第6号議案 株主提案 取締役(監査等委員である者を除く。)1名選任の件

本議案は、株主様からご提案いただいたものであり、原文をそのまま記載しております。


当社の取締役会としては、第6号議案に反対いたします。

第6号議案に対する反対の理由は83頁以下に記載しています。

(1)提案の内容(議案の要領)

取締役候補者は次のとおりです。


【氏名】 渥美 陽子(あつみ ようこ)

【生年月日】1984年3月12日

【略歴および他の会社の代表状況】

2009年12月  弁護士登録

2010年  1月  西村あさひ法律事務所 入所

2011年12月  J.P.モルガン証券株式会社法務部 出向

2014年  6月  法律事務所ヒロナカ 入所

2017年10月  あつみ法律事務所開設 代表弁護士

2019年  6月  株式会社廣済堂 社外取締役

2019年  9月  株式会社キッズライン 社外監査役(現任)

2020年12月  渥美坂井法律事務所弁護士法人麹町オフィス 代表弁護士

2021年  6月  大豊建設株式会社 社外取締役(現任)

2023年  1月  あつみ法律事務所 代表弁護士(現任)

【重要な兼職の状況】

あつみ法律事務所 代表弁護士

株式会社キッズライン 社外監査役

大豊建設株式会社 社外取締役

【所有する当社株式数】

0株

(注)

1.候補者と当社との間には、特別の利害関係はありません。

2.候補者は、社外取締役候補者であります。

(2)提案の理由

前記本議題及び(1)記載の議案(以下「本議案」といいます。)を提案した株主(以下「提案株主」といいます。)は、当社の企業規模や当社が現状評価されているバリュエーション(PER約3倍から6倍)と再生エネルギー事業の業界バリュエーション(PER約25倍)との比較から、当社の再生エネルギー事業子会社については上場させて、他人資本を調達・活用し、スケールする必要があることを訴えてきました。提案株主は、当社の株価が継続的にPBR1倍を超えていくには、本来あるべき価値で評価されていない当社の再生エネルギー事業子会社については上場企業として株主価値の最大化を目指すことが、当社にとってもより高い株主価値向上につながるものと考えており、これについては当社取締役会において真摯に議論されるべきであると当社取締役会に提案してきました。

再生エネルギー事業子会社の上場については、当社と一定の資本関係を残すのか、残すとすればどの程度残すのか、資本関係の異動にスピンオフ税制を用いるのかといった資本関係上の課題、経営資源・人材・ノウハウなどの事業上の関係を残すのか、残すとすればどのようなものを残すのかといった事業上の課題、いつ上場をするのかという実施タイミングについての課題など様々な検討課題があると考えており、提案株主は特定の手法にこだわるものではありません。当社取締役会は、当社の企業価値・株主価値向上に最も資する選択は何かという観点から、再生エネルギー事業子会社の上場について真摯に議論を行い、その結果を公表すべきであると考えております。

しかしながら、当社は、2023年3月23日に公表した第7次連結中期経営計画の中で示された「再生エネルギー事業をバリューチェーン全体で成長させていくことこそが当社の企業価値最大化につながる」という考え方に固執し、再生エネルギー事業子会社の上場について取締役会で真摯に議論する姿勢を見せようとしません。

そこで、提案株主は、「再生エネルギー事業子会社の上場について当社取締役会で真摯に議論し、その議論の結果を公表すること」を公約とする旨を表明している弁護士の渥美陽子氏を取締役候補者とする本議案を提案する次第です。上記候補者が当社の社外取締役に選任されることにより、再生エネルギー事業子会社の上場についての議論を含め、当社の企業価値・株主価値向上を実現するための真摯な議論が当社取締役会で行われることを期待しています。

加えて、候補者は、コーポレートガバナンスに関する高い知見と経験を有しており、また、弁護士としての専門的見地から、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するために必要となる助言を行うことができ、当社の企業価値・株主価値の向上ひいてはすべてのステークホルダーの利益向上に貢献していただけるものと判断いたします。

第6号議案に対する取締役会の意見


当社取締役会は、上記第6号議案の株主提案(以下「本株主提案」といいます。)に反対いたします。


(1)はじめに

当社は、取締役会の諮問機関として、取締役の候補者及び報酬の決定プロセスに関する透明性と客観性を確保することを目的として、過半数が独立社外取締役により構成される指名・報酬委員会を設置しております。取締役候補者の選定については、指名・報酬委員会からの助言・提言を踏まえ、取締役会において決定しており、本定時株主総会に上程する取締役候補者についても、指名・報酬委員会において2022年5月から2023年2月までの約9か月に亘り、当社の取締役会の構成及び必要人材について検討を重ねるなど、慎重な決定プロセスを踏んでおります。このように、指名・報酬委員会は、相当な時間をかけて社内・社外取締役候補者について候補者選定を行っており、下記(2)のとおり、当社が提案する取締役会は、規模、スキルセット及び多様性を含めた構成、バランスの観点からも適切であると考えておりますが、本株主提案がなされたため、渥美陽子氏(以下「渥美氏」といいます。)を当社取締役として選任することが適切であるか否かについて、指名・報酬委員会及び取締役会で検討いたしました。

