第6号議案 取締役(業務執行取締役に限る。)に対する業績連動型譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件
1.提案の概要
本議案は、当社の取締役(業務執行取締役に限ります。)に対する新たなインセンティブ制度として、業績目標の達成度に応じて算出される数の譲渡制限付株式を交付する業績連動型譲渡制限付株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット。以下「本制度」といいます。)を導入することについて、ご承認をお願いするものであります。
当社の取締役の金銭報酬の額については、2014年6月30日付臨時株主総会において、年額400百万円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含みません。)、とご承認をいただいておりますが、本制度による報酬は、かかる金銭報酬枠とは別枠といたします。
また、2017年9月28日開催の第12回定時株主総会では、上記金銭報酬枠とは別枠で、譲渡制限付株式報酬制度の導入につき、取締役(社外取締役を除きます。)に対し年額100百万円以内とご承認をいただいておりますが(同報酬制度を以下「旧制度」といいます。)、本議案を原案のとおりご承認いただいた場合には、旧制度は廃止し、今後は旧制度に基づく株式交付及びそのための金銭報酬債権の付与を行わないものとします。
本制度は、原則として中期経営計画と同一の期間を対象期間(当初は、2021年7月1日に開始する事業年度から2025年7月1日に開始する事業年度までの5事業年度)とし、対象期間における業績目標の達成度により決定される数の譲渡制限付株式を対象期間終了後に、当社の取締役(業務執行取締役に限ります。以下「対象取締役」といいます。)に対して交付するという制度です。具体的には、上記のとおり決定される数の当社普通株式を交付するため、対象期間終了後に、対象取締役に対して金銭報酬債権を付与し、当社による普通株式の発行または自己株式の処分に際して当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、対象取締役に当社の普通株式を交付し、かつ、譲渡制限の解除日まで当該株式を譲渡しないことを対象取締役と当社との間で合意することによって譲渡制限を付します。なお、譲渡制限の解除日は原則として取締役の退任日とします。
本制度に基づく対象取締役に対する金銭報酬債権の付与及び普通株式の交付は、対象期間の終了直後の事業年度に行うものとし(具体的な時期については、取締役会の諮問機関として設置している指名報酬委員会の答申を最大限尊重して、取締役会において決定するものとします。)、その金銭報酬債権の総額は各対象期間の年数に160百万円を乗じた額以内、普通株式の総数は各対象期間の年数に160千株を乗じた数以内といたします。したがいまして、当初の対象期間(5年)については、それぞれ800百万円、800千株が上限となります。ただし、かかる普通株式の総数上限については、本議案の承認決議の日以降に当社の普通株式の株式分割(当社普通株式の株式無償割当を含みます。)または株式併合等が行われた場合には当該分割比率・併合の比率等に応じて調整されるものとします。
当社は、2021年8月10日付取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を定めております。本制度の導入目的は下記に記載のとおりであり、本制度は当該方針に沿っているため、本議案の内容は相当なものであると判断しております。
なお、第3号議案「取締役9名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、対象取締役は4名となります。
2.本制度の導入目的
当社は2021年8月10日付で新中期経営計画『Evolution 2026』にて、当社グループのパーパス・ビジョン実現に向けた中長期戦略を公表しております。本制度は、対象取締役の報酬と当社の中長期の業績及び当社の株式価値との連動性を明確化することにより、対象取締役に新中期経営計画に掲げた業績目標の達成と企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、対象取締役と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、導入するものです。
3.本制度の詳細について
(1) 交付株式数
上記1.提案の概要のとおり、本制度に基づき対象取締役に交付する株式数は、対象期間(原則として、中期経営計画期間)における業績目標の達成度に応じて変動します。その株式数の総数上限は上記のとおりですが、当初の対象期間については、下記の算定方法により算定される数(ただし、対象期間における対象取締役の在任期間によって、交付株式数を合理的に調整することがあります。)を、各対象取締役に交付する数とすることを予定しています。
<交付株式数の算定方法>
交付株式数 = (Ⅰ)連結当期利益連動株式数 + (Ⅱ)連結ROE連動株式数
なお、下記のとおり、連結当期利益連動株式数と連結ROE連動株式数の比率は8:2とします。
(Ⅰ) 連結当期利益連動株式数
基礎報酬(※1) × 0.8 × 業績支給率(Ⅰ)(※2) ÷ 株式割当株価(※3)
(※1)基礎報酬は別途取締役会で定めます。
(※2)業績支給率(Ⅰ)は中期経営計画の連結当期利益(非支配持分控除後の親会社の所有者に帰属する当期利益)の目標値の達成度に応じて0%~200%の範囲で変動します。
(※3)株式割当株価は株式の発行または自己株式の処分に係る各取締役会決議の日の前営業日の東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を踏まえて対象取締役に特に有利とならない価格を取締役会にて決定します。
(Ⅱ) 連結ROE連動株式数
基礎報酬(※1) × 0.2 × 業績支給率(Ⅱ)(※4) ÷ 株式割当株価(※3)
(※4)業績支給率(Ⅱ)は中期経営計画の連結ROEの目標値を達成した場合には100%とし、未達の場合は0%とします。
(2) 金銭報酬債権の額
対象取締役に対して付与する金銭報酬債権の総額は上記1.に記載のとおりですが、当初の対象期間(2021年7月1日に開始する事業年度から2025年7月1日に開始する事業年度までの5事業年度)については、上記(1)のとおり決定される交付株式数に上記(1)(※3)記載の株式割当株価を乗じた金額をもって、各対象取締役に付与する金銭報酬債権の額とすることを予定しています。
(3) 譲渡制限
本制度による当社の普通株式の発行または自己株式の処分に当たっては、当社と対象取締役との間で、以下の内容を含む業績連動型譲渡制限付株式割当契約(以下「本割当契約」といいます。)を締結することによって譲渡制限を付するものとします。また、この譲渡制限の実効性を確保するため、本制度に基づき対象取締役に交付した株式は、譲渡制限期間中の譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができないよう、譲渡制限期間中は、当社が定める証券会社に対象取締役が開設する専用口座で管理される予定です。
①対象取締役は、退任までの間、本割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと
②対象取締役の在任期間中に、当社と当該取締役の委任契約等に反する重大な違反があったと取締役会が判断した場合等、一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること
③その他、当社取締役会において予め設定した譲渡制限に関する解除条件の内容等
ただし、対象期間終了後、最初に開催される定時株主総会の日までに任期満了その他正当な理由により対象取締役が取締役を退任した場合は、上記(1)のとおり決定される数の、譲渡制限が付されていない普通株式を交付します。
(4) その他
対象期間中に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約または株式移転計画その他これらに類する組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合には(ただし、当該組織再編等の効力発生日が本制度に基づく株式交付の日より前に到来することが予定されているときに限ります。)、本制度に基づく金銭報酬債権の付与及び株式の交付を行わないこととします。
また、本制度はいわゆるマルス制度として、対象期間中に取締役を退任した場合または一定の非違行為があった場合には、指名報酬委員会の答申を最大限尊重して、本制度に基づく金銭報酬債権の付与及び株式の交付を行わないこととします。
〔ご参考〕
本議案を原案のとおりご承認いただいた場合には、当社並びに当社子会社の取締役、執行役員及びその他中核人材に対しても、本制度と同様の業績連動型株式報酬を導入する予定です。