第5号議案 自己株式取得の件
(1)議案の要領
会社法第156条第1項の規定に基づき、本定時株主総会終結の時から1年以内に、当社普通株式を、株式総数2,281,000株、取得価額の総額金5,702,500,000円を限度として、金銭の交付をもって取得することとする。
(2)提案の理由
当社は2022年12月19日付取締役会決議をもって、取得期間を2022年12月20日、取得株式数上限950,000株、取得金額上限2,184,050,000円とする自己株式取得を決議し、これに基づき2022年12月20日に、819,800株の自己株式を取得金額 1,884,720,200円で取得しており、当社が株主還元の拡充及び資本効率の向上に向けた対策を実施している点は一定の評価が出来るものです。2022年12月20日以降 の当社の株価は緩やかな上昇傾向にあるものの、市場は当社の対策がまだ不十分であると評価しているものと言えます。そこで、更なる当社の株主還元の拡充及び資本効率の向上を図るため、当社が発行済株式総数(自己株式を除く)の約10%を自己株式として取得し、会社法第178条に基づき消却する施策を採用すべきと考えます。
第5号議案に対する当社取締役会の意見
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案に反対致します。
(2)反対の理由
当社は、自己株式の取得は、資本効率及び株主還元の向上を図るとともに経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行の為に有効であると認識しております。直近でも2022年12月開催の取締役会決議に基づき、2022年12月20日に東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において取得総数819,800株、取得総額1,884,720,200円の自己株式を取得致しました。また、以下の通り一株当たり配当金を増やすことで、株主還元の向上にも継続的に取り組んでまいりました。
〇一株当たり配当金の推移
当社では、2023年4月より始まる中期経営計画最終年度(2026年度)の目標指標として、ROIC(投下資本利益率)8.0%(2022年度:7.9%)を設定しております。中期経営計画では、更なる成長に向けて設備投資を含めた投資をより積極的に実施し、ROIC目標を設定することで、併せて資本効率も重視した成長を目指します。また、DOEを現在の「3.0%を目安」から「3.5%を目安」に変更することにより、株主還元の更なる強化に取り組んでまいります。また、政策保有株式比率を2026年度末までに17%以下(2022年度:約25%)に引き下げるという目標を掲げ、政策保有株式の売却によって得た資金を、財務の安定性を維持する為に必要な資金として確保しつつ、成長に向けた投資や株主還元にバランスよく配分し、当社のステークホルダーの期待に応えてまいります。
1年間で5,702,500,000円の自己株式を市場にて取得するという本株主提案は、当社株式の流動性を考慮すると現実的ではなく、また、このような提案が可決されれば成長投資の財源が損なわれ、当社の中長期的成長と企業価値の向上が停滞するおそれがあるばかりか財務の安定性を損なうおそれもあり、結果として株主の皆様の利益を毀損するおそれがあるものと考えております。自己株式の取得については、当社株式の取引状況及び株価を踏まえながら、将来の成長に向けた投資とのバランスを考慮した上で、適切な時期に実施するべきであると当社は考えております。