(2)当社が提案する取締役候補者が当社の企業価値向上の観点から適切な選択肢であること


当社が本定時株主総会において提案する取締役(監査等委員である取締役を除く。)候補者は6名であり、ボードサクセッションプランに基づいて、人材要件を満たすことの検証を始め、目標設定や役員トレーニングに加え、取締役候補者のスキル・経験・多面評価を鑑みるなど、慎重かつ客観的なプロセスを経て決定いたしました。当委員会は、当該候補者6名が高い倫理観を有していることはもちろん、いずれの取締役候補者も必要な判断力・専門性・知識を有しております。また、独立社外取締役2名を含む当該候補者6名は、いずれも当社事業に精通しており、それぞれ当社スキルマトリックス上の石油事業(Oil)、石油以外(New)(再生可能エネルギー/新規事業)、サステナビリティ(ESG)、財務/会計/税務、法務/コンプライアンス/リスク管理等のスキルを持ち、専門性を有しております。

また、社外取締役を新たに候補者とする場合、当委員会では候補者と複数回の面談を持ち、当社の求めるスキルと候補者の保有するスキルの内容を考慮することに加えて、候補者に必要とされる可変的要件や不変的要件、独立性要件も見極めた上で客観的に評価することとしております。


当社は、渥美氏が有するスキルの確認及び客観的評価をするために、渥美氏に対し面談を実施することを2023年4月24日付書簡にて要請したものの、同月25日付にて「希望する株主も傍聴できる形で意見交換を行うという形式」でなければ応じないとして面談を断られました。その後、同月26日付書簡にて意見交換ではなく当委員会による社外取締役候補者としての適格性判断の場であり不特定多数の株主による傍聴に相応しい内容ではないと説明の上、再度面談を要請したものの、同月27日付書簡においてこれも断られたことから、やむを得ず、書面を通じた質疑応答を実施いたしました。


当社は、書面による質疑応答にて、渥美氏が有するスキルを具体的に説明するよう求めましたが、渥美氏からは、「法律事務所勤務時に再生可能エネルギーに関するストラクチャードファイナンスの業務に関与しておりましたので、再生可能エネルギーに関する多少の知見を有しております」と回答があったのみであり、十分な回答を得ることはできませんでした。そのため、当社として、渥美氏が有するスキルを詳細に確認することができず、渥美氏が当社の適正な取締役候補者であるかについて判断をすることは困難でした。当社としては、本株主提案に記載された渥美氏の経歴及び渥美氏が現在所属するあつみ法律事務所が公表する渥美氏の経歴から、渥美氏が有するスキルは「法務/コンプライアンス」であると推察しており、渥美氏が、当該分野におけるスキルを当社取締役会で発揮することは一定程度期待できると考えているものの、当社が提案する取締役候補者には、「法務/コンプライアンス」の知識・経験を有する候補者が既に複数名おり、うち1名は渥美氏と同様に弁護士であります。


また、渥美氏が取締役となった場合、当社取締役会における女性比率が更に向上し、加えて、渥美氏に近い年齢の者がいないため、年齢の多様性がもたらされます。しかし、当社が提案する取締役(監査等委員である取締役を除く。)候補者及び監査等委員である取締役が選任された場合、本定時株主総会前と同様に当社の取締役9名のうち3名が女性(女性比率33.3%)となり、渥美氏を当社取締役に選任しなくとも、既に一定程度のジェンダーバランスは取れております。


さらに、監査等委員である取締役については、当社が提案する2名が選任されると、本定時株主総会後も任期継続する1名を含む3名で構成されることになりますが、そのうち2名は独立役員である社外取締役(独立社外取締役)であり、当社の業務執行を監督するのに十分な体制となっております。また、現在と同様、取締役全体(9名)における独立社外取締役の数は4名となり、取締役の総数に占める独立社外取締役の割合は3分の1以上(約44%)となり、コーポレートガバナンス・コードに沿ったガバナンス体制を備えることになります。なお、本定時株主総会後も任期継続する1名の監査等委員である取締役は、当社グループの再生可能エネルギー会社の社長を務めた経験を有し、その専門性や知見はこれまでの取締役会において十分発揮しております。


