第4号議案 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する開示に係る定款変更の件

《株主提案(第4号議案から第7号議案まで)》

第4号議案から第7号議案までは、株主さま1名からご提案いただいたものです。なお、以下の議案の要領および提案の理由は、議案ごとに整理し、提案株主さまから提出されたものを原文のまま記載しております。

1.議案の要領

以下の条項を当社の定款に追加で規定する。


2.提案の理由

弊社は2023年3月31日に東京証券取引所がプライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象として要請している「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」(以下、「東証要請」といいます)の主旨に賛同しております。


当社においては、損益計算書上の項目開示に傾斜したIR資料にも明らかなように、経営者・取締役の株主資本コストや資本効率に関する意識が希薄と考えます。過去の実績を振り返ってもROEは過去5年間平均で5%台であり、株主が期待する資本コストをカバーできているとはいいがたい状態が継続しています。株価評価についても、過去5年間の株主総利回り(TSR)をみてもTOPIXや同業他社に大きく劣後している状況が継続しています。このような当社の現状を踏まえ、弊社は当社がプライム上場企業の中でも特に東証要請に真摯に向き合い、開示・取組みの実行を行う必要性が高い会社と考えます。

東証要請のフレームワークにのっとり、当社が自社の資本コストや資本収益性を的確に把握する事、その内容や市場評価に関して取締役会で現状を分析・評価する事、改善に向けた方針や目標・計画期間、具体的な取組みを取締役会で検討・策定する事、その内容について投資家に分かりやすく開示する事、計画に基づき資本コストや株価を意識した経営を推進する事、開示をベースとして、投資家との積極的な対話を実施する事、を求めます。

3.第4号議案に対する当社取締役会の意見

取締役会としては、本議案に反対いたします。


本株主提案は、東京証券取引所が2023年3月31日に要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の取組みを検討し、当該要請に基づく現状評価、方針・目標、取組み・実施時期をコーポレート・ガバナンス報告書及び当社のウェブサイトに開示する旨を定款の章及び条文に新設することを求めるものです。しかしながら、当社といたしましては、当該要請の開示に関して当社の経営戦略や経営環境といった柔軟性・流動性が高い内容を踏まえて都度決定するべき事項であり、会社を運営する上での根本規範を定める定款に、本議案のような規定を定めることは適切ではないと考えております。

当社は、「事業を通じて社会に貢献し、より多くの人々の健康な毎日を実現することを追求し続ける」ことを「創業の精神」に掲げ、『おいしさと健康』の理念に則って製品を開発してきました。2022年2月に創立100周年を迎え、新たに企業の存在意義(パーパス:すこやかな毎日、ゆたかな人生)及びありたい会社の姿(ビジョン:Glicoグループは人々の良質なくらしのため、高品質な素材を創意工夫することにより、「おいしさと健康」を価値として提供し続けます。)を定めました。

当社は現在、当社のパーパスである『すこやかな毎日、ゆたかな人生』の実現に向けた価値創造を強化するべく、事業戦略の3つの柱「1.おいしさと健康価値の提供」「2.お客様起点のバリューチェーンの実現」「3.注力領域への転換」を定めた中期経営計画(2022年度~2024年度)を遂行中であり、現中期経営計画期間において、ROE・PBRの継続的な改善のためにも、価値創造に注力し利益を継続的に成長させていく計画であります。

なお当社は、例えば投資判断に際しては、投資委員会が、資本コストを上回るリターンが得られることを確認するなど、資本コストや株価を意識した経営を進めておりますが、一方で、短期的な株価のみを意識するのではなく、株主をはじめとする様々なステークホルダーへの貢献を重視し、中長期的な企業価値の向上及び株主共同の利益に資する経営を目指しております。

以上から当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

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