第7号議案 株主提案 社外取締役の構成に関する定款変更の件

第6号議案および第7号議案は、株主1名からのご提案によるものであります。

以下の「議案の要領」および「提案の理由」は、提案株主から提出されたものを原文のまま記載しております。

1.議案の要領

当社の社外取締役を過半数とするため、当社の定款第21条を下記の通り変更する。

2.提案の理由

弊社は今日の上場企業経営において取締役会の多様性と独立性が不可欠であると考えます。多様性ある取締役会とはスキル、経験、年齢、国籍、ジェンダーなど幅広い視点から経営判断ができる取締役会を意味し、独立性のある取締役会とは少なくとも過半が独立社外取締役から構成されている取締役会を意味します。


コーポレートガバナンス・コード原則4-8は、「独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、プライム市場上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも3分の1(その他の市場の上場会社においては2名)以上選任すべきである。また、上記にかかわらず、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである。」と規定しています。また、コーポレートガバナンス・コード原則4-7は、独立社外取締役の役割・責務の一つとして、「経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること」を挙げています。

当社は、取締役7名のうち社外取締役は2名となっており、コーポレートガバナンス・コード原則上の要件を充たしていないためすぐに社外取締役を増やすべきであり、より積極的に取締役の過半数を社外取締役とすることで、資本効率を上げ、株主還元を図り、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与するガバナンス体制を整えることができると考えます。


また、社外取締役の人数のみならず、社外取締役の資質についても、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与することができる人材が必要であり、この点、女性及びアナリストとして高い経験とスキルを持つ人材の登用を検討すべきと考えます。


女性の登用について、弊社は経済産業省の「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」における「取締役の中に女性が一人もいない企業においては、取締役としての質の確保を前提としつつ、女性の取締役を選任することを積極的に検討すべき」との記述に全面的に賛同致します。


次に、「アナリストとして高い経験とスキルを持つ人材」の登用は、外部投資家・株主の目線を取締役会にもたらすと同時に、健全なリスクテイクを通じた企業価値向上に資する効果的な手段と考えます。本来、上場企業の取締役会と投資家・株主は企業価値の長期的な向上という同じ目標を共有しながら、不幸にも日本においては両者が対立的な構図でとらえられることも少なくありません。上述の経験・スキルを持つ取締役が取締役会の議論・意思決定に参画することは、健全なリスクテイクと資本配分、そして市場とのより良いコミュニケーションを通じて取締役会と株式市場の関係を本来の建設的なものにするでしょう。しばしば銀行出身者や会計士がスキルマトリックスのファイナンス部分を担うと説明されますが、「健全なリスクテイク」を促す観点からは会計や負債市場の専門性だけでは不十分であり、そこにエクイティ市場の専門家の意義があると考えます。

当社取締役会の意見

当社取締役会としては、本株主提案に、以下の理由で反対いたします。


当社は、取締役会の多様性と独立性の確保が重要な課題であることを認識しております。

事業環境が不連続に変化する中、経営陣による迅速・果断な意思決定がより重要視されるようになっています。このような環境の中で、取締役会が実効的に機能するため、重要な意思決定を行うとともに、実効性の高い監督を行うには、その役割・責任を果たすスキル(知識・経験・能力)をバランスよく備えておく必要があり、また、多様性の確保についても重要であると考えます。

そして、当社は、中長期的な経営の方向性や事業戦略に照らして取締役会が備えるべきスキルを特定し、取締役会全体としてのバランスを明確化しており、様々な経験に基づく視点を取り入れることで、取締役会の議論は活発となり、それに伴い取締役会の実効性が向上していると考えます。引き続き、当社状況に応じ最適なスキルや多様性を備え取締役会の実効性を向上してまいります。

また、本株主提案においては、取締役の過半数を会社法第2条第1項第15号に規定する社外取締役とするとしていますが、人数要件の充足が、ただちに取締役会の実効性向上につながるものでもないと考えます。業務執行者からの実質的な独立性を有するとともに、社外取締役に期待される役割、機能を発揮できる能力を有しなければならないと考えます。そのような独立性と当社状況に応じた最適なスキルや多様性を備えた社外取締役がいることでガバナンス向上という目的が達成されるのであり、本株主提案のような人数確保が目的になりかねない規定を定款に設けることは、かえって取締役候補者の選択範囲を制限し、最適な取締役会を構成するうえでの妨げとなる可能性もあると考えます。

第75回定時株主総会終了後には、取締役会構成メンバー(全取締役6名のうち独立社外取締役2名)において、コーポレートガバナンス・コード原則4-8のとおり独立社外取締役を少なくとも3分の1以上選任すべきであるとする当該内容をコンプライすることになります。引き続き、当社は、特定の職業経験者に限定することなく取締役会全体としてスキルをバランス良く備え、多様性と適正規模を両立させる当社状況に応じた最適な取締役会構成メンバーと人数を確保し、ガバナンスの透明性および取締役会の実効性を高めていく考えであります。

従いまして、当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

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