他方で、東京証券取引所が公表する「上場管理等に関するガイドライン」において、一般の株主と利益相反の生じるおそれがある者は独立役員として認められておらず、その観点から、当社においては、「当社と利益相反関係が生じ得る特段の事由が存在すると認められる者」については社外取締役としての独立性を認めておりません(当社の独立社外取締役の独立性判断基準第(10)項)。下記(4)のとおり、渥美氏は村上氏らと密接な関係があることを踏まえると、渥美氏には、当社と利益相反関係が生じ得る特段の事由が存在すると認められ、独立性は認められません。渥美氏が取締役となった場合、独立性のない取締役を含めた社外取締役比率は50%(10名中5名)となるものの割合が、独立性の有る社外取締役比率は低下(10名中4名)することとなります。さらに、今後プライム上場企業に求められる独立社外取締役の割合の水準について更なる引き上げがなされる可能性も十分にあるとの認識の下、当社の取締役の総数に占める独立社外取締役の割合が低下することは望ましくありません。


以上のとおり、当社が提案する取締役会は、規模、スキルセット及び多様性を含めた構成、バランスの観点からも適切であり、かつ、コーポレートガバナンス・コードに沿ったガバナンス体制も備えたものであるため、当社の企業価値の持続的な向上すなわち株主の皆様の利益の観点から適切なものであると考えております。他方、渥美氏の有すると推察されるスキルや多様性は現在の当社取締役会に必要なものではなく、むしろ、渥美氏が当社の取締役となると、独立性が認められない社外取締役が増えることとなるため望ましくないと考えております。


なお、当社が提案する取締役候補者のスキルマトリックスについては15頁をご参照ください。

(3)本株主提案は当社の企業価値向上に資さないこと


一方で、本株主提案における社外取締役候補者である渥美氏は、書面を通じた質疑応答において、当社グループの属する業界及び当社グループの現状及び課題、並びに、これらを踏まえ当社が採るべき方針について具体的な回答を示しておりません。

また、渥美氏は、「再生エネルギー事業子会社の上場について当社取締役会で真摯に議論し、その議論の結果を公表すること」を公約とする旨を表明していることから、当社は、この点について渥美氏と建設的な対話を実施すべく、書面において、渥美氏に対し、渥美氏が当社の再生可能エネルギー事業子会社の上場について議論すべきとの問題意識を持つに至った背景及び理由、現時点で再生可能エネルギー事業子会社の上場がどのように当社の企業価値向上に繋がると考えているのか、再生可能エネルギー事業をスピンオフした場合に、当社グループ全体として、どのように第7次連結中期経営計画で掲げているカーボンネットゼロを達成していくつもりであるのか等について質問いたしました。しかしながら、渥美氏は、これら質問に対し具体的な回答をすることなく、再生可能エネルギー事業のスピンオフについて取締役会で十分な議論をすべきであるとの趣旨の回答をするのみであり、このような書面における回答内容に照らすと、渥美氏が再生エネルギー事業子会社の上場について具体策を有しているか判断できず、再生可能エネルギーの在り方も含めて十分な検討を経た上で決議・発表された、当社の第7次連結中期経営計画の内容を理解しているかについても判断できません。


以上のとおり、当社は、渥美氏は当社グループの属する業界及び当社グループの現状について十分な知識がなく、再生可能エネルギー事業のスピンオフについて取締役会で十分な議論をすべきであるとの趣旨を主張するのみで具体策を有していないと思われること、並びに、当社の指名・報酬委員会との面談を拒否する姿勢にも照らすと、当社の取締役と渥美氏との間で具体的かつ建設的な議論を行うことは期待できないと判断いたしました。

(4)渥美氏は村上世彰氏や株式会社シティインデックスイレブンスとの間に密接な関係があり、利益相反のおそれがあること


また、渥美氏と村上世彰氏(以下「村上氏」といいます。)、その他村上氏が直接又は間接に関連する法人及び団体(総称して、以下「村上氏ら」といいます。)との間の関係性は別紙のとおりであります。渥美氏が指名・報酬委員会からの書面による質疑応答に対して真摯な回答がなされかったため、当社として渥美氏と村上氏の独立性があることの確認が取れず、他方で、公表されている範囲においても、渥美氏と村上氏らの間には渥美氏が村上氏らの代理人を務める等、複数の取引が存在すること、村上氏らが大株主となっている複数の会社で渥美氏が社外取締役に就任しており、村上氏の関与があると合理的に推認できること等から、渥美氏が村上氏らと密接な関係にあることは否定できないと考えております。

