第6号議案 剰余金の配当方針に関わる定款変更の件【株主提案】

議案の要領

現行の定款「第7章 計算」に以下の条文を新設する。

第●条(剰余金の配当方針)

当会社は、2023年3月期の期末配当から、剰余金の配当につき純資産配当率(DOE、Dividend-on-Equity。「配当総額÷純資産合計」により算出される。)5.0%を下限とする配当方針を採用し、法令上許容される限り、当該配当方針に従って以後の配当額を決定する。

提案の理由:

議題2 剰余金の配当方針に関わる定款変更の件

貴社は、2022年3月末の連結貸借対照表にて有利子負債がない反面、現預金及び投資有価証券の合計額は123.7憶円と、総資産168.6意円の73%に上り、盤石な財務基盤を有しています。さらに、貴社の純資産は過去10年の間、一度の資本調達もせずに70.2億円(2012年3月期)から142.4億円と倍増しておりますが、一株当たり配当は、2014年の株式分割による調整を鑑みても81円から2022年3月期の90円と11%しか増加しておりません。よって、この間に当期利益は増加傾向にあるにも関わらず、過剰資本状態に陥り、結果としてROEが徐々に低下するという状態に至っております。

2022年7月に発表された中期経営計画に示された配当方針は、このROEの低下をもたらした過去の配当方針をほぼそのまま踏襲する形となっており、先の特定株式保有の件と相まって、事業が成長したとしてもROEが向上しない、もしくは低下させてしまうリスクを高める結果を招くことになりかねません。従いまして、資本効率化策の一つとして、ROEとの対比によって計算される、純資産配当率(DOE、「配当総額÷純資産合計」により算出)で5%を下限とする配当政策を2023年3月期から導入する(本議題可決時点で取締役会により既に2023年3月期の配当決議がなされている場合には必要に応じて同月期分について追加配当決議を行う)ことを提案します。なお、この配当政策に基づくと、2023年3月期は少なくとも125円程度の配当の実施が可能と予想されるところ、当該配当水準における配当総額は現金7.3億円相当であり、貴社がその水準の配当支出を安定的に継続することは可能であり、妥当なものであると考えます。

【第6号議案についての当社取締役会の意見】

当社は、利益配分につきましては、収益状況に応じた株主様への還元を行うこととする基本方針のもと、業績及び将来の事業展開と経営基盤強化に必要な内部留保資金等を勘案し実施することとしております。内部留保資金の使途につきましては、新事業分野への進出、既存事業の拡大等に向けた成長投資を考えており、また、機動的な自己株式の取得などによる株主の皆様への利益還元も適宜検討していく所存であります。

このような方針の下、当社は、本中期経営計画において、可能な限り減配を回避するとともに、配当性向を50%以上となることを目標として掲げ、長期的な成長と財務健全性のバランスを取りつつ、株主還元を実施することとしております。

これらを踏まえ、当社取締役会は、本中期経営計画の初年度である 2023 年3月期の期末配当としては、2023年5月19日の「剰余金の配当に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、当社普通株式1株につき金40円の期末配当を行うことを決議いたしました(中間配当は金40円)。これにより、中間配当を含めた配当性向は81.8%、自己株式取得と合わせた総還元性向は133.8%となります。

なお、当社といたしましては、配当性向50%以上との目標に加え、DOE(純資産配当率)も考慮した配当政策とすることを現在検討しており、プライム市場上場会社として、当面の業績に大きく左右されることなく一定レベルの安定配当を今後とも継続していくことにより、株主の皆様のご期待に応えてまいりたいと考えおります。

これに対し、本株主提案に基づく定款規定は、当社が、2023年3月期の期末配当から、DOE 5.0%を下限とする配当方針を採用し、法令上許容される限り、当該配当方針に従って以後の配当額を決定することを求めるものです。かかる配当方針は、上記の当社の株主還元に関する基本的な方針に合致いたしません。

さらに、同定款規定が設けられた場合、当社の業績や当社経営にあたって必要な内部留保資金の多寡、成長投資に用いる必要性等にかかわらず、画一的な方針で配当額を決定することが必要になり、今後の当社の事業運営及び株主還元を含む配当政策の機動性・柔軟性が損なわれることは明らかであり、妥当ではありません。

当社としましては、株主還元に関する方針は、資本政策にかかわるものとして、当社の掲げる経営戦略や事業環境等に応じて取締役会が決定すべきものであり、定款に規定することは適切ではないと考えております。

以上の理由により、当社取締役会としては、本議案に反対いたします。

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