社株式等の給付
取締役が退任し、「役員株式給付規程」に定める受益者要件を満たした場合、当該取締役は、同規程に定める受益者確定手続を行うことにより、原則として「確定ポイント数」に応じた数の当社株式について、退任後に本信託から給付を受けます。ただし、「役員株式給付規程」に定める要件を満たす場合は、一定割合について、当社株式の給付に代えて、当社株式の時価相当の金銭給付を受けます。なお、金銭給付を行うために、本信託により当社株式を売却する場合があります。
なお、ポイントの付与を受けた取締役であっても、在任中に一定の非違行為があったことに起因して退任した場合又は在任中に会社に損害が及ぶような不適切行為等があった場合は、給付を受ける権利を取得できない場合があります。
(7)議決権行使
本信託勘定内の当社株式に係る議決権は、信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないこととします。これにより、本信託勘定内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しています。
(8)配当の取扱い
本信託勘定内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。なお、本信託が終了する場合において、本信託内に残存する配当金等は、「役員株式給付規程」の定めに従って、その時点で在任する取締役に対して、各々が保有するポイント数に応じて、按分して給付されることになります。
(9)信託終了時の取扱い
本信託の信託期間について、特定の終了日は定めず、本信託は、本制度が継続する限り継続し、当社株式の上場廃止、役員株式給付規程の廃止等の事由が発生した場合に終了します。
本信託終了時における本信託の残余財産のうち、当社株式については、全て当社が無償で取得した上で、取締役会決議により消却することを予定しています。本信託終了時における本信託の残余財産のうち、金銭については、上記(8)により按分給付される金銭を除いた残額が当社に給付されます。
(注)
2021年12月末日で終了する事業年度以降については、当社は、取締役のほか、取締役を兼務しない執行役員(以下、単に「執行役員」といいます。)も本制度の対象としております。従って、上記(3)に記載の「当社が本信託に拠出する金額」及び(4)に記載の「当社が取得する株式」は、実際には、執行役員分の金額及び株式が加算されます。また、上記(8)に記載の「本信託が終了する場合における本信託内に残存する配当金等」の取扱いにつきましても、その時点で在任する執行役員も対象に含めて行われることとなります。
(ご参考)本制度の仕組み
① 当社は、株主総会で承認を受けた枠組みの範囲内において、「役員株式給付規程」を制定します。
② 当社は、株主総会で承認を受けた範囲内で金銭を信託します。
③ 本信託は、②で信託された金銭を原資として当社株式を、取引市場を通じて又は当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得します。
④ 当社は、「役員株式給付規程」に基づき取締役にポイントを付与します。
⑤ 本信託は、当社から独立した信託管理人の指図に従い、本信託勘定内の当社株式に係る議決権を行使しないこととします。
⑥ 本信託は、取締役を退任した者のうち「役員株式給付規程」に定める受益者要件を満たした者(以下「受益者」といいます。)に対して、当該受益者に付与されたポイント数に応じた当社株式を給付します。ただし、取締役が「役員株式給付規程」に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。
ご説明 取締役の報酬見直しの背景について(第5号議案及び第6号議案)
当社の取締役の報酬等につきましては、2011年3月31日付の臨時株主総会で金銭報酬の上限額をご承認いただき、また、2018年3月に、退職慰労金制度を廃止するとともに、業績連動型株式報酬制度を導入して報酬体系の整備を進め、現在に至っております。一方で、外部調査機関によれば、取締役の役割・責任がますます増大する中、競合他社においても報酬体系の見直しと同時に、報酬水準を高める動きが加速してきており、当社において、報酬水準の競争力強化が非常に重要な課題となってきました。
そこで、当社では、2019年以降、指名・報酬委員会(過半数を独立社外取締役で構成しております。)において、取締役の報酬等のあり方について審議を行い、2021年に同委員会からの答申を受け、取締役会において以下の通り決議いたしました。
- ・中長期的な業績向上と企業価値の増大への十分なインセンティブとなる
- ・多様で優秀な人材を獲得できる競争力を有する
- ・株主をはじめとするステークホルダーとの利害の共有を図る
<第5号議案及び第6号議案における報酬等の改定の概要>