これまでの株式会社シティインデックスイレブンス(以下「シティインデックスイレブンス」といいます。)の一貫性のない言動、自己株買いへの拘り、シティインデックスイレブンスらが過去に投資先による大規模な自己株買いに応ずることで多大なタックスメリットを享受する形で転売益を得てきたこと、本株主提案に至るシティインデックスイレブンスによる一連の開示情報などを踏まえれば、シティインデックスイレブンスは、短期的な目先の利益の追及や高値での当社株式売却を目的としているのではないかとも推認されます。また、渥美氏は、書面による質疑応答によりなされた回答において、「貴社が外部アドバイザーの法律事務所及びPR会社にお支払いになった報酬の金額を開示されてはいかがかと存じます」と、シティインデックスイレブンスから当社に対する2023年1月23日付書簡等においてシティインデックスイレブンスら及び村上氏が日頃要求している事項を要求する等、シティインデックスイレブンスら及び村上氏の代弁者のような動きも見せております。このような状況下において、上記のとおり本株主提案における社外取締役候補者である渥美氏の言動には具体的方法論や施策が伴っていないこと、渥美氏が村上氏らと密接な関係があること、また、他社事例においては、渥美氏が他社の社外取締役に選任された約9か月後にタックスメリットを享受する形でのシティインデックスイレブンスのExitを伴う大規模なプレミアム付きの自社株公開買付け及び第三者割当増資の実行を決議していることも踏まえると、一般株主の利益の観点から適格性に疑義がないとは判断できないと考えられます。

(5)結論


以上の事情も踏まえ、当社は、(i)当社が提案する取締役会体制が当社の企業価値及び株主価値の向上並びにガバナンスの観点から適切な体制であると考えられること、(ii)渥美氏には当社グループ事業への理解も窺われず、「再生可能エネルギー事業子会社の上場について取締役会で議論すべきである」という点を主張するのみで、指名・報酬委員会との面談を断った姿勢にも照らすと、当社グループ事業について、当社取締役と具体的かつ建設的な議論をすることが期待できず、当社の企業価値向上に資するとは考えられないこと、さらには(iii)渥美氏が当社の中長期的な企業価値や一般株主の利益を犠牲にして、村上氏らの個人的利益を図る可能性も否定できないことから、渥美氏を当社取締役として選任することは適切ではないと考えております。

したがいまして、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

(別紙)渥美氏と村上氏らとの関係


1 村上氏らとの間の取引

下記2及び5のとおり、公表されている範囲においても渥美氏と村上氏らの間には複数の取引が存在することから、書面を通じた質疑応答により、渥美氏と村上氏らの間に独立性が認められるかについて確認するため、渥美氏と村上氏らとの間の過去5年間における年間取引額が年間1,000万円を超えていたかにつき質問いたしましたが、渥美氏からは、守秘義務を理由に明確な回答は得られませんでした。そのため、渥美氏が、当社が定める独立社外取締役の独立性判断基準でいう、過去5年間において年間1,000万円を超える金銭を得ている弁護士(当社の独立社外取締役の独立性判断基準第(5)項及び(9)項ご参照)に該当しないこと、即ち、渥美氏に村上氏らからの独立性が存在するかについて確認することはできませんでした。

また、書面を通じた質疑応答により、渥美氏が現在所属するあつみ法律事務所の売上総額において村上氏らとの取引額が占める割合につき質問いたしましたが、渥美氏からは、守秘義務を理由に明確な回答は得られませんでした。そのため、渥美氏が、当社が定める独立社外取締役の独立性判断基準でいう、主要な取引先(当社の独立社外取締役の独立性判断基準第(3)項ア.ご参照)に該当しないこと、即ち、渥美氏に村上氏らからの独立性が存在するかについて確認することはできませんでした。

さらに、書面を通じた質疑応答により、渥美氏とシティインデックスイレブンスとの間で顧問契約が締結されているかにつき質問いたしましたが、渥美氏からは、守秘義務を理由に明確な回答は得られませんでした。

以上のとおり、公表されている範囲においても渥美氏と村上氏らの間には取引が複数存在することから、書面を通じた質疑応答により、渥美氏と村上氏らの間に独立性が認められるかについて確認するため、渥美氏に質問いたしましたが、回答を得ることができませんでした。そのため、渥美氏の、当社の大株主である村上氏らからの独立性については確認ができませんでした。


2 村上氏らの代理人としての活動

報道によれば、渥美氏は、2015年に村上氏に相場操作の嫌疑がかかった際に村上氏の代理人を務めております。

また、渥美氏は、2021年4月のシティインデックスイレブンスによる日本アジアグループ株式会社への新株予約権無償割当差止仮処分命令申立事件において、シティインデックスイレブンス側の代理人弁護士を務めております。


