第7号議案 社外取締役の個人別の固定報酬額決定の件
(ア)議案の要領
各社外取締役の固定報酬の額を、1人当たり、1事業年度につき10百万円とする。
(イ)提案の理由
別紙記載の通り。
第7号議案に対する当社取締役会の意見
当社取締役会は「第7号議案」に反対しております。
1.反対の理由
(1)当社では、指名・報酬等諮問委員会及び取締役会の議論を経て、当社取締役の報酬を、①その役割と責任に応じた固定報酬である月額報酬、②報酬決定プロセスの透明性・客観性を高め業績インセンティブとなる業績連動報酬である賞与、及び、③株主の皆様と同じ目線で持続的な成長を意識づけることを目的とする非金銭報酬、の3種の組み合わせにより構成する体系を採用しています。もっとも、社外取締役の報酬は、独立かつ客観的な立場から当社の経営を監督する役割・責務に適した報酬体系とすることとし、具体的には①月額報酬のみを支給することとしております。
(2)そして、取締役の個人別の報酬額については、あらかじめ株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、指名・報酬等諮問委員会で役位別の月額報酬の金額範囲、賞与に関する業績等の評価の内容、役位別の非金銭報酬額に関する原案を作成し、取締役会の決議を経て、その決定内容の範囲内で代表取締役社長が具体的内容について委任を受け決定しております。このように、社外取締役の個人別報酬額についても、独立性が確保されている指名・報酬等諮問委員会が関与の上決定されており、業務執行の決定機関である取締役会から独立性が確保されているプロセスで決定しております。
(3)他方で、本株主提案のように、社外取締役の個別報酬額をあらかじめ株主総会で決議することとした場合、外部環境や市場環境の変化等を踏まえた柔軟な報酬設計が困難となり、かえって、社外取締役に求められる役割や責任等に応じた柔軟性が阻害され、適切な報酬額が決定されず、当社に有用な人材の招来が困難となる可能性があると考えられます。例えば、経済産業省が2022年7月19日に公表した「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」においても、社外取締役の負担や責務に応じて適切な水準の報酬とする観点の重要性が指摘されており、社外取締役についても、それぞれが異なる役割を担っていることを踏まえた形で、個別に報酬が定められる体制を原則とすべきであると考えられます。
(4)なお、提案株主は、現状の当社社外取締役の報酬では「優秀な人材の確保は困難である」旨を主張していますが、現時点における当社の社外取締役が極めて有能な人材であることに疑いの余地はありません。また、会社提案に係る当社社外取締役候補者についても、本株主総会において社外取締役として選任された場合にはそれぞれが有する経歴やスキル等を踏まえて当社の企業価値向上に貢献いただけると期待して社外取締役候補者として決定した優秀な人材です。このように、社外取締役として有能な人材を確保することが困難になっているとの前提は誤りです。
(5)なお、提案株主は、他社に対して社外取締役選任議案を株主提案として提出する際にも、(具体的な金額は本株主提案の金額と異なるものの)社外取締役の個別報酬額の決定に係る株主提案を提出している例が散見されます。これは、提案株主は、自身が提案する社外取締役の選任を目指しつつ、当該社外取締役の選任が成功した場合における報酬について、候補者打診の段階で一定の条件提示・保証をすることなどを通じて、当該社外取締役が提案株主の意向に沿うよう動機付けていることのあらわれのひとつである可能性も否定できません。
2.結論
以上を踏まえ、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。