3 一般財団法人村上財団との関係

渥美氏は、一般財団法人村上財団(以下「村上財団」といいます。)の理事を務めております。書面を通じた質疑応答によれば、渥美氏が村上財団から理事として受領した報酬等はないとのことでしたが、渥美氏が村上財団の理事を務めている経緯については、質問したものの明確な回答は得られませんでした。また、渥美氏はこれまでに村上財団に対し10万円を寄附しているとのことです。渥美氏からの寄附が村上財団の総収入に占める割合につき質問いたしましたが、渥美氏からは、明確な回答を得られませんでした。


4 大豊建設株式会社の社外取締役への就任

渥美氏は、シティインデックスイレブンスらが大豊建設株式会社(以下「大豊建設」といいます。)の大株主であった時に、大豊建設の社外取締役に就任しております。書面を通じた質疑応答により、渥美氏が大豊建設の社外取締役に就任した経緯につき質問いたしましたが、渥美氏からは、守秘義務を理由に明確な回答は得られませんでした。もっとも、渥美氏が大豊建設の社外取締役に就任したのは、シティインデックスイレブンスが大豊建設の大株主であった時期であること及び渥美氏と村上氏の関係性を考慮すると、渥美氏の社外取締役への就任に村上氏が一切関与していないとは考え難く、渥美氏は、村上氏の関与の下で大豊建設の社外取締役に就任したと推認されます。また、渥美氏が大豊建設の社外取締役に就任してから約9か月後に、大豊建設はタックスメリットを享受する形でのシティインデックスイレブンスのExitを伴う、大規模なプレミアム付き自社株公開買付け及び第三者割当増資の実行を決議しております。


5 廣済堂株式会社の社外取締役への就任

渥美氏は、村上氏の影響下にある株式会社レノ及び株式会社南青山不動産が廣済堂株式会社(以下「廣済堂」といいます。)の大株主であった時に、廣済堂の社外取締役に就任しております。書面を通じた質疑応答において、渥美氏が廣済堂の社外取締役に就任した経緯につき質問いたしましたが、渥美氏からは、明確な回答は得られませんでした。もっとも、渥美氏が廣済堂の社外取締役に就任したのは村上氏の影響下にある株式会社レノ及び株式会社南青山不動産が廣済堂の大株主であった時期であること及び渥美氏と村上氏の関係性を考慮すると、渥美氏の社外取締役への就任に村上氏が一切関与していないとは考え難く、渥美氏は、村上氏の関与の下で廣済堂の社外取締役に就任したと推認されます。

(参考)独立取締役の独立性判断基準


当社は、当社の社外取締役が以下の基準項目のいずれにも該当しない場合は、当該社外取締役が十分な独立性を有していると判断し、独立社外取締役とみなします。


(1)  当社グループの業務執行者(注1)

(2)  当社の大株主(直接・間接に10%以上の議決権を保有する者)(注2)またはその業務執行者

(3)  次のいずれかに該当する企業等の業務執行者

ア.当社グループの主要な取引先(注3)

イ.当社グループの主要な借入先(注4)

(4)  当社グループの会計監査人である監査法人に所属する公認会計士

(5)  当社グループから年間1千万円を超える金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計士、税理士、弁護士、司法書士、弁理士

(6)  当社グループから年間1千万円を超える寄付を受けている者

(7)  社外取締役の相互就任・派遣関係となる会社の者

(8)  近親者が上記(1)から(7)までのいずれか((4)及び(5)を除き、重要な者に限る)に該当する者

(9)  過去5年間において、上記(2)から(8)までのいずれかに該当していた者

(10)前各項目の定めにかかわらず、その他、当社と利益相反関係が生じ得る特段の事由が存在すると認められる者


(注1)

当社グループとは当社の連結決算対象会社となっている企業をいい、業務執行者とは現在または過去に当該株式会社、子会社の業務執行取締役、執行役または支配人その他の使用人である者をいいます。

(注2)

大株主とは、当社事業年度末において、自己又は他人の名義をもって議決権ベースで10%以上を保有する株主をいいます。

(注3)

主要な取引先とは、当社グループの製品等の販売先または仕入先であって、その年間取引金額が当社の連結売上高または相手方の連結売上高の2%を超えるものをいいます。

(注4)

主要な借入先とは、当社グループが借入れを行っている金融機関であって、その借入金残高が当社事業年度末において当社の連結総資産または当該金融機関の連結総資産の2%を超える金融機関をいいます。

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